FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

ダナン市における女性・子ども支援

高度成長のはざまに置かれた人々の自立を支える

プロジェクトが挑む課題

近年、急速な経済成長を遂げているベトナム。しかし必ずしも発展の効果が均等に国民に及んでいるわけではありません。都市と地方との格差のみならず、都市の内側でも住民間の格差が広がっています。

商業と観光の都市として世界的に注目を浴びているダナン市でも、母子世帯や進学できない若者などは厳しい生計事情にあります。FIDRは現地の福祉団体と共同で職業訓練を通じた自立支援を行います。

その課題の背景にあるのは

ダナンはベトナム中部の要衝という立地と、世界遺産や海・山の観光資源に恵まれ、瞬く間に長足の発展を遂げました。それに伴う都市化と経済構造の変化は著しく、時流に乗って所得を大きく伸ばすことができた人々がいる一方、取り残されてしまう層が存在しています。特に、学歴も職業技術もない女性や若者は、不安定かつ零細な収入で日々を送り、昨今の物価上昇による生活費の増大に耐えられなくなっています。

かつては家族、親類による扶助で支えることも可能でしたが、それも今日の社会経済の変化の速度には対応しきれません。国による社会保障制度もまだ途上にあります。こうした社会的に弱い立場に置かれている人々の生活を向上させるには、安定した収入を得るための技能を身につけることが有効な方策といえます。

FIDRは1998年にベトナムでの拠点となる事務所をダナン市に開設し、市内および周辺地域を中心にプロジェクトを展開してきました。FIDRはダナン市外務局からの要請を受けて、本プロジェクトを立ち上げました。

FIDRが目指すのは

ダナン市内に暮らす社会的脆弱世帯が、安定した生活を送れるようになるための職業技能と知識を習得する機会を用意します。

プロジェクトの活動場所

ダナン市

プロジェクトの効果を受ける人たち

ダナン市で社会的脆弱状態にある約100世帯

現地で行う取り組み

1. 現地の社会経済と生活環境を調査し、脆弱世帯への支援ニーズを把握する。
2. 縫製、食品加工、包装等の職業訓練のカリキュラムを構築し、実施する。
3. 生活・生計改善のためのガイダンスを実施する。

活動の期間

2022年8月〜2023年7月(延長の可能性あり)

共同団体

ダナン市慈善・チャイルドライツ保護協会
Da Nang Charity Association and Child Right Protection Association (DNCACRPA)

FIDRのアプローチの特色

これまでにFIDRが従事してきた山岳少数民族の手工芸、食品加工などの技術指導の経験を活かし、確実に収入につながる職業訓練を実施します。

プロジェクトの今