
天気にも恵まれ気持ちよさそうに鯉のぼりが泳ぐ5月9日、大槌町長をはじめとする来賓・園児の列席のもと安渡保育所の開所式が行われました。会場は、同時に開所式を迎えた、隣接する小中学校の多目的室のホールでした。
FIDRからは角事務局長と前田職員が出席し、園児から「僕たちの保育所を作ってくれてありがとうございました」という感謝の言葉と、かわいいお礼の品をいただきました。
阿部佳代保育所長は、「震災から2年が経ち、こうして新しい保育所と温かい給食を食べられることをとても嬉しく思います」と、素敵な笑顔でお話くださいました。FIDRが子どもたちにお渡ししたお菓子のプレゼントには、「遠足のおやつにちょうど良がったぁ〜」と、喜んでくださいました。
被災地に住む子どもたちが毎日を伸び伸びと過ごせる、そして保護者の方々が安心して保育所に子どもを預けることができる――それはとても重要なことでありながら、震災後は簡単なことではなくなりました。
2年が経ち、こうして前を向くお手伝いに関わることができることや、そんな子どもたちの素直な笑顔を見られるようになったことを嬉しく思うと同時に、山田町に暮らす私自身も改めて生かされていることへの感謝の念を抱きました。
※当保育所厨房の資機材及び調理器具は、ウォータードラゴン基金(香港)から資金提供 をいただき、購入、配備されました。
被災地にもやっと暖かい風が吹き始め、心待ちにしていた春がやってきました。
3月末に完成した大槌町安渡保育所も、ピカピカの園舎で新学期がスタート。園児たちは、できたての温かい給食を食べられるようになりました。
廊下から作るところを見られるようになっているので、子供たちも興味津々。
園舎は美味しそうな香りでいっぱいになり、配膳台に並んでいく美味しそうな給食に釘付けの様子。
おいしい香りに食欲を刺激され「おなか空いたね〜」と声をかけると、「早く食べたいね!」とかわいらしい笑顔を見せてくれました。
みんなで手を合わせ元気いっぱいに「いただきます!」のご挨拶をすると、温かい給食を囲み会話も弾んで、楽しい昼食となったようです。
大槌町には幼児のための施設(幼稚園、保育所、託児所)が8か所ありましたが、そのうち5か所が被災しました。その後、園舎の修理や仮設園舎の建設により保育を再開しました。しかし唯一、安渡保育所は今なお園舎がなく、旧安渡小学校の教室を借りて保育を行っています。そしてここには厨房施設がないため、できたての温かい給食を子どもたちに提供することができません。
震災から2年の月日を迎えつつある2013年2月4日、安渡保育所の仮設園舎の建設が始まりました。建物はコマツハウス株式会社の厚意により、無償で提供されることになりました。
ここにぜひとも備えるべき設備が厨房です。大槌町役場との協議によりFIDRは、厨房機器や調理器具の配備を支援します。
園舎は3月末に完成予定。4月から園児たちは新しい部屋でできたてのお昼ご飯を食べることができるでしょう。
震災発生時、岩泉町立小本保育園では、横川副園長ならびに職員の方々のとっさの判断と行動で、園児たちをつれて避難しました。おかげで全員無事でした。大きな危機を幸いにも逃れることができた幼い命。これからも健やかに成長していくよう、安全で快適な保育環境を確保することが何よりも大事です。FIDRは小本保育園の仮設園舎建設と備品の配備を支援しています。
12月22日、小本保育園の開園式が催されました。伊達勝身町長をはじめ多くの関係者や保護者の方々が新しい園舎の完成を祝ってくださいました。時節柄、園児たちには新園舎がFIDRを支えてくださる皆さんからのクリスマスプレゼントとなりました。
この園舎は仮設園舎ながら、子どもたちのために様々な特長を備えています。まず、「広さ」。部屋の仕切りのアコーディオンカーテンを開ければ全園児が遊ぶにも十分なスペースがあり、広々とした園庭は様々な行事にも使えます。ついで「暖かさ」。式典当日は小雪が舞う寒さでしたが、FFヒーターが据えられた室内は春のような心地よさです。そして「明るさ」。大きな窓が外光をたっぷり取り込んで開放的な空間になっています。窓ガラスは教育施設用の安全性の高い製品を用いています。
小本保育園の子どもたちの元気な成長が、岩泉町小本地区の復興の弾みとなり、さらには地域の発展につながっていくことを願ってやみません。
岩手県岩泉町の小本保育園は、津波によりかつての園舎が使えなくなってから、30人余りの園児たちは公民館を借りた臨時の園舎で過ごしています。
「ここは部屋が分けられないために、年齢に応じた保育ができないのが問題です。また、園庭がないために園児たちが外で遊ぶには、離れた広場まで車で連れて行かなければなりません」と横川副園長。
これまでの8カ月間、様々な制約がある中で、9名の職員の皆さんは子どもたちの保育に熱心に努めていらっしゃいます。
一日も早く、かつてのような保育活動を行えるよう、仮設園舎の開設が待ち望まれます。しかしながら海と山に挟まれた土地柄ゆえ、安全で相応の広さがある場所を町役場が建設用地として確保するまでに、時間を要しました。
岩泉町役場は、2年後には小本保育園の本設の園舎開設を予定しています。このため今回開設する仮設の園舎は、木造ではなくプレハブ造りの建物が望ましいということになりました。FIDRは十分な広さと幼児にふさわしい設備を備えたプレハブ園舎の設置と備品一式の配備を支援します。
保育士の方々からのアイディアを取り入れて部屋割りや設備仕様を決め、10月24日に着工。目下、工事は順調に進んでいます。
12月22日に予定している仮設園舎の開園式では子どもたちの元気いっぱいの笑顔があふれるでしょう。
木造在来工法で建設した田老保育所の仮設園舎が完成しました。壁内部の断熱材の選定から園庭フェンスの仕上げに至るまで、細かいところまで配慮が行き届いた施設は、将来長く使用するに十分に耐えられる質のものです。
工事に携わった方々の情熱に支えられ、極めて短い工期でこの優れた建物ができました。大工さんや建築資材は、できるだけ現地で確保し、被災地の経済復興に貢献するようにしました。
今後の「仮設園舎」あるいは「仮設校舎」のひとつのモデルとして、全国の関係者の方々に参照いただけるものと期待します。
9月30日、木の香りに満ちた園舎内にて開所式が催され、宮古市の山本正徳市長はじめご来賓の方々が新しい園舎の完成を祝ってくださいました。
保護者の方々も、この園舎の完成をずっと待ち望んでいたようです。「大きくて楽しい!」と大はしゃぎする子どもたちを嬉しそうに見守っていらっしゃいました。
「ほっとしました。これで年齢別の保育活動ができます。これまでは間借りの状況で不自由がありましたが、これからは、自分たちの施設として心おきなく保育に専念できます。木のぬくもりがあるこの保育所を大事に使わせていただきます」と保育士さんたち。
これから寒い季節を迎えますが、この保育所の中では子どもたちが裸足で元気に走り回ることでしょう。
FIDRが建設を支援した、宮古市の津軽石仮設保育所が完成しました。 仮設園舎は、保育室2室、調理室、事務室、幼児用トイレ等保育に必要な設備を備え、9月1日から使用されています。現在は、37名の子どもたちが元気いっぱい過ごしています。
7日には、宮古市の山本正徳市長をはじめとするご来賓・園児の列席のもと、開所式が行われ、FIDRの江川信彦常務理事から祝辞を述べさせていただきました。子どもたちからは、支援のお礼にと手作りの記念品がFIDRに贈られ、元気な歌が披露されました。
坂本静枝所長は、「仮設園舎の完成で、保育に必要な設備が整い、保育時間も長くできるようになり、職員も保護者もとても喜んでいます。5日からは給食も始まりました。短期間でこのような施設を作っていただけたことは大変ありがたく、FIDRという頼りにできる存在があることが心強いです」との言葉をいただきました。
この仮設園舎が、毎日子どもたちの笑顔で溢れ、子どもたちがのびのびと過ごす場所となることを期待します。
岩手県宮古市から北に14kmほどの距離にある田老地区は、津波とその後の火災で壊滅的な被害を蒙りました。田老保育所も土台部分を残すのみの姿となってしまいました。
幸い、保育所にいた子どもたちは、保育士の方々に連れられて大急ぎで避難したため、皆無事でした。今はそこから北に7kmの高台にある、保養施設の一室を臨時の保育所としています。
保育所長の満山さんはこう語ります。
「ここには1歳から5歳までの44人の子どもたちがいます。年齢別に部屋を分けられないので、保育活動がとても制約されてしまいます。子ども用の施設ではないため、離乳食の用意やトイレなどに、不便を感じる毎日です」
子どもたちが健やかに育つ環境を早く回復したいと願い、FIDRは8月1日より田老保育所の仮設園舎の建設を始めました。当園舎が長期にわたり使用される可能性もあることを考慮し、子どもたちにとってより安全で快適に過ごすことができるよう、木造の建物を設けることとしました。
岩手県宮古市の津軽石保育所は宮古市の中心部から南に8km余りの距離にあります。
毎年多くの鮭が遡上する津軽石川は、今回の震災では津波が一気に流れ込み、河岸の堤防を乗り越えた海水と泥土が集落を呑みこみました。 津軽石保育所の子どもたちは無事でしたが、建物と設備はほぼ全て損なわれてしまいました。
現在、近くの小学校の空き教室2室を臨時保育所として、35人の子どもたちの保育活動を行っています。しかし乳幼児の保育に必要な設備はなく、厳しい制約の中での保育となっています。
FIDRは、宮古市が仮設保育所の用地として選定した公園の一画において、7月19日より、プレハブの仮設園舎建設を開始しました。仮設の施設とはいえども、子どもたちが安全にのびのびと過ごすことができるよう、建物の質や機能には十分に配慮しています。目下、8月末の完成を目指して、工事が着々と進んでいます。
地震と津波で壊滅的な被害を受けた岩手県沿岸部。小さな子どもたちが通う保育所も例外ではありませんでした。宮古市では、津軽石地区と田老地区の2つの保育所が津波にのみこまれ、使えなくなってしまいました。また、岩泉町の保育所も大きな被害を受け、建物は大がかりな修理をすればなんとか使用できる状況ではありましたが、海から近い現在の場所で保育を再開するのは、次に津波が来た時に大変危険であるため、他の場所への移動を余儀なくされました。
そこでFIDRでは、子どもたちの安全のため、またご家族の皆さんにも安心して子どもたちを預けてもらうため、この3つの地域に仮設の保育所を建設することにしました。また、次の災害に備えるために、防災用品も各保育所に提供することにしました。
先生たちの早急で正確な判断により、各保育所の子どもたちが無事に避難することができたのは、不幸中の幸いでした。しかし、子どもたちは現在、避難所や他の施設などの慣れない場所で不安な毎日を送っています。
子どもたちに以前の元気と笑顔を取り戻してもらえるよう、きめの細かい支援を行っていきたいと思います。