FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

買い物支援

2013年12月20日

まぢづけぇ号 新しい”おたのしみ”

震災により町内の多くの商店が失われ、また、町の中心部から離れた高台に仮設住宅が建てられたため、車を運転できない高齢者や車を持たない方々にとって、再開したスーパー・銀行への足の確保が大きな課題でした。

FIDRは、震災発生1年後の2012年3月、岩手県山田町の社会福祉協議会と協力して買い物バスの運行を開始しました。

「山田町社協☆ファイダーまぢづけぇ号」と名付けられたバスは多くの方の買い物に利用されただけではなく、地域の人々の交流の場にもなりました。

その後、町には公共交通機関や仮設の商店街が建設され、一歩一歩復興へと向かう中で、「まぢづけぇ号」は新しい役割を担うようになりました。

現在「まぢづけぇ号」は、近隣の市町村へ遠出する新しい“お楽しみの場”となり、多くの高齢者の方々に喜ばれています。高齢者の方々だけでは遠くて行けない場所や、観光スポットなどへ行くツアーは、毎回大人気でキャンセル待ちが出るほどの盛況ぶりです。

先日、釜石市内にあるラスク工場への見学ツアーに同行し、手作りのお菓子を「おあげんせ(召し上がれ)」と、ご馳走してくれたお母さんや、「女学生に戻った気分♪遠足みたい。」と嬉しそうに笑うお母さんとご一緒させていただきました!

まぢづけぇ号を背に、ハイ!チーズ!!

「ラスクってなんだべ?」「鉄の街だもの、鉄の何かだべ」とみなさん。
工場長に丁寧に説明を受け、ここがお菓子の工場と知ると、みなさん大喜び!
「ラスクってお菓子なんだがねぇ。友達も誘えばよかった〜」と、お母さんたちは試食で頂いたラスクを頬張りました。

工場長からお菓子作りの説明を受け、驚くみなさん

「孫におみやげ・・・」とお買い物

その後、みんなで美味しい昼食をいただき、買い物を楽しみます。
疲れ知らずのパワフルなお母さんたちは、帰りのバスでも元気いっぱい!
たくさんの買い物袋を下げて、「良いお年を〜」と手を振るみなさんから、元気をもらった一日でした。
今後も、町の復興に向けて「まぢづけぇ号」が活躍し続けてくれるものと思っております。

2012年3月8日

山田町の無料バス「山田町社協☆ファイダー まぢづけぇ号」新車両を贈りました

FIDRが山田町社会福祉協議会にバスを提供し、昨年10月から運行されている無料バス「山田町社協☆ファイダーまぢづけぇ号」。これまでレンタカーで運行されてきましたが、FIDRが購入した新車がようやく納品となり、3月5日に山田町の仮設住宅で贈呈式が行われました。

見ているだけで楽しくなりそうな新車両のまぢづけぇ号

朝から雪が舞う中、FIDRと山田町社会福祉協議会の関係者をはじめ、この日を楽しみにしていた町内の利用者も参加して、寒さも吹き飛ばす賑やかな贈呈式となりました。FIDRの事務局長から山田町社会福祉協議会の会長へゴールデンキーが引き渡され、くす玉も割られていざ出発!!
「全国社協キャラクターグランプリ2012」でグランプリを獲得した「山田社協マン」のイラストが車体に描かれた黄色いバスは、かわいいと大好評。このカラフルなバスが通り過ぎるだけで皆が振り返り、沿道から手を振ってくれる人もいます。

贈呈式にて、山田町社会福祉協議会 佐藤実会長(左)に鍵を贈呈するFIDR角事務局長(右)

贈呈式の後、早速出発する新車両のまぢづけぇ号

この日も変装した名物添乗員が繰り広げる歌と山田弁のトークで、車内は笑いが絶えませんでした。「こんなに笑わせてもらってもう癖になりそう」「もうすぐ震災から1年。狭い仮設住宅でじっとしていると、震災を思い出して悲しくなってくる。でもこうやって皆で歌っこ歌っておしゃべりしたり、お買い物をするだけで、気持ちがパっと明るくなるんだよ」と、笑顔で顔をくしゃくしゃにしながら話してくれました。

「まぢづけぇ号」」は買い物に行くだけではなく、皆でワイワイ楽しんで利用者どうしが交流を深めることを一番の目的としています。このバスが利用者の笑顔を運び、笑顔が増えていくことを願い、山田の町をいつまでも走り続けていきたいと思います。

2011年11月1日

山田町の無料バス「山田町社協☆ファイダー まぢづけぇ号」運行中

「みなさん出発してもようござんすか?それでは出発進行!!」
ピィィ〜〜。
添乗員の明るい声と笛を合図に、山田町の仮設住宅を1台のバスが出発しました。

FIDRが町に提供し、山田町社会福祉協議会が運行するこのバスの名前は「山田町社協☆ファイダーまぢづけぇ号」。「まぢづけぇ」とは、山田町の方言で「みんなで一緒にワイワイと町に買い出しに行く」といった意味です。しかし、このバスは単に買い物のための交通手段ではなく、仮設住宅に住んでいる方々の元気の素となることも目的としています。

レンタル中のマイクロバス
12月頃に新車が導入される予定です

車内の様子

添乗している山田町社会福祉協議会の職員が繰り広げる歌と山田弁のトークで、車内はいつも笑いが絶えません。「こんなに笑ったのは本当に久しぶりだ。毎週楽しみにしているよ」と、お腹を抱えながら笑って話す高齢の女性がとても印象的でした。

多くの方々が利用されています

「娘と2人暮らしで、いつも娘にご飯を用意してもらっていて面倒をかけているから、このバスに乗れる日はお弁当を買って娘と食べてるんだよ。先週はお寿司を買ったよ。今日は元気を出すためにカツ丼を買って帰ろうかな」
「いつもそんなに買い物はしないけど、お店でたくさんの商品を見て回るだけで気晴らしになるんだよ」
利用者の方々からは、このような会話が聞かれます。

このバスは、地域の人々どうしの「交流の機会」としても大きな役割を果たしています。スーパーで、震災後に初めて再会した友人同士が抱き合って喜ぶ姿や、車内でみんなで「青い山脈」を大合唱する光景が見られました。バスは人と人を結び、様々な出会いや交わりを広げています。

現在は、まだレンタルバスによる試験運行ですが、12月には新車が導入され本格的に運行が開始される予定です。

2011年10月19日

岩手県山田町で、無料バスの運行支援を始めます

岩手県山田町では、多くの商店が失われましたが、瓦礫撤去や整地作業が進み、少しずつ復興の兆しが見えてきた今、仮設の店舗などで営業を再開した小売店もいくつか現れてきました。
岩手県山田町の様子

4月撮影

9月撮影

とはいえ、仮設住宅は街の中心部から離れた高台に分散して設けられました。車を運転しない高齢者や自家用車を失った方々にとって、再開したスーパーや銀行等に行くのは極めて困難な状況です。また、交通の便が悪いことにより、親類、知人との交流の機会も減り、部屋に閉じこもりがちになる方々が出てくることが心配されます。

FIDRはこのような方々への交通手段の支援が急務と考えました。そこでFIDRはマイクロバスを町に提供し、山田町社会福祉協議会が「無料バス」として運行を担うこととしました。

まずは試験運行という形で、10月17日から山田町の5地域にある仮設住宅団地を対象としてスタートしました。無料バスは午前・午後の2回、仮設住宅団地と街の中心部を往復します。午前中は衣料品店・ホームセンターを、午後は、町役場、銀行、スーパーを回ります。今後、巡回する場所や時間帯等、地域のニーズに細やかに対応していけるよう、調整を行っていきます。

仮設店舗により営業を再開したホームセンター。仮設住宅で過ごす方からは、「ここにすぐに買い物に行けたらとても助かる」との声がよく聞かれます
2011年10月13日

岩手県大槌町で、移動販売車による巡回販売が開始されました!

10月12日(水)、大槌町において、移動販売車による巡回販売が始まりました。これは、FIDRの企画をもとに、山崎製パン株式会社と、同社系列の小売店を運営している地元の岩間商店が実施するものです。

移動販売車

大槌町は、町の中心部を含め広範囲が津波によって壊滅状態となり、多くのスーパーや商店も被災しました。現在、幾つかの仮設店舗で営業が再開されており、また、一部で巡回販売も行われています。しかしながら、町内の8地区37か所の仮設住宅団地、約2,100戸のニーズにはまだ遠く及びません。

FIDRが現場で声を聞く中で、「料理ができない」、「料理をする意欲がわかない」、「買物に行く足がない」、とこぼす高齢者や独居者の方々の食生活を危惧しました。今後、長引くと思われる仮設住宅での生活で、食生活が崩れ、健康を損なうことに繋がることが予想されます。それを少しでも改善するため、FIDRは移動販売車による巡回販売を企画しました。

今回実現に至った移動販売車には、日用品、雑貨などとともに、お弁当、お惣菜、飲料類などを取り揃えてあります。いわば「走るコンビニ」。多彩な商品を取り扱えるようにするため、特別の移動販売車が山崎製パン株式会社並びに株式会社ヤマザキエンジニアリングによって製作されました。

10月11日、碇川豊町長へ移動販売バスをお披露目しました

当面は試行的に、週3回、小槌、大槌、吉里吉里の3地区を朝10時から午後3時まで巡回します。その後、地域や巡回時間の調整を行い、仮設住宅入居者や周辺地域のニーズにきめ細かく対応していくことにしています。

移動販売車内部の様子。食料や日用品等、様々な種類の商品が陳列されています
たくさんの方が購入に来られました(大槌町)