
世界で約6億8000万人(地球上で10人に1人)*が飢餓状態にあります。人口増加や環境問題が深刻化する中、食料をいかに確保するかは最重要問題です。世界から貧困を解消するために、国際社会が掲げた「持続的な開発目標」 (SDGs)の目標の2番目には「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」と謳われています。
飢餓が生じる主な原因が慢性的貧困です。飢餓に苦しむ人のおよそ75%**は、途上国の農村部に住む貧しい農民です。農業を行うための土地や水、種、肥料等が必要です。しかし、貧しい農民は、資金が無いために種や肥料を買えず、そのため食料の生産量が低く、自分が食べる量の食事を生産することもままなりません。
貧困による慢性的な食料不足に加え、自然災害も飢餓を引き起こす大きな要因の一つです。干ばつ、洪水、土砂崩れといった災害は小規模農業を営む人々を直撃します。近年は異常気象の影響でこうした災害の発生が頻繁に生じています。途上国では災害のための食料備蓄や、経済的損失への公的救済策は極めて少ないのが実情です。
出典;*The United Nations (2019),**World Food Program(2020)
ベトナム山岳地域では伝統的な農法で稲作が行われており、収量は低く、住民は食糧の不足や不安定な収入に見舞われていました。FIDRは地域総合開発プロジェクトを実施し、稲の品種改良や化学肥料や農薬に頼らずに高い収穫を実現できる稲の栽培方法SRI農法を普及しました。これにより、米の生産性が向上し、食糧不足解消につながりました。