2017年3月31日
最後の「輪・環・和」
誰かが歌うと自然に踊りも飛び出します。集まりではいつも笑い声がたえません
3月13日、FIDR山田事務所最後の山田わ・わ・わ計画を利用した交流会が、織笠地区の有志によるグループ「若草会」によって実施されました。
若草会は元々地区の婦人会でしたが、「被災していない地域だからこそ、被災した地域の方々を励ましたい」という方針のもと、震災後は地区住民と被災された方との交流をはかり、健康維持やカラオケ大会、山菜や自作の野菜を持ち寄っての料理教室などを定期的に開催していました。惜しまれながらも今回が最後の会になり、当日は30名程の方々が集まりました。
「仮設住宅にも人が少なくなって寂しいと思っていたが、この会に呼んでもらい、みんなと交流できて本当に楽しかった。仮設暮らしのストレスを発散する場にもなっていました。また集まる機会があれば是非参加したい。」仮設住宅にお住まいの参加者はこのグループでの集まりを大変楽しみにしていたご様子でした。
この日はFIDRも特別に招待され、赤飯、山菜の煮物、たくさんの野菜の漬物や冠婚葬祭によく食べられる具沢山のそうめんなどが振る舞われ、会の代表である佐々木さんより「今まで沢山サポートをして下さりありがとうござました」と感謝の言葉をいただきました。
FIDRは、「広げよう 友だちの輪」「つなげよう 伝統の環」「楽しもう やまだの和」を合言葉にサポートを行ってきました。参加者みなさんの笑顔を見るたびに、いつもこちらが元気をもらいました。微力ながら町の方々の活動に関われたことに心から感謝いたします。
今まで広がり、繋がってきた「わ」が、今後も更に大きく広がっていくことを願っています。
2017年3月29日
「伝統の味」を美味しく作るコツを学びました
3月12日、FIDRの支援により昨年末に竣工した大沢川向コミュニティ―センターで、山田町のお母さんたちのグループ「大人女子」の皆さんによる、山田わ・わ・わ計画を利用した料理教室が行われました。
「大人女子」の皆さんは町外出身者も多いため、「山田の味を習いたい」という声が多く聞かれるため今回は「ひゅうず」の作り方を教えてもらいました。
「ひゅうず」はこの地域でおやつとして親しまれる郷土菓子で、ゴマ、黒砂糖を皮状にした小麦粉で餃子のように包み、茹で上げて作ります。簡単に作れますが、今回は美味しく作るためのコツとして「翌日でも皮が軟らかく仕上げる方法」「具がはみ出ず包む方法」を重点的に習いました。
美味しい生地をつくるコツは「小麦粉とだんご粉を同量混ぜる事」だよ!
2班に分かれて作業のため、生地の硬さに違いがみられました
茹でる方が簡単ですが、蒸した方は中身がもれず、キレイに仕上がるので今回は蒸してつくりました。
完成!黒く見えるのは具材の黒砂糖が程よく溶けた証拠。今回は具の中に隠し味の味噌が入っています。「味噌が入ったのがミソだよね」
出来上がったひゅうずは生地の硬さが班によって違うので、食べくらべをしましたが「どちらも美味しい」と大好評でした。
その他にも
「生地がモチモチして美味しい!家で作って家族にも食べさせたい」
「いつもは茹でるけど蒸した方がキレイだね」
「中の黒砂糖の食感が良いね」と話していました。
FIDRのサポートはなくなりますが、今度も継続して料理教室や交流会を催していくそうです。若い新メンバーも増えて、今後の活動が楽しみです。
2017年2月28日
ジャンボな笑顔をありがとう!
~「山田わ・わ・わジャンボリー」を開催しました~
FIDRでは岩手県山田町において、『広げよう、友だちの輪・つなげよう、伝統の環・愉しもう、やまだの和』を合言葉に、コミュニティの再構築を目指し、町のみなさんとともにたくさんの交流イベントを企画・開催してきました。その活動により一つひとつの小さな点が輪となり、その小さなコミュニティの輪と輪がつながりをみせるまでに展開してきました。
2月11日から12日にかけて、山田町で、さらに大きな交流の輪が町内に広がるように「つなげ!でっかい笑顔 山田わ・わ・わジャンボリー」という交流イベントを開催しました。
暖かな日差しの中はじまった同イベントは、シアバターを使ったリップクリーム作りや、町のケーキ屋さんを講師に迎えたおしゃれなパンケーキづくりなどの体験教室や足湯カフェなど、子どもから大人までどなたも楽しめる内容で行われました。
ホットな足湯で“ほっ”と ひと息
リップクリームやアロマ石けん作り
オーブンで焼くオシャレなパンケーキづくりに親子で挑戦!
12日には、山田町の椎茸やほうれん草などを使った長さ10mの太巻きづくりに挑戦し、「せーの!よいしょ!」の掛け声と共に36名の参加者が一斉に太巻きを作りました。参加者は「難しかったけど、大勢で心をあわせて完成させることができて嬉しかった」と、できあがったのり巻きを頬張っていました。
途切れることなく出来上がった10mの太巻きを持ち上げ、みんなでにっこり「ハイ、ポーズ」
大人も子どももガチンコ勝負!
優勝した「チーム昆」ファミリー
のり巻きのお振る舞いのあとは、高さ150cmのジャンボな紙ずもうに挑戦!
8チーム18名の選手たちは、自分の背丈ほどあるダンボール製の力士を前に勢いよく土俵を叩き、勝敗が決まると大歓声をあげていました。優勝した「チーム昆」ファミリーは「まさか優勝できると思わなかった!」と喜びの声をあげていました。
その他にも農産物販売、バイオリンとフレンチホルンの演奏会も行われ、来場したたくさんの町民の方々は、様々な方との交流をしながら楽しいひと時を過ごしました。
FIDR山田事務所として最後の開催となった同イベント。町民同士の交流の輪が大きな広がりを見せ、「つなげ!でっかい笑顔 山田わ・わ・わジャンボリー」の名に相応しい、笑顔溢れるイベントとなりました。
たくさんの方々の御協力のもと開催できたことに心から感謝申し上げます。
2017年2月24日
山田スイーツを作ってみよう! ~町外出身者が山田の味に挑戦~
1月29日、山田町外出身者と山田町出身の若いお母さんたちで構成されたグル―プ「大人女子」の皆さんが、新しい山田スイーツ“ゴマロール”と八方出汁の作り方を地域のお母さん達から教わりました。
「大人女子」のほとんどは、町外からお嫁に来た人たちです。「山田の味をもっと知りたい」「みんなと出会う機会が欲しい」などの声を受け、今まで何度か「山田わ・わ・わ計画」を利用して料理教室等を開催しています。
“ゴマロール”は米粉を砂糖水で練って一度蒸し、3等分にした後、黒ゴマ、白ゴマ、きな粉をそれぞれの生地に練り込み、重ねてのり巻きの様に巻いたもので、切ると渦巻き状の模様があらわれます。モチモチした生地を噛めば噛むほどとゴマときな粉の風味の中に甘さが出て来て、何切れでも食べられるおいしさです。
子どもたちも生地を練る作業に参加「粘土みたいでおもしろーい」
三層に重ねた生地を切ると渦巻き状の模様が出て来ます
“八方出汁”は「出汁の取り方をきちんと習いたい」という若いお母さん達の要望により教えていただく事になりました。たっぷりの鰹節と昆布から取る一番だしに調味料を加えて作る八方出汁は麺類の他にも煮物や和え物にも使える万能だしです。講師役のお母さんは「しっかり出汁を取ると、調味料も少なくて済むから健康にいいんだよ」とおっしゃっていました。今回とった出汁は山田産のワカメを使った美味しいうどんにして食べました。
鰹節を入れると調理室中に良い香りが漂いました
参加者の出身地は北海道〜九州まで多岐にわたるため、色々な話を聞く事ができます
会場は、FIDRが建設して山田町に寄贈した集会施設「大沢川向コミュニティセンター」でした。「眺めがサイコ―!」「調理器具もすべてが新しいから大事に使わないとね」「子どもたちの様子を見ながら調理できるのが良いね」と初めて入る新しい施設に、参加者は大満足でした。
FIDR山田事務所が3月末で閉鎖になる事を話すと「せっかく沢山の人が集まり交流するキッカケができたので、今後は自分たちで活動を続けていきたいと思います」と話して下さいました。
活動を継続されて沢山の輪を広げていかれることを願っています。
2017年2月1日
「山田わ・わ・わ街かど探訪」~タイムトンネル編~を開催しました
1月22日、「山田わ・わ・わ街かど探訪 タイムトンネル編 温故知新〜これからの街を あの景色に探して〜」を開催しました。
FIDRでは4度にわたり、町の有志のみなさんと一緒に山田町内を散策しながら歴史や風景をたどってきました。知られざる山田町の歴史や消えゆく風景をたどる「山田編」や、ふたつの神社を巡り、まなぐ(目)の神様やご祈祷で運気を高める「ご利益編」、磯の香りをあじわいながら、荒神社の歴史とパワースポットをたずねる「しおかぜ編」、そして先日開催した「タイムトンネル編」では、豊間根の地名にもなっている豊間根家の歴史や、復興道路と言われる三陸縦貫道の建設工事現場を見学しました。
手つかずの自然に昔の景色を感じる石峠一里塚*
およそ370年前から藩制時代の武家屋敷のまま原型が保持されている豊間根家
豊間根家の近くにある「石峠一里塚*」にはポッコリと盛り上がった土塚があります。他にも山田町内には4箇所の一里塚があり、六里の間(二塚一対)欠如なく存在するのは全国的にも稀なことであり、とくに石峠一里塚は当時の様子を想像させるような風情を感じさせる土塚が残っています。
お話を聞いた参加者は「普段見過ごしていた場所にも、長い歴史があることを改めて感じたよ」と話してくれました。
林の中、ポッカリ空いた空間に立派なお堂が建っていました
お堂の裏山には、一東和尚が320年前から眠るお墓がありました
豊間根家からバスで数分のところにある「一東和尚堂(熊野舘)」には、豊間根家の係累にあたる一東和尚が眠っています。一東和尚は6歳から仏の道に進み、85歳にして座禅往生されたと伝えられています。
背の高い竹や杉の林を抜けた先には雪の中に立派なお堂が建っており、中には一東和尚像や真鍮製のロウソク立てがありました。「こんなところに、こんな立派なお堂があったなんて初めて知ったね」参加者からは驚きの声があがっていました。
おしゃべりを楽しみながらの昼食のあとは株式会社小原建設のご協力を得て、現在急ピッチで工事が行われている「三陸縦貫自動車道」の工事現場へ見学に伺いました。
写真奥には山田地区と豊間根地区を結ぶトンネルが見えます
株式会社小原建設様によりドローンによる記念撮影。参加者は大興奮でした!
三陸縦貫自動車道とは、宮城県仙台市から岩手県宮古市の沿岸部を結ぶ自動車専用道路です。「復興の象徴」であり、また今後大規模な災害があった場合の「命綱」にもなる同自動車道は、近い将来、三陸北縦貫道路(岩手県岩泉町〜久慈市)、八戸・久慈自動車道(岩手県久慈市〜青森県八戸市)とつながり、「三陸沿岸道路」と呼ばれる延長359kmもの自動車専用道路となります。建設現場を見学した参加者は、「早く全線開通していろんなところへ出かけたい」という想いを強くしました。
4度目となった今回の「山田わ・わ・わ街かど探訪」。竹やぶのトンネルをくぐり、400年前から現代そして未来へと思いを巡らせ、タイムトラベルの名に相応しく「時の旅人」となった一日でした。
*今から400年ほど前、主要な街道に1里(約3.927キロ)ごとに築かれた塚
2016年12月9日
心ふれあうイベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました
FIDRは、11月23〜24日に、岩手県山田町の町内2か所において、交流イベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました。
足湯カフェは、町の人々に、足湯に入り体も心も温まりながら交流できる場を提供しようと、2014年以降、FIDRと山田町内各地区の方々とが協同で企画・実施しているものです。今回は震災後、みんなが新しく越してきたアパートで交流の場をもちたいと山田町災害公営住宅柳沢団地と岩手県災害公営住宅大沢アパートで開催し、参加者はあわせて30人を超えました。
今回の注目の一つは新しい足湯セット。これまでの経験を活かし、より手軽に地域住民のみなさまに楽しんでもらえるよう、小型・軽量化を追求した小回りの利く設備です。大槌町でコミュニティ促進活動を展開する特定非営利活動法人つどいが企画、FIDRもボイラー設置を協力してこの秋に完成したばかりです。組立を手伝ってくださった有志の方々からも「持ち運びも簡単なので、どこにでもセットできる」と高い評価を得ました。
ヒノキの香り漂う足湯セット
有志の方々の協力で組立てました
心ふれあうほっこり足湯に笑顔も浮かぶみなさん
会場では、住民たちが手分けして作ったお汁粉が振る舞われました
お汁粉を食べながらのおしゃべりに花が咲きました
参加者は口々に「いい湯加減だ〜」と足湯を喜ばれていました。
また、お汁粉をつくり、振る舞った住民は以下のように仰っていました。
「みんなが集まってのお料理作りは楽しい。またやりたいです」
「年寄りが多いので何をするにしても大変だが、FIDRさんとの協同でこのような会を企画することはみんなが喜ぶし楽しいです。FIDRさんの後押しがないとできなかった事でした。」
心ふれあう「ほっこり足湯カフェ」は、住民の皆さんにとって憩いの場所になりました。
2016年10月24日
「山田わ・わ・わ街かど探訪」しおかぜ編を開催しました
10月12日、「山田わ・わ・わ街かど探訪 しおかぜ編 温故知新〜これからの街を あの景色に探して〜」を開催しました。今回は今までよりも長い約6キロを歩き、地元では知る人ぞ知る散策スポットや由緒ある神社を散策するコースを巡りました。
このイベントは、町民有志でつくる「山田の歴史にふれる会」の皆さんが「山田町の消えゆく風景や知られざる歴史を町の方々に伝えたい」「自分たちの町の名所・旧跡を探訪して新たな発見をしてもらいたい」という思いから、FIDRと一緒に企画しているイベントの第3弾になります。「前回が楽しかったから、今回も参加してみようと思った」というリピーターの方や「地元の事をもっと知りたい」方など19名の参加者と一緒に散策しました。
住宅街を抜けただひたすら坂道を進みます
途中の休憩ポイントでは、参加者の方に栗をごちそうになりました
一つ目の散策スポット「七面山」では普段この場所がお散歩コースという地元参加者の方が進んでガイドをして穴場を案内して下さいました。四季折々の花が咲くこの場所はいつでも散策できるそうです。
一つ目の散策スポットから見える、通称「ライオン島」3月11日の津波で耳が小さくなったそうです
その後山道を歩く事40分。突然目の前に海が見えてきます
白い砂浜とエメラルドグリーンの海を有す「荒神海水浴場」を右手に進んで行くと、東日本大震災で多くの被害を受けた古刹「荒神社」に到着し、再建した籠り場やお神輿を保管している倉庫、本殿の中など普段なかなか見ることのできない場所を見せていただきました。
津波で流失後、再建された籠り場で宮司のお話を聞きました
神社の敷地内には「パワースポット」があるとか…
参加者は以下のような感想を述べられていました。
「懐かしい人達と出逢い、涙を流しながら昔話に花を咲かせました」
「荒神社の歴史や本殿を見るなど、なかなか普通では体験できない事ができてありがたく思っています」
「和気あいあいとおしゃべりしながら、すばらしい景色に触れることができとてもよかった」
「散策の間、他の参加者の方たちといっぱい話が出来て良かった。楽しかったです」
これからも、自分達の住んでいる場所の再発見をしつつ、地域の皆さんと一緒に新しい交流の場を作っていきたいと思います。
2016年10月5日
「山田わ・わ・わ街かど探訪」第二弾「ご利益編」を開催しました
街かど探訪へ「いざ!出発」
FIDRでは岩手県山田町大沢地区において9月21日「山田わ・わ・わ街かど探訪 ご利益編 『温故知新』−これからの街を あの日の景色に探して−」を開催しました。
このイベントは、町民有志でつくる「山田の歴史にふれる会」の皆さんが「山田町の消えゆく風景や知られざる歴史を町の方々に伝えたい」「自分たちの町の名所・旧跡を探訪して新たな発見をしてもらいたい」という思いから、FIDRと一緒に企画しています。4月に開催された山田編に引き続き、今回は第二弾となりました。
「山田町に住んでいても知らないことがいっぱいあるので、自分たちの町にどんな歴史があって、今があるのか知りたい。」と、17名の町の方々が参加しました。
緑の中を歩いて、居磯大権現へ移動し、神社を守る箱石家の方からその由来の説明を受けました
居磯大権現は地元で「おりそさま」「まなぐ(目)の神様」と呼ばれており、ほとりを流れる小川の水は目に良いと言われています。参加者は早速目を洗う方もいらっしゃいました
箱石神社に移動し、山神さまや箱石神社の説明を聞きました
箱石神社は源義経の置き土産と言われる大きな箱型の石で、この岩の上部が蓋になっており、その中に宝物があると伝えられています
「思わぬところに歴史があるということがわかった。」
「今までわからなかった歴史が聞けてよかった。」
参加者はメモを取られながら、終始熱心に説明を聞かれていました。
魚賀波間神社(ながはまじんじゃ)に移動し、安全祈願の御祈祷をしていただきました
ご好意で、「大沢祭り」の時にしかお披露目されないお神輿を見学し、その歴史の説明を受けました
最後に参加者に今回のイベントの感想をお聞きしたところ、以下のようにおっしゃっていました。
「普段そばを通っているけれど、今まで知らなかった場所や案内が無ければいけない場所に連れて行ってもらえて本当に良かったです。」
「町内に住んでいても知らないことが多いですね。こうして自分たちの町にこんな歴史があって、今現在がこんなになっているんだと云うことを知り、子供たちにも伝え、また一緒にその場所を訪ねたりできたらいいなと思います。」
「皆さんと一緒に歩けるか心配していましたが、暖かく気さくな雰囲気の中で時間を過ごすことができました。このイベントに感謝します。また是非参加したいです。」
波静かな山田湾を背景に、魚賀波間神社で記念撮影
今回のイベントには、第一弾の山田編に参加した方々や初めての方々も多く参加してくださいました。また、運営スタッフとしても郷土の歴史を愛する町民の方々が率先して名乗り出てくださり、新たな参加者と共に交流の輪が広がった一日でした。
今後も山田町の魅力を町のみなさんと探訪して、地区を越えた交流活動を行っていきたいと思います。
2016年7月26日
山田町ふるさと自慢キャラバン
古い写真のスライドショー見る参加者の皆さん。画面が切り替わるたびに歓声が上がりました
東日本大震災から5年が経過し、岩手県山田町では、災害公営住宅への転居や自宅の再建が本格化してきて仮設住宅から離れる方が増えています。その一方で、以前住んでいた場所の造成工事や災害公営住宅の建設を待ちながら、仮設住宅での生活を続けている方もまだまだ多くいらっしゃいます。
このような中で、住民の皆さんが集まるキッカケになればと、FIDRは4月から「ふるさと自慢キャラバン」と称し、住民の皆さんが集い山田町の昔の写真を見て、町の良い所を自慢しあうイベントを開催してきました。
7月上旬までに、町内の仮設住宅の談話室や集会所、町の施設など計29カ所で実施し、仮設住宅にお住まいの方だけではなく、住宅を再建し仮設住宅から引っ越していった方も含め、延べ200名以上が参加して下さり、たくさんの笑顔と出会うことができました。
昔の写真をスライドショー形式で見て、当時にタイムスリップしたような感覚に包まれる住民の皆さん。
「山田の駅を降りるとすごいスルメ(イカ)の香りがした。あのときの匂いを思い出す」
「小さい頃は家の手伝いをするのが当たり前で、弟妹をおぶって学校行ったよ」
「すんか屋根(杉皮屋根)に石がのっているのは風で飛ばないようにだよ」
などと、毎回話が盛り上がり、自然に笑みがこぼれていました。
「懐かしいなぁ〜」写真を見ながら思い出話に話が弾みました。
スライドショーを見た後は、皆さんから、自慢の「山田のごっつおう(ご馳走)」「山田の好きな場所」「山田の方言」を紹介してもらいました。
中には、「前回キャラバンに参加した人から『あなたのお母さんが写真に写っているから見てきて』と言われたから来てみました」という方もいらっしゃるなど、口コミで評判も拡がりました。
今回のイベントがキッカケで久しぶりに集まった人たちと、FIDRのコミュニティー活動支援プログラム「わ・わ・わ計画」を活用した交流会を行うグループもあり、このキャラバンが新たなコミュニティーの再構築の場になったことを嬉しく思います。
2016年6月22日
好評!心温まるふれあいイベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました
子どもたちも足湯を楽しみ、住民手作りのドーナツやおでんも振る舞われました
(5月29日・県営災害公営住宅豊間根アパート)
FIDRは、5月下旬から6月上旬まで、岩手県山田町の町内4か所において交流イベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました。
この「足湯カフェ」は、町の人々に、足湯に入り体も心も温まりながら交流できる場を提供しようと、2014年以降毎年、仮設住宅団地や各地区の自治会などの方々と協同で企画・実施しているものです。今年は長崎地区なかよし公園、関谷仮設団地、県営災害公営住宅豊間根アパート、浦の浜仮設団地で開催し、来場者は合せて300人近くになりました。使用した足湯セットは、前回に引き続き、花巻温泉郷などの観光地を抱える花巻市の一般社団法人花巻観光協会様より無償でお借りしました。
どの会場でも自治会の方々が、地域住民への呼びかけだけでなく、ヴァイオリンの生演奏、カラオケ、手作りおやつの提供など趣向を凝らして来場者のおもてなしを行ってくださいました。
藤棚の花の下での足湯やヴァイオリンの生演奏を楽しみました
(5月22日・なかよし公園にて)
仲良く足湯を楽しむ笑顔の素敵なご夫婦
高齢者の介助をする自治会のみなさん
来場者は口々に「いい湯加減だ〜」と仰って足湯を喜ばれ、中には「ここでのお喋りは楽しい」と毎日足を運んでくださる方もいらっしゃいました。
また、「山田地区の造成が遅れているのでいつまでこの仮設にいるのか分からない」「自主再建するか、アパートへ入るか、どうしたなら良いかわからない」「色々な工事が進んでいるが、町がどんなふうに変わって行くのか想像がつかない」など、将来の生活についての懸念や不安を口にする方々もいらっしゃいました。
自治会の方々の中には、「このように協同で企画することはみんなが喜ぶし楽しい。次回も声を掛けて欲しい」と仰る方もいて、今後も協同で活動を行うことができそうです。
「ほっこり足湯カフェ」は、地域の皆さんにとって心温まる交流と憩いの場所になりました。
2016年6月8日
花寿司がつなぐ地域の交流
和気藹々と交流しながら花寿司作りを楽しみました
5月25日、岩手県山田町船越地区で、お祝いの席などでいただく「花寿司」作りを楽しむ交流会が開催されました。開催したグループ「まず!やってみっぺす」は、代表の吉田さんが、ご近所に住みながらも言葉を交わしたり集まって楽しんだりすることの少ないお母さんたちに声をかけて結成したものです。今回の集まりは、3月に開催した交流会の時に日程を決めておいたこともあり、開催を待ち焦がれていた9名の方が参加されました。
花寿司作りは皆さん初めてでしたが、レシピを参考にしながら、日頃の調理経験を活かして見事な花寿司を作り上げました。また、今が旬のあさり汁やウルイの酢味噌和え、小松菜のお浸し、ヤーコンの油いためも作りました。ウルイや小松菜は参加者が畑で育てたものを持参しました。
「面白いね」「楽しいね」と調理を進めるうち、あっという間にお料理は出来上がり、参加者みんなで試食をしました。
日頃の調理経験を活かして作り上げる花寿司
できあがった花寿司やあさり汁など
試食しながらも弾む会話
試食中にも会話が弾み、「初めて参加したが、声を掛けてもらって良かった。一人暮らしなので集まってワイワイするのがとても楽しい」「初めて作る花寿司を、みんなでいろいろ考えながら作ったのが楽しかった」「集まっておしゃべりするだけでもいいよね」という声があがりました。
中には「みんなの都合がつけば、今度はFIDRのサポートを受けずに、自分たちだけで交流会を考えよう」といった今後の活動についての意見もありました。リーダーの吉田さんは「ご近所で声を掛けあったので初めて参加される方もいて、前回よりも交流が深まった気がした。今後は独自での活動も計画したい」と話されていました。
将来開かれる交流会にもいろいろな方が参加し、新たな「楽しみ」が広がっていくことを期待します。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年6月1日
ひゅうず作りで仲間の輪が広がりました
みんなで形を整え、1時間ほどで100個近くのひゅうずを作りました
5月13日、「わ・わ・わ飯岡」のグループの皆さんが、山田町の郷土菓子「ひゅうず」作りを楽しむ交流会を飯岡地区内で開催し、近隣にお住まいの方々14名が参加しました。このグループは、FIDRが支援する住民主体のコミュニティー活動「山田わ・わ・わ計画」をきっかけに2015年1月に結成され、以後、月1回の集まりを持ちいろいろな活動をしています。今回は「ふるさとの味“ひゅうず”をつくろう!」を企画しました。
小麦粉を材料とすることの多い山田町の郷土菓子「ひゅうず」ですが、今回は、米粉と小麦粉で2種類作ることにしました。男性を中心に粉を捏ね、形を整える人と蒸す人とに分担し、1時間ほどで100個近くが完成しました。
「黒姫餅」は、蒸したもち米に黒砂糖や醤油・酒などを溶かした特製の調味料を混ぜ、再度もち米を蒸し上げ最後にゴマ、クルミを散らしたものです。初めて作る人がほとんどでしたが、グループの中で作り方を知っている方が講師となり、教わりながら作りました。その他にもワカメとキュウリの酢の物、なめこの味噌汁、レタスサラダを作りました。
協力して粉を捏ねます
みんなで黒姫餅の作り方を教わりました
「おふくろの味を思い出して子どもの頃に帰ったようだ」と奥さんと和やかにひゅうず作りを楽しむご夫婦
完成した「ひゅうず」「黒姫餅」「ワカメとキュウリの酢の物」「なめこの味噌汁」「レタスサラダ」
参加した男性は「ひゅうずは、小さい時おふくろの手伝いで作ったことがあるが、この年になって女房と一緒に作ることになるとは思わなかった。おふくろの味を思い出して子どもの頃に帰ったようだ」と、奥さんと和やかに楽しんでいました。
初対面同士の方々も「すぐ打ち解けられる雰囲気で、会話も弾み楽しむことができました」と話していました。
リーダーの上野さんは「お茶のみだけでなく、何かを作ることを参加者の皆さんは楽しみにしている。仲間の輪が広がっていくのを実感しているので、みんなで楽しめる企画をいろいろ考え、この会が長く続くことを願っている。男性の参加がもっと増える工夫をしたい」と話していました。
これからも「わ・わ・わ飯岡」の方々のアイデアを中心に、地域の方々の交流がさらに広がり、深まっていくことを期待します。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年5月25日
「FIDRオープンカフェ」で公園に「笑顔の花」が咲きました
五月晴れの公園で、参加者同士の『お話しの花』が咲きました
岩手県山田町の織笠地区第1団地は高台を造成し新しくできた地区で、戸建てタイプの災害公営住宅や新築住宅が建設され、仮設住宅などからの転居が進んでいます。災害公営住宅への入居も、自宅再建のための土地購入も抽選で決まったため、転居してきた住民の方々は、もともと住んでいた地区も仮設住宅もバラバラです。
そのような中、この地区で自宅を再建された方などから次のような懸念の声が聞かれました。
「仮設住宅で5年間かかって培ってきたコミュニティーがバラバラになってしまった」
「新しい場所でコミュニティーができるまで長い時間がかかるだろう」
この団地内には集会施設もなく、住民同士の交流が進んでいない状況です。そこでFIDRは地区内にある公園を会場に、住民を対象とした交流会「FIDRオープンカフェ」を5月12日に開催しました。当日は約30名の方が参加され、お茶を飲みながら近況を話したりした後、郷土料理の「ひっつみ」を味わいながら交流を深めました。
なつかしい顔ぶれに会い、「笑顔の花」を咲かせていました
近隣の災害公営住宅「織笠アパート」の皆さんが作ってくれたお振る舞いのひっつみ
ひっつみに「美味しい」と舌鼓を打つ参加者の皆さん
参加者の中には、「みんなで集まる集会施設もないので、公園でもこういった催しがあると嬉しい」「同じ織笠地区の方でも今日のようにゆっくり話をするのは久しぶりだ。またこういった機会があったら参加したい」と話してくださる方もいました。
団地に住んでいる方々が声を掛けあい参加し、お振る舞いの「ひっつみ」を食べながら交流の輪が拡がっていました。
FIDRは今後も少しずつ交流の場を増やすことにより、コミュニティーづくりの後押しをしていきます。
2016年5月20日
地域へ自ら歩み寄る
新たな「地元」にとけこむ、きっかけづくり
4月28日、山田町・豊間根地区において「FIDRオープンカフェ」が行われました。
豊間根地区は山田町の内陸に位置し、津波による被害がなかったため、震災後には多くの方が移り住みました。
FIDRと共にオープンカフェの企画や運営を行ったのは、仮設住宅での生活を経て、豊間根地区内でとりわけ世帯数が多い勝山地域に転居してきた福士さん。「勝山地域の世帯数は、200以上。ここにきて数年が経ち挨拶を交わすようになったが、名前や顔などがまだ一致しない。もっとお互いを知れるきっかけがほしい」と思い、同じように他地域より引っ越してきた方などを集め、企画作りを進めました。
歌と踊りで心の距離も近づきます
豊間根生活改善センターで行われたオープンカフェには、新しく転入した方だけでなく、古くから勝山地域に住む方も含め23名が参加しました。
福士さんたち手づくりのドーナツや、ひっつみ汁(すいとん汁)などが振舞われ、「昔はよく作ったけれど、今はひとり暮らしで作ることもなくなった。大人数で食べるひっつみは、こんなに美味しいんだね」と言いながら、嬉しそうにひっつみ汁を食べる参加者の姿がありました。また、カラオケや、参加者みんなで踊る時間も設け、参加者の交流が深まりました。
賑やかな交流会に参加者のみなさんも楽しげな表情を浮かべています
カフェの運営の中心となった福士さんは、今回カフェを開催した理由と今後の意気込みについて次のように話してくれました。
「勝山地域は、わたしたちの他にも他地区から引っ越してきた方が多いので、きっかけをただ待つのではなく、地域の方と知り合える“チャンス”を自分たちで作りたいと思った。これからはFIDRの山田わ・わ・わ計画のサポート*を活用しながら、新しくできた仲間たちとの交流を深めたい」
震災により、慣れない環境で新たな地域コミュニティーをつくることを余儀なくされた方々が、これから「地元」となる場所で、そこに住む人々へ歩み寄る、そんな地域との結びつきへの第一歩となった交流会でした。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年5月16日
災害公営住宅の住民の交流をはかる「FIDRオープンカフェ」を開催しました
東日本大震災から5年経ち、岩手県山田町では災害公営住宅の建設がようやく本格化し、仮設住宅から転居する人の数も少しずつ増えてきました。
災害公営住宅の一つ「県営織笠アパート」は、昨年12月から入居が始まりました。しかし「誰が住んでいるのかもわからず引きこもりがちになる人が多い」という声が聞かれたため、FIDRは3月に団地内の住民から聞き取り調査を行いました。「みんなと顔を合わせるきっかけが欲しい」という希望が多数あったことから、4月19日、織笠アパート初の顔合わせ会「FIDRオープンカフェ」を開催しました。
当日は、入居者の約半数にあたる20名の方が参加しました。入居住民が集まるきっかけとして行ったこの会では、アパートに付設された集会施設の内外にテーブル席を設け、震災後町内に転居して来られた方によるバイオリン演奏や、織笠地区の有志グループ「若草会」によるおしるこの提供が行われ、参加した方々は楽しいひと時を過ごしました。
FIDRは、2014年以降、新しく完成した町内の災害公営住宅において、このような顔合わせの機会を随時設けており、今回の織笠アパートでの開催が3か所目となります。
今回の顔合わせを契機に、今後このアパートでも少しずつ交流の機会が増えて、新しいコミュニティが活性化することを期待しています。
恥ずかしがり屋なお父さんたちは集会施設の外に設けられたテーブルでお茶会
集会施設の中はアパート住民で大賑わいです
2016年4月25日
「山田わ・わ・わ街かど探訪 山田編 『温故知新』―これからの街をあの日の景色に探して―」を開催しました
FIDRでは岩手県山田町において「地区を越えた交流の場をつくろう!自分の地区の魅力を町内の人達に体験してもらおう!」と、町民の方々と一緒に体験会を開催してきました。さらに交流の輪を広げようと、町内の名所・旧跡を探訪する「山田わ・わ・わ街かど探訪」を企画し、4月9日、その第一弾となる「山田編 『温故知新』−これからの街を、あの日の景色に探して−」を行いました。
このイベントは、町民有志でつくる「山田の歴史にふれる会」の皆さんが「山田町の“消えゆく風景”や“知られざる歴史”をみんなに伝えたい!」「自分たちの町の名所・旧跡を探訪して新たな発見をしてもらいたい」という思いから、FIDRと一緒に企画しました。
当日参加した20名の方々は、まず、山田町役場屋上からかさ上げ工事や災害公営住宅の建設が進む町中心部を、旧市街地図と比較しながら見学しました。同会の皆さんから、昭和初期の街並みの町名や通り名の説明を聴き、「懐かしい地名だね」「あそこがそうだよね」などと話されていました。
山田町役場屋上から町中心部を見渡しました
旧市街地図に載っている昔の町名などを懐かしみました
その後、山田八幡宮に移動し古い石灯篭の由来も聞きました。これは、2015年世界遺産に登録された橋野鉄鉱山(釜石市)の運営に出資していた山田町の富豪・貫洞家が、約300年前に寄進したものとのことです。
貫洞家と石灯篭の説明を聞く
また、山田八幡宮佐藤宮司のご好意で、毎年9月に行われる町内最大のお祭り「山田祭り」の時にしかお披露目されない山田八幡宮と町内の大杉神社のお神輿2基を見学し、その歴史の説明を受けました。
大杉神社は東日本大震災によって社殿、神輿庫などが壊滅的な被害を受けました。社殿やお神輿は再建されましたが、神輿庫はまだ再建されていないため山田八幡宮で保管しているとのことでした。
山田八幡宮のお神輿
大杉神社のお神輿と八幡宮の説明をする佐藤宮司(中央)
最後に、中央コミュニティセンターにて、昭和初期に撮影された山田地区のモノクロ写真のスライドショーや、明治初期に製作された山田湾海図にまつわる昔話が紹介されました。
昭和初期を紹介するスライドショー
モノクロ写真や海図で当時を紹介
昼食後の懇談会では、参加した皆さんが記憶を呼び起こしながら、なつかしい町の話に夢中になっていました。今回のイベントの感想をお聞きしたところ、
「なつかしい地名を聞き、昔を思い出してうれしかった」
「今後もこういうイベントに参加したい」
「山田の歴史ってすごいなぁと思いました。知らないことだらけで、興味深くお話を聞かせていただきました。子どもたちにもこの歴史を伝えていけたらいいなあと感じています」
とおっしゃっていました。
記憶を呼び起こしながら懐かしい町の話に夢中のみなさん
今回のイベントには、FIDRが町民の方々と一緒に開催してきた郷土料理づくりや、町の特産を活かした交流会ではお見かけしない方々が多数参加してくださいました。また、運営スタッフとして郷土の歴史を愛する町民の方々が率先して名乗り出てくださいました。新たな参加者と共に、新たな交流の輪が広がった一日でした。
旧山田小学校跡での記念撮影。郷土の歴史に興味を持つ方々が集いました
2016年3月25日
山田の味を一緒に作って堪能 〜仲間と楽しい時間を共有!〜
山田町の婦人グループ「後楽女の会」の皆さんが2回に渡り山田町の食材を使い、お菓子づくりに挑戦しました。2月10日は、クルミを使った郷土菓子「味噌がんづき」、3月16日は、リンゴを使った創作菓子「リンゴのフライパンケーキ」に挑戦、山田湾で採れたワカメを入れたスープなどとともに山田の味を楽しみました。
会の皆さんは、これまでも「山田わ・わ・わ計画」*のサポートにより、料理づくりを通して交流を深めて来ました。
これまで「小麦粉」「ゴマ」「クルミ」を使った郷土菓子作りに取り組み、2月10日の会は「味噌がんづき」になりましたが、3月16日の会は趣向を変え、地元の果物を使って手軽なお菓子が作れないかと考え、「リンゴのフライパンケーキ」を作ることに決まりました。初の洋菓子作りで緊張気味での挑戦となりましが、みんなで協力しながら進める事で上手に焼きあがりました。
キャラメル状にするのが難しい・・
上手に出来たわよ!
参加された方は「家に帰ったら孫のおやつに作ってみようかな」と喜んでいました。
会の代表の佐藤さんは「みんなで楽しんで美味しいものを作って食べられるこういった活動を来年度も行って行きたい」話して下さいました。
FIDRはこれからも みなさんが元気になれる活動をサポートしていきたいと思います。
2月のメニューは山田産クルミを使った「味噌がんづき」(右)。その他、山田産ワカメの酢の物(上)、ときりたんぽ汁(左)にも挑戦
昔は捨てていたこの「ぞーが(スジメ)」も今は食べるんだよ。歯ごたえがあって美味しいよ
3月はリンゴのフライパンケーキ(上)。
玉子スープと切り干し大根の炊き込みご飯
ヨーグルトケーキも作りました
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年3月18日
「山田の味を召し上がれ!」
〜町外出身者が“山田の味づくり”に挑戦〜
「大人女子」の皆さん
3月9日、山田町外出身の若いお母さんを中心としたグループ「大人女子」の皆さんが、地元産の海の幸を使った料理を作る交流会を行いました。
この交流会は、以前「山田わ・わ・わ計画」*のサポートによるイベントに参加した方が「自分も知り合いとやってみたい」と企画したものです。「山田にお嫁に来た人、転勤で山田に来た人」へも参加を呼びかけたところ、北は北海道から南は宮崎県まで全国各地出身の方々を含めた11名が参加しました。
今山田町は、カキ、ホタテ、わかめが旬を迎えています。そこで地元のお母さんを先生役に「カキのマリネ」「ホタテの炊き込みご飯」「ワカメのスープ」作りを教わりました。
山田町に住んでいても、なかなか地元の料理を習う機会もなく、交流も少なかった参加者の皆さん。
「新しいカキの料理を知ることができて良かった。一品に野菜が沢山入って家族にも食べさせたい」
「山田にお嫁に来て以来、こういった会に参加するのは初めて。旬の食材を使ったレパートリーが増えて嬉しい」
「自分の親から教えてもらうのと違って勉強になります」
「山田弁も一緒に勉強になりました。また参加したいです」
などと交流会は好評で、「今度は郷土菓子を習いたい」と既に第二回の開催が検討されています。
先生役を務めた地元のお母さんも「色々な人に山田を知ってもらうきっかけのお手伝いが出来て嬉しい。若い人との交流も楽しかった。こういった機会があれば、またお手伝いしたい」と喜んでいました。
普段なかなか交流することの無い方たちが集まる機会となった今回の交流会。新しい輪が広がって、次の交流会をサポートさせていただけるのが楽しみです。
「ここまで食べられるのよ」先生(左)からホタテについて教わります
ぷりぷりの大きなカキやホタテが沢山入って美味しい〜!
(写真上から時計回りに「ワカメのスープ」「カキのマリネ」「ホタテの炊き込みご飯」)
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年3月14日
まず!やってみっぺす 〜地域の方々と仲良く交流会〜
「あずきばっとう」の麺づくり。切り方を教わります
3月2日、岩手県山田町船越地区の「まず!やってみっぺす」のグループの皆さんが、山田町の郷土料理づくりを楽しむ交流会を開催しました。このグループは、代表の吉田さんが、ご近所に住みながら、言葉を交したり集まって楽しむことの少ないお母さんたちに声を掛け、結成したものです。会の名称である「まず!やってみっぺす」の通り、先ずは何でもいいから一歩踏み出すことを目標に掲げ、近所のみなさんを誘ったところ、「待ってました」とばかりに9人が交流会に参加することになりました。
作る郷土料理は、昔、家庭でお盆や小正月に食べられていた「あずきばっとう」と「八へい汁」、そして「ワカメの和え物」です。初めて作る方もいたため、当日は参加者の一人が講師役を務めました。
「あずきばっとう」は、小麦粉に熱湯を注ぎ、生地を捏ね、麺棒で伸ばして切った本格的な麺を、前日に茹でたあずきにザラメ砂糖を加えたものに入れて完成です。
郷土料理「あずきばっとう」を作るみなさん
慣れた手つきで麺を伸ばす講師役の芳賀さん
「八へい汁」(「八杯汁」または「八平汁」とも呼ばれています)は、「お汁粉」や「あずきばっとう」を食べる時にいつも一緒に食べられる汁物です。名前の由来は、「食べる時に八杯食べなければならない」「具が八品入るため」等様々あるようです。今回は、油揚げ、角コンニャク、木綿豆腐、シイタケ、人参を具として、出汁を加えて煮込み、カタクリ粉でとろみを付け、器によそって海苔をちらしました。
「ワカメの和え物」は、今が旬の生ワカメを湯通ししたものに、ゆがいたゴボウ、ニンジンにエノキタケを混ぜ、特製の出汁を加えました。
参加者は終始「面白いね」「楽しいね」とにこやかに調理を進め、あっという間にお料理は出来上がりました。
試食前のおしゃべり会や試食中には会話が弾み、「皆さんと楽しく出来る事ならなんでもやりたい。活動はとても良い経験だし、交流は大切なことなので、これからもいろいろ実行したい」「地域の方々とふれあいができ、旬の食材を使った郷土料理が作れたのが良かった」「近所に住んでいても話をしたことのない方も参加していて、正直、こんなに楽しい雰囲気で交流することができて嬉しい」という声があがりました。
試食前のおしゃべり会。みなさん、口ぐちに感想をお話されました
できあがった「あずきばっとう」(左下)、「八へい汁」(右下)、「ワカメの和え物」(右上)
リーダーの吉田さんは「今日は隣近所でもお話ししたことのない方や年配の方も参加して思った以上の交流ができ、楽しい一時を過ごせました。みんな今まで『集まって何かやってみたい』という気持ちがあったけどなかなかできなかったが、『山田わ・わ・わ計画』の支援でこのような催しを行うことができました。今後もいろいろ計画し、郷土料理などを作りながらコミュニケーションを深め、この会が長く続くことを願っています」と話されました。
早速、次の開催日や内容を話し合っていた「まず!やってみっぺす」のみなさん。今後開かれる交流会にもいろいろな方が参加し、「楽しみ」が深まっていくことを期待します。
「まず!やってみっぺす」のみなさん
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年3月7日
地域コミュニティー一歩前進へ 〜災害公営住宅で交流会開催〜
「りんどうの会」の仲間たち
FIDRは、山田町豊間根地区の災害公営住宅(豊間根アパート)において、2014年7月の入居開始後、「ほっこり足湯カフェ」やBBQカラオケ交流会の開催、集会施設への備品寄贈などを通じて、住民の方々のふれあいの場づくりをサポートしてきました。
これらの交流イベントを行うごとに少しずつ仲間の輪を拡げてきた豊間根アパートのみなさんは、FIDRのコミュニティー活動支援プログラム「山田わ・わ・わ計画」*を利用する条件のひとつ「山田町民を10名以上集めること」を満たし、2月22日、はじめてこのプログラムのサポートによる交流会を行いました。
「りんどうの会」と名付けられたグループには18名の仲間が集い、交流会では、燻製器づくりやカキ・イカなど様々な食材の燻製をたのしみました。
燻煙の間には、豊間根産の松茸や野菜を贅沢に使った「松茸ご飯のおにぎり」や「さんまのすり身汁」など、山の恵みと海の幸いっぱいの山田町ならではのごちそうを作りました。
「どんな燻製ができるんだべ?」と興味津々
この贅沢な松茸の量!
50世帯が暮らす豊間根アパートには一人で暮らす高齢者も多く、「やっぱり大勢で囲む食卓が一番の楽しみだよ」と、参加者の話題も笑顔も尽きませんでした。
「りんどうの会」のリーダーを務める山ア区長は「入居して1年半、少しずつ仲間が増え、今ではその仲間と楽しい時間を共有できるようになった。ひとり暮らしの高齢者や男性の外出の機会や趣味作りにつながれば嬉しいね」と話していました。
交流会終了後にはみなさんで今後の計画を話し合いました。
「暖かくなったらお花見、遠足・・・」と、今から春を心待ちにしている様子でした。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年3月4日
新たな門出へ出航だ!
「大漁唄い込み」では観客と一体になって楽しみました
岩手県山田町の仮設住宅団地で、「町民みんなを元気にしよう」と仮設住宅団地近くの体育館で毎月開かれていた「復興丸一座」のカラオケ大会が惜しまれつつ幕を降ろしました。
この大会は、この仮設住宅団地の入居者有志の方々が集まり、2013年に始めたもので、カラオケに加え寸劇や踊りなど毎回趣向を凝らした催しを月1回のペースで行い、カラオケ大会の参加者だけではなく、地区内外から観客として参加する延べ2千人を超える地域の人々を楽しませてきました。FIDRは当初からカラオケ機材の貸し出しなど、会の開催をサポートして来ました。
この仮設住宅団地には、震災から5年が経過する現在もなお、151世帯が入居していますが、町の復興が進む中、災害公営住宅や高台に造成された住宅地に自宅を再建するなど、カラオケ大会を運営するメンバーが減り、会を続けることが厳しくなりました。
最後の開催となった2月14日の会には、観客・出演者をあわせ100名以上が集い、いつも以上に盛り上がりました。
観客のひとり、他の地区から来場された方は「このカラオケ大会が無くなるのは哀しいけど、今まで沢山笑って楽しませてもらいました。またこんな会があれば行きたいですね」と仰っていました。
また、今回参加された方の中には、この仮設住宅から町外へ引っ越された方もいらっしゃり、カラオケだけではなく、住民同士の交流の場としても機能していたこの会がなくなることを惜しんでいました。
会を運営してきた復興丸一座のメンバーは、
「口コミで沢山の人が来てくれるようになり、今度は何をして楽しませようかとプレッシャーを感じた時もあったけれど、終わってみたら楽しい思い出となりました」
「カラオケ大会を通じてたくさんの人と交流することが出来て楽しかったです」
「今回でカラオケ大会は終了となりますが、老人ホームの慰問など今後も機会があれば活動をしていきたい」と話して下さいました。
これからもFIDRは、新しい交流の場を作るお手伝いを続けていきたいと思います。
最後に、今までカラオケ大会を牽引してくださった方々へお花が贈呈されました
2016年2月24日
郷土料理がつなぐ、昔の仲間
はじめて作るけんちん汁
2月13日、「SAIKAI」のグループの皆さんが、山田町の郷土料理づくりを楽しむ交流会を開催し、12名が参加しました。このグループは、1月に開かれた交流会「山田わ・わ・わ体験」を企画運営したメンバーの一人が、以前の職場仲間に声を掛けて結成したものです。
メニューは、「けんちん汁とホタテご飯」。「仕事が忙しくてあまり料理をしないから、作り方がわからない」という方など、初めてこれらの料理をつくる参加者がほとんどの中、参加者の一人が講師役を務めました。
けんちん汁は、野菜(大根、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、サツマイモ)を刻み、コンニャク、ちくわと豆腐を混ぜて油で炒め、昆布、鰹節、砂糖で作った特製の出汁を加えて煮込み、最後に醤油で味を調えました。ホタテご飯は、湯どおししたホタテと煮込んで味付けしたニンジン、ゴボウ、油揚げをホタテの煮汁を混ぜて炊いたご飯に混ぜる炊き込みご飯で、講師の方が今日のために工夫をしたレシピでした。
たくさんの野菜を刻むことから料理スタート
熱心に作り方のメモを取る参加者も
できあがったけんちん汁、ホタテご飯など
試食会。けんちん汁の由来を聞く
参加した方は終始賑やかな雰囲気で、「昔の仲間にしばらくぶりで会うことができ、会話も弾み楽しみました」と口々に仰っていました。
グループのリーダーの千代川さんは「今日は昔の友達や、仕事仲間と共に懐かしく楽しい一時を過ごせました。みんな『集まって何かやってみたい』という気持ちはあり、FIDRの支援でこのような催しを行うことができました。今後もいろいろ計画し、郷土料理を作りながらコミュニケーションを深めていきたいと思います」と仰っていました。
「次の時も声をかけてね」と千代川さんに話されていた、参加者の皆さん。
このような活動を通して、様々な「楽しみ」が深まっていくことを期待します。
SAIKAIのみなさん
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年2月19日
お正月の風物詩で交流「じいちゃんばあちゃん、もっと教えて!」
なかには4世代で参加されたご家庭もいらっしゃいまいた
よく晴れた1月3日。山田町豊間根地区の「石峠やまびこ子供会」の37名の子どもたちによる「もちつき大会」が行われ、地域のおじいちゃん、おばあちゃんを招き、つきたてのお餅が振舞われました。
女の子たちは地域のおばあちゃん方から教わりながらお餅を小さくちぎって丸めましたが「おばあちゃんのように上手に丸められないよ」と悪戦苦闘。できたてのお餅は、お雑煮や豊間根産のくるみを使った「くるみ餡(くるみをすりつぶし、砂糖やお雑煮の出汁でのばしたもの)」でいただきました。
つきたてのお餅を口いっぱいに頬張る子どもたちは、「機械で作るお餅より(弾力が)つよい!」と、長〜くのびるお餅を見せてくれました。
お腹いっぱいお餅を食べたあと、子どもたちはおじいちゃん方から教わりながら、個性豊かな凧を作り、凧揚げを楽しみました。
天高くあがる凧に喜ぶ子どもたちを見ているうちに、血が騒いだのはお父さんやおじいちゃん。「昔は凧あげ名人と呼ばれたんだ。どれ、貸してみな」と子どもたちから凧を借り、気付いたら会場は「昔の少年たち」による凧あげ大会に様変わりしてました。
大人も子どももいつまでも凧あげを楽しんでいました。
誰が一番高くあがったかな?
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年2月12日
親子で楽しい郷土菓子作り
1月17日、子どもと一緒に様々な活動を楽しむことを目的とする地域グループ「山田っ子」の皆さんが、わ・わ・わ計画*を利用して、郷土菓子「くるみっと」の作り方を習いました。「くるみっと」は、小麦粉と砂糖を練った上にクルミやゴマをのせ、蒸しあげたおやつです。
当日は15組38名の親子が参加。下は2歳、上は小学生と幅広い年齢層にわたる子どもとその親が集まりました。講師には、山田町で郷土料理の推進や、食育の推進・普及・啓発を行っている食生活改善推進委員会大沢地区の理事の方をお迎えしました。
子どもたちはお菓子作りに興味津々で、積極的に「何をすればいいの?」「どうやってやるの?」「次はなに?」と声を上げながらお母さんや講師と調理をすすめました。
子どもたちも一緒に粉ふるい。「順番にやってね〜」
「くるみっと」を蒸している間、みんなでブレスレット作りを体験!
出来上がった「くるみっと」は2種類で、白は白砂糖、黒は黒糖で甘みを出しており、小麦粉で出来ているとは思えないほどモッチリとした食感でした。皆さん、「手作りは格別の味!」と言いながら、抹茶ラテと一緒に食べました。
完成した2種類の「くるみっと」
参加したお母さんからは次のような感想をいただきました。
「作り方のコツを聞いたので、是非家でも作ってみたい」
「子どもと一緒にお菓子作りができて楽しかったです」
「いつもは買って食べるけど、こんなに簡単に作れるんですね。ビックリしました」
「子どもと一緒に楽しめる場が少ないので、このような機会が今後もあれば是非参加したいです」
また、「FIDRさんがサポートしてくれるなら、今度は自分の友達とわわわ計画を使って楽しみたい!」と話してくださる方もいました。
これからも「わわわ計画」によって新しい交流の輪が広がりそうで楽しみです。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年2月5日
燻製で海の宝の魅力再発見
笑顔がこぼれる美味しい燻製
1月24日、「大沢すっぽうかぶりの会」の皆さんと「山田わ・わ・わ体験」第五弾となる大沢編「海の宝をおぁ燻製(げんせぇ)」を岩手県山田町大沢地区で開催しました。当日は県沿岸北部を中心に大雪や暴風雪の恐れがあり、会場付近でも朝から数センチの積雪がありましたが、約30名の方が参加しました。
今回の体験会は普段家庭ではなかなか食べない海産物の燻製づくりでした。生でも美味しい岩手県山田湾産のホタテと近海のイカを「一味違った味で楽しもう」と、参加者の皆さんが燻製器を自作し、その後食材を燻煙するというものです。同会のメンバーに燻製づくりの経験豊富な方がいらっしゃったため、燻製体験を行うこととなりました。
燻煙するホタテとイカは30分〜1時間、特製の調味料に漬けこみ4〜5日乾かしておいたものです。これらの食材などは、同会の皆さんが事前に準備しました。
そして当日。
燻製器を作るのが初めての参加者の皆さんは、金槌を手に悪戦苦闘しながら作業を進め、完成した時には「やったー」「できたよ!」と声を上げていました。
悪戦苦闘でがんばるお母さん
楽しく親子で燻製器を作った参加者も
その後外に出て完成した燻製器で燻煙です。皆さん「美味しくできるかな?」と緊張気味に食材を網に載せていました。
燻製の仕方の説明を受ける参加者の皆さん
「美味しくなーれ」と食材を網に載せました
食材を燻煙している間には、スライドショーで岩手県指定天然記念物「臥竜梅(樹齢約300年)」など同地区の名所の紹介も行なわれました。
大沢地区の歴史と名所を紹介するスライドショー
大沢地区名物「すっぽうかぶり」を実演で紹介
その後、「大沢すっぽうかぶりの会」の皆さんが作った「クルミット」と「豆腐の燻製」が振舞われ、できあがった自分の燻製とともに試食をしました。
試食しながら楽しい会話が弾む皆さん
できあがった燻製
「大沢すっぽうかぶりの会」作成の豆腐の燻製
参加した方は
「はじめての燻製を楽しみました。生でも美味しい海の幸をさらに美味しく頂くことができ感激しました。家に帰って家族にも食べさせたいと思っています」
「大沢地区の出身なのでこの体験会を楽しみに参加しました。スタッフの方々にも顔見知りの方がいるなど懐かしく、心豊かな時を過ごさせていただきました。このような交流会が町中で開催され、笑顔が溢れることを期待します」
と、大変喜んでいました。
また、「同じ町内でも知らないことばかり。山田町って魅力がいっぱい」と仰る方もいました。
「大沢すっぽうかぶりの会」の方は「普段あまり交流のできない他の地区の皆さんと、この体験会を通じて交流することができました。参加者の皆さんにも楽しんでいただけたようなので満足しています。今日を機会にもっと地区を超えた交流を深めていきたいと思っています」と仰っていました。
雪の中での開催となりましたが、美味しい燻製を召し上がりながら山田町大沢地区の新たな魅力を知り、交流を深めることができ、参加者の皆さんにとって楽しい体験会となったようです。
全員で記念撮影
2016年2月3日
地域でつくろう!子どもたちの安全
山田町豊間根・石峠地区内には、積極的な自治会の呼びかけにより設置された「手づくり公園」があります。公園の遊具や公衆トイレなどの清掃・管理は自治会や子供会など地域の方々で行なわれ、毎日たくさんの子どもたちが集い、サッカーやキャッチボールなどを楽しんでいます。
また、毎年自治会による盆踊り大会や仮装大会、子供会による縁日やキャンプなどにも利用されています。
仮設住宅や災害公営住宅の建設等により震災前と比較し交通量が大幅に増え、フェンスのない公園で遊ぶ子どもたちの安全を確保することが困難になりました。
「子どもたちが伸び伸びと安心して遊べる『手づくり公園』にしよう」と自治会の方々が立ち上がり、昨年の12月に手づくり公園のフェンスの設置を行うこととなりました。FIDRではみなさんの気持ちを後押しするため、材料費の一部をサポートしました。
道路に面した公園はフェンスがなくボールや子どもの飛び出しが危険
背の高いフェンスを設置したことで運転手への注意を促す効果も
早朝の作業にも関わらず、男性をはじめとする14名の方々が集まり、地域の子どもたちの安全を確保するためのフェンスを設置しました。フェンスの資材には山田町の漁師さんからいただいた古い漁網をネットとして使い、手づくり公園ならではの味を醸し出しています。
160世帯を超える大きな自治会を牽引する内田会長は、「これからの山田町を担う子どもたちの健やかな成長には、地域全体で子どもたちを思い、見守り、そして関わることが、わたしたちの根本的な役割だと感じている」と話してくれました。
石峠地区自治会のみなさん
2016年1月13日
笑顔が集まる場所づくり「そば打ち交流会」を行いました
はじける笑顔のみなさん
穏やかな海と山々に囲まれた岩手県山田町は、海の幸だけではなく山の恵みも豊富です。織笠地区の農村地帯で伸び伸びと育まれた「蕎麦」もそのひとつです。
蕎麦の生産者でもある白石集落農業生産組合のみなさんは、町内でも数少ない”山田町を体験できる場”である「そば打ち体験」を提供しています。毎年9月に収穫するそばの実は、織笠地区にある水車小屋にある石臼で手間ひまをかけ、殻ごと挽かれます。そのためとても香りが高いきめ細やかな蕎麦粉となります。
11月30日、「上豊間根地区・元気会」では、白石集落農業生産組合のみなさんをそば打ち講師としてお招きし、年越しに向け「そば打ち交流会」を楽しみました。
「難しいね〜!でも楽しい〜♪」
「そばも十人十色ね…」
そば打ち交流会には同地区から26名の方が参加し、汗をかきながら力いっぱい打った蕎麦の味に大感激し、地域の仲間との語らいを楽しみました。
地域のおばあちゃん方と会うたびに「次はどんなお楽しみ会をするの?楽しみにしているよ!」と声をかけられるという元気会のリーダー・木村さんは、年齢に関わらず参加者全員が楽しめる交流会となるよう、毎回仲間と知恵を絞り合い試行錯誤しながら計画しています。
上豊間根地区は津波の被害こそ無かったものの、震災を経験してから地域のつながりの価値を再認識ている方が多いそうです。
「ここでは大勢の一人暮らしの高齢者が暮らしている。だから、みんなが集まって笑える機会を少しでも作りたい」
木村さんは朗らかな笑顔で話してくれました。
*FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2016年1月6日
「FIDRオープンカフェ」で交流の場を提供しました
たくさんの来場者とのお話に花を咲かせました
岩手県山田町に完成した災害公営住宅の一つ「柳沢団地」では、2015年5月に入居がはじまりました、団地には集会施設も設けられましたが、住民の方々はなかなか管理運用がはじめられず、施設を活用して顔合わせや交流の機会を持てないまま年末を迎えようとしていました。
そこでFIDRは、団地に住んでいる方を対象とした「FIDR(ファイダー)オープンカフェ」を12月22日に開催し、交流の場を提供しました。
今回は屋外での開催となったため、ストーブや温かい郷土料理の「ひっつみ」を用意しました。参加者はストーブにあたりながらお茶やひっつみを食べ、体も心も温まりながら話に花を咲かせていました。
「仮設にいたころは集まる機会があったから楽しかったが、今は何にもない。外でも集まる機会が出来たのは嬉しい」
「一人暮らしだとひっつみはなかなか作らないから、久しぶりに食べられて美味しかった」
オープンカフェには、団地に住んでいる方の誘いを受け、元の居住地に新しく家を建てて戻ってきた近隣住民の方々も参加され、「ご近所の輪」が拡がっていました。
少しずつ交流の場が増えることにより新しいコミュニティが活性化するよう、FIDRは今後も後押ししていきます。
「外でのお茶もたまにはいいがね〜」
心も温まる郷土料理の「ひっつみ」
団地に住んでいる方々以外にも、元々住んでいた居住地に戻ってきている近隣住民の方も
参加されました
2016年1月5日
地域の方々と仲良くせんべいもち作り
男性陣の活躍が光りました
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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12月18日、「わ・わ・わ飯岡」のグループの皆さんが、山田町の郷土菓子「山田せんべいもち」づくりを楽しむ交流会を開催し、近隣にお住まいの方々13名が参加しました。このグループは「山田わ・わ・わ計画」をきっかけに2015年1月に結成され、年間を通して様々な活動をしています。今回は山田わ・わ・わ体験(山田編)「ふるさとの味“山田せんべいもち”をつくろう!」を企画運営したメンバーが講師役となって山田せんべいもち作りをしました。
先ず最初に、餅を蒸す係、こねる係と分担し、その後全員でテーブルを囲んで、会話を楽しみながら1時間ほどで200個以上の山田せんべいもちをつくりました。そして、一緒につくったワカメと白ゴマの混ぜご飯のおにぎりと水菜とダイコンおろしの酢の物と一緒にみんなで食べました。
食事の後には参加者でお正月飾りを作りました。
「せんべいもちってこんな風にして作るんだ」「作り方を覚えられてうれしい〜」「お正月には子どもたちに作ってあげたい」
参加された皆さんは、新年を迎える準備に心躍らせていました。
お兄さんに誘われて参加した方は「この年になって、兄貴と一緒に楽しむことが出来るとは思わなかった。子どもの頃に帰ったようだ」と仰っていました。初めて参加した方も「皆さんとすぐ打ち解けられる雰囲気で、会話も弾み楽しむことができました」と話され、交流会を楽しんでおられました。
「昔おばあちゃんが作っていたのを思い出し、とても楽しかった。また、こんなことができたなら良いな。」
グループのリーダーの上野さんは「今日も新しく参加して下さった方がいて仲間の輪が広がっていくのを実感している。みんなで楽しめる企画をいろいろ考え、この会が長く続くことを願っている」と、お話しされました。
今後もこのような交流会にいろいろな方が参加し、様々な「楽しみ」が深まっていくことを期待します。
力をあわせて、せんべいもちを練り上げる御兄弟
食事しながら会話も弾みます
2015年12月24日
伝わる郷土料理を楽しもう
作り方を教わりながら「お平」をつくるみなさん
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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12月5日、山田町織笠地区の猿神仮設ホホエミ会のみなさんが「伝わる郷土料理を楽しもう」を開催し、古くから山田町に伝わる郷土料理の「お平」と「お汁粉」作りが行われました。
「お平」は元々お正月や冠婚葬祭の席などで食べられていたあんかけ醤油味の素朴なお料理です。今では作り方を知らないお母さんも多くいらっしゃり、お豆腐やこんにゃくを波の模様に切るのを珍しそうに教わっていました。
参加したお母さんは、
「昔おばあちゃんが作っていたのを思い出し、とても楽しかった。また、こんなことができたなら良いな。」
「みんなでおしゃべりしながら作るのが楽しいんだよ」
と話されていました。
力を入れ、粉の捏ねるお母さん
できたお平(右)とお汁粉(左)
最近ではこの仮設住宅でも、高台に用意された土地に自主再建を始める方や、完成した災害公営住宅に引越しをされる方が出はじめました。
今回の集まりに参加した方の中にも年内に新居や災害公営住宅に引越する方もいて、今後参加できなくなる方もいらっしゃいます。
「高台に移るとこのように集まる機会がないのが残念です。」
「仮設を離れても集まる場所があれば良いな。」
と寂しそうに話す方もいらっしゃいました。
主催したホホエミ会代表の湊さんは「山田わ・わ・わ計画で広がった輪が移転した先でもつながり、もっと交流を深めていければいいと思う」と仰っていました。
「山田わ・わ・わ計画」が、移転した地域でもコミュニティづくりの後押しになることを期待したいと思います。
おしゃべりしながらの団子作りは一番楽しい一時
出来上がった「お平とお汁粉」を食べながら移転後のことをお話しするみなさん
2015年12月14日
奥深い郷土の味わい「豆すっとぎ作り」
11月14日、織笠・山田・船越地区に引き続き第4弾となる山田わ・わ・わ体験(豊間根編)「行ぐびす!つぐっぴす!すっとぎの里」を、岩手県山田町豊間根地区にて開催しました。今回行われたのは同地区を代表する人気の郷土菓子「豆すっとぎ」作りです。
青豆と米粉で作られたウグイス色の生菓子「豆すっとぎ」は、古くから自然の恵みへの感謝や豊作を願う際にお供えされた「*粢(しとぎ)」に豆を加えたもので、「豆粢(まめしとぎ)」が訛り「豆すっとぎ」と呼ばれるようになったとか・・・。
豆すっとぎ作りには、入手困難な「新鮮なうるち米の粉」を使うため、主に農村地区でしか作られていません。当日は「この日を長年待っていたのよ!」「作り方を覚えられるなんて嬉しい!」と、心待ちにしていた30名の方が参加しました。
茹でた青豆を潰す作業に、参加者のみなさんも興味津々!
「子どもの頃、おばあさんがこうして作っていたのを思い出すなぁ・・・」
杵と臼を使い、昔ながらの豆すっとぎ作りを体験したあとは、豊間根地区住民と災害公営住宅の方々で結成された「めんこいマダムス会」のみなさんが作られた“けんちん汁”が振る舞われ、参加者は豊間根地区の味覚を満喫することができました。また、スライドショーによる同地区の隠された名所の紹介も行なわれました。
ウグイス色の豆すっとぎ
豆とお米の優しい甘さが魅力的
「すっとぎの神様」に作りたての豆すっとぎをお供え
豊間根地区には「おくまんさま」と呼ばれる熊野神社があり、小さな祠に権現様が祀られています。この権現様は「すっとぎの神様」という愛称で、熊野神社は「すっとぎ神社」という愛称で親しまれています。同地区では昔から、毎年12月末になると豆すっとぎを権現様に奉納して豊作を感謝する「すっとぎ祭り」が行われてきました。
丹精込めて育てた「お米」が「次」の姿に変わるとき「粢(しとぎ)」となり、豊作を感謝し来年の五穀豊穣を願う習慣が現在でも生き続けている豊間根地区。今回の山田わ・わ・わ体験に参加した方の中で「同じ町内でも知らないことばかりで、もっと山田町を知りたくなったよ」と仰っていた方がいました。皆さんがそれぞれに山田町の新たな楽しみ方を得た一日となったようです。
*米の粉を水で溶き丸めたお団子
2015年12月11日
鮭を余すところなく食べつくしました!
鮭を余すところなく調理しました
今年の7月から岩手県山田町で開催している、各地区の魅力を体験してもらう「わ・わ・わ体験」の第三弾「骨まで愛して 鮭まるごとグルメ」が11月3日、同町船越地区で行われました。
今回の企画は、船越地区の住民の方々とFIDRが話合いを重ねた結果、11月から家庭でもよく食される鮭を取り上げ、普段家庭ではなかなか食べない部位まで丸ごと調理するという「目からウロコの料理体験」としました。メニューは、「めふん」(腎臓の塩辛)や、鮭の鼻の軟骨で作る「氷頭(ひず)なます」「ちくわ」「さつま揚げ」などです。
身はもちろんですが内臓やアラ(骨)皮などもおいしく調理した今回の企画、「めふん」や「氷頭なます」の作り方の実演の時には、たくさんの質問ばかりか、「私の家では新巻鮭の頭で氷頭なますを作るよ!」など新たな情報も飛び出しました。
「ちくわ」と「さつま揚げ」作りでは、参加者は「えっ?鮭でちくわ??」とビックリした様子でしたが、皆さん楽しんで作っていました。
竹の棒に鮭のすり身を巻きつけ、参加者自らちくわを焼きました
ちくわを焼いている間に津波の質問があり、船越地区の住民の方々が当時の様子を説明しました
「作り方を教わったので、普段は捨ててしまう部分でも作ってみたいです」
「鮭を全部使った料理に感心しました」
「いろんな料理法があるんだなと思いました」
「今日の料理は家でも作ってみたいと思います!」
と、参加者は大変喜んでいました。
第一弾、第二弾に引き続き、山田町の魅力を分かち合い、美味しい料理を喜んでいただきながら交流を深めることができました。
できた料理はバイキング形式で美味しくいただきました
2015年11月20日
みんなで楽しむ秋の味
集まって作るのが食べるより楽しい
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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岩手県山田町の住民グループ「後楽女の会」の皆さんが、11月9日に「秋を味わう」をテーマにした料理作りを楽しみました。会では、地産地消で季節の味を楽しもうと毎回異なるテーマで料理を作っています。
今回のメニューは、「芋の子汁」、「きりせんしょ」、「わかめ御飯」。「芋の子汁」の材料は、家庭菜園などで採れた里芋などの野菜を持ち寄りました。「きりせんしょ」は、町内でも織笠地区以外で作られることはあまりなく、作り方を知る人も少ない郷土菓子です。今回は作り方を知る会員の方から教わりました。「わかめ御飯」は、味付けしたワカメと干しシラスを炊きたてのご飯に混ぜて出来上がりです。
「作りながらの会話が楽しい」と話がはずむ中、料理が次々と完成しました。
参加した皆さんは「きりせんしょってこんな風にして作るんだ」「覚えられてよかったね」「家で作ってみたい」と喜ばれていました。そして、「食べた後のおしゃべりが一番のごちそうだよ」とお話ししてくださいました。
皆さんたちで企画するお楽しみの会がますます増えて、会の交流が、「わ・わ・わ計画」を通して深まっていくことを願います。
きりせんしょの捏ね方はも難しいね!
「あっ」という間に出来たわかめ御飯
みんなで楽しむみ秋の味
食後のおしゃべりが一番のごちそう
2015年11月17日
超人気ふれあいイベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました
「ぬぐだまる!」「いい湯加減だ〜」「長生きするよ」
(山田町町民グランド仮設団地内「いこいの宿」)
FIDRは、岩手県山田町で町民の皆さんとともに交流イベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました。このイベントは、地域の方々が足湯に入りながらふれあう場にしたいと、地域の有志の方々と企画したもので、町内2カ所で開催し、来場者は合せて300人を超えました。使用した足湯セットは、花巻温泉郷などの観光地を抱える花巻市の一般社団法人花巻観光協会様より無償でお借りしました。
第一弾は10月27日から29日に山田町町民グランド仮設団地内に住民の方々が作られた小さな施設「いこいの宿」で開催し、訪れたたくさんの方々へ、手作りのお菓子(くるみっと)も振る舞いました。第二弾は10月31日から11月5日に山田町大沢地区震災復興事業案内所前で開催し、お茶やお菓子を振る舞ったほか、案内所内でカラオケを楽しんでいただきました。
どの会場でも有志の方々が、地域住民への呼びかけや来場者のおもてなしを行ってくださいました。来場者は「ぬぐだまる!」「いい湯加減だ〜」と足湯を喜ばれ、中には「ここに来ると懐かしい人たちとお喋りが出来るのでうれしい」と仰って毎日足を運んでくださる方もいらっしゃいました。
有志の方々は
「普段あまり外に出ない人も毎日通ってきてうれしかった」
「足湯をはじめいろいろと支援していただきFIDRさんには感謝しております。懐かしい人たちとの語らいが何よりの財産。宝物になる思い出ができました」
と仰られていました。
「ほっこり足湯カフェ」、地域の皆さんの交流と心温まる憩いの場所になりました。
みなさんも入ったんせ!足湯に入れば、心も温まるよ!
(山田町大沢地区震災復興事業案内所前)
復興事業案内所のなかで、カラオケを楽しみながらおしゃべりをするみなさん
カラオケは、子どもたちにも大人気
2015年10月1日
昔は携帯用栄養食だった!?ふるさとの味「山田せんべいもち」
山田湾に浮かぶ大島(オランダ島)と小島を背に、FIDR丸に乗って「ハイ、チーズ!」
9月2日、山田地区で結成された「チーム舘ケ入」のみなさんと共に、山田わ・わ・わ体験(山田編)「ふるさとの味“山田せんべいもち”をつくろう!」を開催しました。これは7月に行われた山田わ・わ・わ体験会(織笠地区編)の第二弾となるものです。
山田町には古くから食べられている小昼(こびり)(食事と食事の間に食べる軽食)がいくつもありますが、その中でも代表的なものが「山田せんべいもち」です。この郷土菓子は、遠く離れた地に住む家族への仕送りなどにも選ばれ、「山田のふるさとの味」として定着しています。
きりせんしょは山田町内でも織笠地区以外で作られることはあまりなく、作り方を知っている人も余りいません。そのため、わ・わ・わ体験の際に織笠地区の方からいただいたレシピを参考にしました。
とっておきの“コツ”を伝授され、みなさん「なるほど〜!」と納得!
ゴマときな粉の香ばしいかおりが食欲をそそります
当日は町内から26人が参加し、「チーム舘ヶ入」のみなさんが講師役となって作りました。出来立ての山田せんべいもちはモチモチで柔らかく、皆さん舌鼓を打ちながら食べていました。
その後は山田方言クイズに手を叩きながら爆笑し、「♪大島小島、大波小波、かもめが飛んで・・♪」と山田地区ならではの振り付けを習い、山田音頭を踊り楽しみました。
山田方言クイズ「ケーナってなんのこと?」*
♪山田音頭で踊りゃんせ♪
「今度は仮設住宅の仲間たちと一緒につくってみようかしら」
「離れて暮らす子どものためにつくって送ろうかな」
参加された皆さんは新たな楽しみに心躍らせていました。
第一弾の織笠編、第二弾の山田編に続き、今後も山田町の魅力を町のみなさんと共に分かち合いながら、地区を越えた交流活動を行っていきたいと思います。
*ケーナ:「腕」のこと
2015年8月3日
やっぱり知りたい!作りたい!「きりせんしょ」づくり交流会
7月5日、岩手県山田町で行われた山田わ・わ・わ体験織笠編「コトコト水車小屋で“きりせんしょ*1”をつくろう!」では、応募多数により参加できなかった方が大勢いました。
FIDRでは、参加できなかった方々に「『山田わ・わ・わ計画*2』を利用して、自分たちで“きりせんしょづくり”を行いませんか」と声をかけ、賛同してくださった方で7月14日にきりせんしょ作りが行われました。
きりせんしょは山田町内でも織笠地区以外で作られることはあまりなく、作り方を知っている人も余りいません。そのため、わ・わ・わ体験の際に織笠地区の方からいただいたレシピを参考にしました。
参加したのは山田わ・わ・わ体験(織笠編)に参加できなかった5名をはじめとする老人クラブのお仲間です。リーダーの高橋さんは「交通手段がなく、申込みすらできなかった仲間もいた。こうして声をかけてくれてありがとう」と笑顔を見せてくれました。
みんなで丸めて・・・
気温37度の猛暑の中、立ち昇る蒸気と格闘!
きりせんしょづくりは、全員でテーブルを囲み誰もが参加できるのが醍醐味です。
そして何より、お互いの顔を見ることで、より会話も弾みます。
「織笠で作られる“本物”のきりせんしょを覚えられて良かったがね〜」
「さっそくお盆に帰省する子どもたちに作ってけっぺぇ」
と、作ったきりせんしょとレシピを満足そうに抱えながら帰っていくみなさんでした。
*1きりせんしょ:うるち粉やクルミ、ごまなどを使ったお団子
*2FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
2015年7月29日
昔から交流の輪を繋ぐ田植え餅
7月17日、岩手県山田町で「山田わわわ計画」を利用した「田植え餅作りお楽しみ会」が催されました。会を企画したのは、山田の郷土料理をみなさんに伝えたい、と活動している「郁子とその仲間」。町の方々17名が集まりました。
田植え餅とは、その名のとおり、田植えの時期の農家のおやつで、昔は田植えが終わると近所や知人・親戚に振舞まわれていました。講師役の会の代表中村さんから、名前の由来や餅の作り方の説明を受けた後、皆で餅づくりが始まりました。つきあがったばかりの餅を小分けにし、延ばしたり、アンを餅の上下にぬったり、皆で調理台を囲んで話をしながらの餅づくりとなりました。参加者は、初めて作る方がほとんどで、メモを取りながら賑やかな笑い声の中楽しいひと時を過ごしておられました。
初めて参加された方は「見知らぬ方と共働で作ることがドキドキ感があってとても良かった。」、「子供の頃は、田植えが待ち遠しく、最高の食べ物で、懐かしく、楽しく過ごさせていただきました。」などと話されていました。
会を企画した「郁子とその仲間」は、震災後は活動を中断していましたが、山田の郷土料理を伝えたい、と「山田わわわ計画」を利用して活動を再開されました。
中村さんは「何かやってみたいという気持ちはあったが、FIDRの支援でこのような催しをまた行うことが出来た。初めて参加された方たちも一緒にお餅作りを和気藹々に楽しんでいただけた。今後も仲間の輪を広げて活動をしていく予定です。」と話されていました。
町の皆さんたちで企画するお楽しみ会が益々増えて、新しい交流の輪が生まれることを期待したいと思います。
※FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
もち米の蒸し加減をみんなで確認
つきたてのフワフワお餅 先生に教わりながら皆で小分けにしました
上と下を粒アンで挟んだ出来立ての田植え餅。殺菌作用もあるため昔から食材を包むのに使われている朴の木の葉で包みました
2015年7月27日
震災前同じ地区だった仲間との交流会が開催されました
東日本大震災後、仮設住宅への入居や住宅再建でバラバラになっていた山田町大沢川向地区の皆さんが、「昔懐かしい料理を作って食べながら、同じ地区だったみんなと楽しいひと時を過ごしたい」と、震災後初の大沢川向地区交流会「あなたに会いたいwa!」を7月11日に開きました。FIDRでは交流会の一部経費をサポートしました。
大沢川向地区は海岸に位置し、震災で多くの被害を受けました。住民の約半数が仮設住宅への入居を余儀なくされたほか、浸水した場所には家を再建できないため、別の地区に引越した方もいらっしゃいます。
当日は、35人の元大沢川向地区の皆さんが集まりました。「今、どこにいるの?」「元気だった?」震災後初めて集まる方がほとんどだったこともあり、皆さん声を掛け合いながら久しぶりの再会を喜んでいました。
料理は、参加者が幼少の頃、畑仕事の手伝いに行った際によく食べていた、赤飯を朴ノ木の葉で包んだ「ケイパのおふかし」や、地物の野菜と青豆で作る「ひたし豆」、汁物はイカの白子を使った「しろっこ汁」と、年配の方には懐かしいメニューを作りました。
「昔は田植えに手伝いに行って、これを食べるのが楽しみだったんだよ」と話しながらおふかしを包んでいました
みんなで作った料理は、昔の思い出をよみがえらせ話に華が咲きました
この日は偶然にも震災があった11日だったこともあり、食事会を始める前に、参加者で海に向かって1分間の黙とうを捧げました。
参加した方からは、次のような感想をいただきました。
「バラバラになった地区の方とまた会える機会が来るとは思わなかった。今日は来てよかった。皆の顔が見られたもの!」
「懐かしい料理を食べて、みんなの元気な顔を見ることが出来て今日は来てよかった。」
「震災後新しい場所に引越しをしたが、近所には知り合いもおらず家に居てもつまらない。今日は久しぶりに楽しいひと時でした。またこんな機会があれば参加したい」
久しぶりに会った人たちは話が尽きず、食事の後もお茶会を楽しみました。
また、再度集まりを持ちたいと、今から第2弾を考えているようです。
※FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
この日は11日だったので、全員で海に向かって1分間の黙祷を捧げました
前日には男性陣が山へ「朴ノ木の葉」を取りに行きました
2015年7月17日
「わ・わ・わ体験 織笠編〜コトコト水車小屋で‘きりせんしょ’をつくろう!〜」を開催しました
自然を満喫しながらの体験会に、参加したみなさんはご満悦でした
これまでFIDRは山田町において、住民主体の交流会をサポートしてきました。さらに交流の輪を広げようと、町内の各地区の魅力を体験するイベント「わ・わ・わ体験」を企画し、その第一弾となる「織笠編」を7月5日に行いました。
このイベントは、「自分たちの地区の魅力を他地区の町民に体験してもらう」ことを主旨としています。そのため企画・運営は、織笠地区の有志の方々(通称「みつまたの会」)とFIDRが共に進めました。4月以降「自分の地区の魅力は何か?」「自分たちに何が出来るのか?」を考えるところから話し合いを重ね、準備を進めてきました。
当日は、定員を超える多数の応募者の中から15名が参加しました。
体験のメインは、織笠地区を代表する郷土菓子「きりせんしょ」作り。会場を静かな山間の水車小屋の近くに設けて開催しました。きりせんしょの材料は米粉・胡麻・クルミ・砂糖と、大変シンプルなお菓子なのですが、美味しい作り方にはちょっとしたコツがあるのだとか。参加者は真剣な表情で作り方を学んでいました。その他、水車小屋の中での石臼挽き体験や、織笠地区にまつわる昔話紹介も行われました。
初対面の人たちも多かった中、わきあいあいとした雰囲気できりせんしょづくりが行われました
「思っているより、難しい!」一人一人が水車小屋の中でそばの実を石臼で挽く体験をしました
参加した方からは、次のような感想をいただきました。
「きりせんしょは口にしたことはあったけど、作った経験が無かったので、作り方を教えてもらいとても良かったです。さっそく家族や友人などにごちそうしたいと思います」
「テントの中でのきりせんしょ作りは、さわやかな風、鳥の鳴き声もあり、心も癒されました!」
「参加者の中に数年ぶりに再会した人もいました。出会いの場にもなり感謝しています」
「町内に住んでいても他の地区のことは知らないことが多く、今回織笠地区の話をたくさん聞けて良かったです」
新たな交流の輪が広がっていくように、山田町の他の4つの地区でも魅力を体験するイベントを行っていく予定です。
2015年6月23日
広がり続ける交流の輪
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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6月4日。春の農作業の合間をぬって岩手県山田町では、地区の垣根を越えたお楽しみ交流会が催されました。主催は岩手県山田町織笠地区新田の有志によって活動している「若草会」。一ヶ月遅い花見と銘打ってのお楽しみ会には、他地区の住民も含めた約30人が集まりました。
山田町織笠地区新田は、町の山沿いに位置し、一部を除いて被災を免れた地区です。今回のお楽しみ会を企画した若草会は「被災していない地域だからこそ、被災した地域の方々を励ましたい」という方針のもと、地区住民と被災された方との交流をはかり、健康維持や親睦を深められる企画を定期的に開催しています。
カラオケに合わせてダンス披露
「1・2・3…」の掛け声とともに健康体操をしました
初めて参加した男性の方は「男性1人でちょっと寂しい気もしましたが、カラオケやゲームなど楽しむことができました。次には友だちも誘って参加したい。声を掛けてもらって本当に良かった。」と仰っていました。他にも「今後自分の地区でも同じような企画をし、今日参加できなかった人たちとも交流を深めたい。」と話される方がいました。
自分たちで企画するお楽しみ会が増えて、新しい交流の輪が生まれることを期待したいと思います。
旧交を温めながら御馳走を食べるみなさん
2015年6月5日
有志のみなさん活動開始!
〜災害公営住宅の新たなコミュニティ〜
昨年7月より入居が開始された山田町豊間根地区・災害公営住宅(豊間根アパート)において、入居後はじめての自主開催の交流会が行われました。
今回の交流会は、豊間根アパート有志の皆さんにより企画・実施されました。このような交流会をはじめて自主的に開催されるということもあり、FIDRではBBQセットやカラオケ機器の貸し出しの他、チラシ作成や企画準備のお手伝い、また物品の提供や材料費の一部をサポートしました。
晴れた空に笑い声が響きます
お父さんの美声とお母さんの黄色い歓声が交流会に華を添えます
交流会には約20名が参加し、今後の自主的な地域活動に向けて、大きな一歩を踏み出しました。
「ご近所さんと楽しんだのは震災以来はじめてだよ」と嬉しそうに話すお父さんや、「これからはもっと交流の場を作って、みんなで協力し合いたいね」と仰る有志のみなさんもいらっしゃいました。
今後、豊間根アパートでは清掃活動や福祉バスを利用した遠足が予定されています。
災害公営住宅内の新たなコミュニティーでも、地域の交流が盛んになりつつあるようです。
2015年5月19日
「子どもの居場所づくり」でカラフルな遊具が完成
子どもとじいちゃんが協力し合い、とてもカラフルな遊具が完成しました!
震災から丸4年が経過した今、大きくなった仮設住宅に住む子どもたちは、狭い室内ではもの足りず元気よく外を走り回ります。しかし、被災地の公園や校庭には仮設住宅が建ち並び、復興を急ぐ工事車両が忙しく行き交う今の状況では、子どもたちを安心して遊ばせることはできません。
「じゃあ、ぼくたちはどこで遊べばいいの?」
狭く入り組んだ仮設住宅地内で遊ぶことを注意された子どもたちから出た言葉です。
そんな一言から、「自由に遊べる場所を失った子どもたちを地域で守ろう」と立ち上がった浦の浜仮設住宅自治会メンバーにより、子どもたちの居場所となる手作り遊具づくりを行うこととなり、FIDRではみなさん気持ちを後押しするため、材料費の一部をサポートしました。
古くなった漁網を再利用
漁師の技を活かし、ロープを編み上げます
子どもたちもペンキ塗りに初挑戦!
じいちゃんたちは、静かに子どもたちを見守ります
丸太の皮剥ぎからロープの編み上げまで、自治会で力を合わせて一から作った遊具は、漁師の技や古い漁網を使った漁師町ならではの遊具となりました。また、完成披露会では子ども達とついたお餅をまき、遊具の完成と子どもの日を祝いました。
学校から帰ると子どもたちは一目散に遊具へ集まり、おばあちゃんやおじいちゃんに見守られながら、今日も元気に遊んでいます。
2015年5月11日
親子であじわう「ひっつみ交流会」
4月25日、郷土料理の「ひっつみ」を先輩のお母さんから習いながら交流する「ひっつみ会」が開催され、山田町に暮らすお母さんたちが集まりました。
この会は、先日行われた「第3回山田わわわ祭り」に参加されたお母さんたちからあがった話をもとにFIDRが企画したもので、ママ同士の新たな仲間づくりのきっかけになればという趣旨で行われました。
本来、「ひっつみ」は鍋の上でちぎって入れますが、子どもたちもお手伝いしてくれたので、ビニールシートの上でつくりました
「ママと一緒にお料理楽しいね〜」
小さい子どもたちがいる若いお母さんの参加者が多かった為、今回もFIDRの活動に賛同して下さっている「チームあじさい」の方々に子どもの見守りをお願いし、参加したお母さんはひっつみ習いに終始専念することができました。
参加したお母さんからは以下のような感想をいただきました。
「家では子どもをおぶって家事をしているので、子どもを見てくれる人がいると安心して調理が出来ました。いい気分転換にもなりました」
「初めてひっつみを食べました。野菜が沢山入って美味しかったです」
「同じ料理でもみんなで作って大鍋を囲んで食べるのは昔ながらで、とても楽しく、食事も美味しかったです」
当日は子どもたちもシメジを小分けにしたり、小麦粉を練ったものを薄く延ばしながらちぎる作業(「ひっつみ」の語源になってる作業)をしてくれたりし、お手伝として調理に参加してくれました。
これからも世代間交流や地域交流の輪が広がって欲しいと思います。
小さな子どもたちはおもちゃで遊びながらママを待ちました
2015年5月1日
「楽しみ」を自分たちで探そう
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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4月9日、飯岡地区のグループの皆さんが、町の郷土料理「きりせんしょ」づくりを楽しむ交流会を開催しました。「きりせんしょ」とは、団子粉と餅粉に砂糖を加えてこね、玉子ぐらいの大きさに丸めて、小判の形や花弁の形にしたもので、この地方ではおやつとしてよく食べられます。
地域の人々17人が参加し、こねる係、形を整える係、蒸す係と、役割を分担し、1時間ほどで200個以上のきりせんしょができあがりました。
へらを使って小判や花弁の形に整えます
できあがった「きりせんしょ」
できあがったせんしょはワカメの味噌汁と一緒にみんなで試食しました。その後はお茶会です。グループの中に茶道の先生がいらっしゃり、皆さんにお点前を披露してくださいました。
「この年になってまたお茶会を楽しめるとは思わなかった。」と仰っる方や、初めて体験する作法に緊張される方など、参加者は様々にお茶会を楽しんでおられました。
数十年ぶり?のお茶会を楽しむお母さん
緊張気味にお茶を点てるお父さん
グループのリーダーの上野さんは「仲間の特技を皆で体験するなどみんなで楽しめる企画をいろいろ考えておます。今回のお茶会もその一つ、書道の先生もいるので次はお習字も良いかな。」と、既に次の構想を考えてられる様子でした。
参加者がふえつつあり、この地域交流がいろいろな「楽しみ」を探しながら深まっていくことを期待します。
2015年4月27日
「第三回山田わわわ祭り」を開催しました!
〜親子であじわう 地域のぬくもり〜
男心会のみなさんとハイポーズ!
FIDRでは、山田町町民による自主的な活動をサポートするプログラム「山田わわわ計画」を実施し、たくさんの交流の輪を広げてきました。その中でも積極的に交流会を行っている方々は、山田町のお母さんの中でも年上にあたる「先輩お母さん」です。
そんな先輩お母さんが現在行っている楽しい活動に若いママ達も参加し、世代を超えた気兼ねないおしゃべりできる場があれば、ママ同士の新たな仲間づくりのきっかけにもなると考え、3月27日に第三回山田わわわ祭りを開催しました。
FIDRロゴの入った青いエプロンをつけている「チームあじさい」のみなさんは、FIDRの活動に賛同してくださる山田町のボランティアさんです。今回の集まりでは当日参加したお母さん達の代わりに子守りを手伝ってくださっただけでなく、わわわ祭りの企画から始まり、おやつ作りにも参加していただきました。
“がんづき”やヨーグルトを使ったケーキなど、手軽に作れるおやつをみんなで味わい、ママや子どもたちに喜ばれました
FIDRボランティア「チームあじさい」のみなさんが子守りを手伝ってくださいました
その他、山田町内の男性保育士さんで結成された「男心会」のみなさんも駆けつけてくださり、歌にあわせた自己紹介や大きな絵本を使った手遊びなど、会場を大いに盛り上げてくださいました。親子のふれあいと男心会の大きな優しさをあじわい、たくさんの笑顔があふれた1日となりました。
素敵な歌で自己紹介♪
参加したママや子どもたちが、町の「ぬくもり」をあじわったことをきっかけに、町内に新たな交流が生まれることを期待しています。
2015年4月15日
「わわわ会議」を行い、新たな交流づくりを企画しました
〜自分の地区の魅力を体験してもらおう!〜
活発な意見交換が行われました
FIDRでは東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町で、コミュニティの形成のきっかけや再構築のための基盤づくりを目的に、2013年度より町民による自主的なグループ活動をサポートする「山田わわわ計画」と、グループ間の交流のきっかけをつくる「山田わわわ祭り」を展開してきました。その結果、ご近所同士や知り合いなど、関係性の近い人同士が集まって自主的に交流会を企画・実施する地区が増えてきました。
2015年度は更に交流の輪を広げようと、先日4月2日に山田町中央コミュニティセンターで「わわわ会議」が行われ、わわわ計画で企画経験がありFIDRの活動に賛同してくださっている町民のみなさん18人が集まりました。
「各地区の魅力を体験できるような企画を計画してください」という会議の趣旨がFIDR職員から説明され、地域の枠を超えた交流づくりについての話合いがスタートしました。
新たな交流計画を説明するFIDR職員
地区の魅力を話し合うみなさん
出席してくださった方からは活発な意見が出され、早速郷土料理づくりや町の特産を活かした交流会の開催がその場で決まり、5地区で魅力体験会を開催することになりました。
各地区での計画づくりや運営がスムーズに進むようにサポートしながら、新たな交流の輪がうまれることを願っています。
2015年4月9日
地産地消で笑顔の輪
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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山田の素材や伝統などを用いて交流の輪を広げる事を目的とした「みんなで「わ」をつくろう大沢」が、今年の1月27日と3月29日に「わわわ計画」を用いて開催されました。
わわわ計画を用いて行われる催しは口コミを通して着実に町に広がっており、回数を重ねる毎に新しい参加者が増えて「和」が広がっています。
今回催しが行われた大沢地区は山田の中でも特に海産物が豊富な地域です。その特産品を使い、1月はカキご飯、3月はワカメやヒジキを使った料理と郷土菓子である「山田せんべいモチ」を作って交流しました。
初めて参加した人は、
「家でも作るけど、他の人はどんな作り方なのか気になったから勉強に来たよ!」
「地域の特産品を使い、みんなで作って食べるのは楽しいね」
と話していました。
1月に作ったカキご飯
ぷりぷりのカキが旨―い!
3月に作った郷土料理
このボリュームで一人前350円は安い!!
みんなで調理台を囲んで話をしながら作る料理は、自宅で作る料理よりも何故か美味しく感じられます。ちょっとした料理のコツや料理にまつわる昔話など、賑やかな笑い声の中楽しいひと時を過ごしました。
「今度は自分の友達とわわわ計画を使って集まりを企画してみたい」と話している方もいらっしゃいました。これからもわわわ計画を通してどの様な交流の輪が広がっていくのか楽しみです。
2015年3月30日
“つなぎ”は不要!? 細くなが〜い友情を築く
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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町の内陸部に位置し、厳しい寒さを感じる山田町豊間根地区にも、ようやく春の気配を感じられるようになった3月中旬。この日、“めんこいマダムス会”は山田町織笠地区・白石集落農業生産組合のみなさんを講師として招き「そば打ち交流会」を行いました。
“めんこいマダムス会”とは、昨年10月にFIDRが行った災害公営住宅(復興住宅)での「ほっこり足湯カフェ」をきっかけに、復興住宅に引っ越してきた方と地域住民とで新たに発足されたグループです。お互いの関係をより深めていこうと、18名の仲間が集まりました。
そば打ち教室では、白石地区の水車小屋での活動の様子を興味深げに聞きいり、十割そばの難しさに苦戦しながらも、力いっぱいにそばを打ちました。
「日頃の鬱憤じゃなく、愛情を込めるんだよ!」と指摘され、みなさん大笑い
細いそばや太いそば、いろんなそばが並びます
リーダーの三ヶ尻さんは、「仮設住宅や復興住宅に新しく越してきた人も、もともと住んでいる人も、こうして集まればもう友だち。これから先ずっと協力し合っていられるよう、ゆっくり友情を深めていこうと思っている」と、10年後20年後の目指す形を語ってくれました。
たくさんの愛情(?)を込めたおかげで、コシのある十割そばが完成!
みんなで協力しあうから準備も片付けも、あっという間です
震災から4年が経過し、山田町はゆっくりと一歩ずつ復興へと向かっています。
それぞれが置かれている立場や状況を越え友情を築くみなさんの姿に、こころの復興を感じられる一日となりました。
2015年3月13日
新しい集会所の風除室が完成しました
完成した集会所の風除室
東日本大震災から早4年が経ち、5年目を迎えます。
岩手県山田町では、震災当初、仮設住宅を建設する場所が少なく、下水道処理施設建設予定地にも118戸の仮設住宅と集会所が建設されました。
しかし昨年、町の復興が進んで行く中で下水道処理施設の建設事業が再開される事が決まり、それに伴い23戸の仮設住宅と集会所の取り壊しが決まりました。集会所が無くなってしまうことに関して「みんなで集まれる場所が無くなるのは淋しい。何とかならないか?」という住民の声が多数寄せられ、仮設住宅内の空き部屋を利用した集会所を新しく作ることが決まりました。
FIDRでは、同仮設の集会所内の棚作りをサポートしたこともあり、今回もサポートの依頼を受けて集会所内に設置する棚と、新しい集会所の入口付近に建てる風除室の材料費を全額サポートしました。
FIDRでは震災当初から今まで、仮設住宅団地の集会所や、談話室の風除室や棚などの材料費をサポートしています。風除室や棚は仮設住宅内の人々が有志で集まって作ります。
皆さんが協力し合い、自らの力で仮設住宅での生活を快適にしようとしていく中で、コミュニティーづくりが一層進むことを願っています。
集会所内に完成した棚(写真上)
2015年2月20日
みんなで作り上げる、地域を越えた交流会
〜「がんばろう山田・カラオケ大会」二周年を迎える〜
2月8日、立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒さの厳しい岩手県山田町内の町民グランド仮設住宅団地にて「祝 二周年 がんばろう山田・カラオケ大会」が開催されました。
仮設住宅から外出する機会の少ない方々に楽しめる場を提供しようと始まったカラオケ大会は、同仮設住宅団地の区長さんと有志の方により結成された「復興丸一座」というグループによって企画・運営されています。今では同仮設住宅団地以外の方もたくさん来場してくださるようになりました。時には町外からも来られる場合があり、地域を越えた交流の場にもなっています。
皆さんが考えたプログラムは心を和ませ、楽しませるものばかりで、歌と踊りの楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。また、来場者のみなさんには二周年を記念した「鯛」の生菓子のお振る舞いも用意されていました。
一座の皆さんからは以下のコメントをいただきました。
「FIDRさんがカラオケ機材を貸し出してくれるので、この会も二周年を迎えることが出来た。」「震災からもうすぐ4年。辛い体験を完全に乗り越えられたわけではないが前に進まなければならない。町を元気にするのは、お互いの笑顔だ。」
今年は高台住宅団地や災害公営住宅の完成によりそちらに移転予定の方もいらっしゃいます。しかし全仮設の移転にはまだまだ時間がかかるものと思われ、ここでの生活がしばらく続く方が多数いらっしゃいます。
来場者が楽しめるこの一座の活動が、これからも地域を越えた人と人との交流の場として続いていくことを願っております。
2015年1月23日
団子が咲く木「みずき団子」
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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岩手県山田町で小正月の行事といえば「みずき団子」です。
みずき団子とは、水木にお団子を飾り五穀豊穣を願うものですが、港町の山田町では大漁祈願としてスルメを吊るすこともあります。
今回、地域の仲間を集めて「みずき団子づくり」を開催したのは、町内で子どもたちにレスリングを教えている上野先生です。上野先生は、山田町社会福祉協議会によって行われている毎月のお茶会をご自宅で開催してくださったり、近所の仲間が気軽に集まれる場所を提供してくださっています。
昨年11月にFIDRによって開催した「第二回山田わわわ祭り」に参加した上野先生は、町の方々が「山田わわわ計画」を利用して様々な交流活動を行っていることを知り、ご自身でも今まで以上に交流できる場を作りたいと思われるようになりました。そこで今回、わわわ計画内の交流活動として「みずき団子づくり」を開催されました。
おばあちゃんの指示を受け、力いっぱいにお父さんがコネコネ・・・
さかな型のお団子を器用に作るお父さん
お団子は、おからに米粉、お砂糖をこねて作ります。そのお団子をピンクや緑に色づけし、みずきの枝に飾ります。今回の企画に参加した最年長のおばあちゃんは「子どもの頃に戻ったみたいでウキウキしたよ」と素敵な笑顔を見せてくれました。
みんなでワイワイ交流しながら作ることが出来て、家族や仲間の健康を願うこともできる「みずき団子」は、今後も次世代へとつなげていきたいと思える小正月の習慣です
最近近くに引っ越してこられたご夫婦は「集まることで周囲の人を知れた。これで朝夕の挨拶以外にも地域の人たちと話せるきっかけをつくることができた」と話していらっしゃいました。
集まりの後、上野先生は「もっと楽しい、もっともっとお年寄りが元気になれる会にしたい」と、今後の集まりに対して意気込みを語ってくださいました。
引き続きこの地域の交流が、わわわ計画を通して深まっていくことを願います。
2014年12月25日
新たな輪づくりのヒントをゲット!「第2回山田わわわ祭り」を開催しました
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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8月に開催した第1回山田わわわ祭りでは、活発に交流を行っているグループの活動紹介や、グループ間の情報交換の場となり、交流の輪が広がりました。一方で、「みんなと交流の機会を持ちたいけど、どうやって仲間を集めるの?」「まず、なにをすればいいの?」という声が聞こえてきました。
そんな声を受け、11月末日「第2回山田わわわ祭り」を開催しました。当日は、新たな交流の輪づくりを目指している方や、積極的に交流の場づくりを行っている既存グループのリーダーなど、約30名の方が集まりました。
今回のサブテーマは「〜輪づくりのヒント しゃべることからはじめっぺ〜」とし、これから交流会実施を目指す方々のための交流会をイメージしたワークショップや、物づくり教室を開催しました。
ゲーム感覚で行う自己紹介では笑いが絶えず、みなさんの緊張もほぐれました
交流会サポート「山田わわわ計画」を利用した活動の紹介
ワークショップ「輪づくりのヒントを得よう!」では、様々な背景を持たれた方が集まりおしゃべりをする中で、参加者の抱える課題や交流の輪を作るコツ、他団体と連携する可能性などについても触れ、これから交流する上でのヒントが生まれました。
おしゃべりから新たな交流の輪が広がります
実際の交流会を想定して行った「ドリームキャッチャー作り教室」では、延縄漁の漁網とヤマドリやキジの羽を使った山田町ならではのドリームキャッチャーを作りました。
悪夢をキャッチし、良い夢を見させてくれると言われるドリームキャッチャー
漁師のお父さん、器用に編んでいます
おしゃべりをすることから始める、輪づくり。
今後、「山田わわわ祭り」をきっかけに、おしゃべりを通して新たな交流の輪がうまれることを期待しています。
2014年12月12日
地元の味を再確認
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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「山田わわわ計画」の実施条件の一つに「山田の技・素材を使う」という項目があります。今回、山田の昔の味を再確認しようという事で、山田町内の女性団体「後楽女の会」が11月27日に「山田せんべいモチ」と「サンマのたたき汁」を作りました。
「山田せんべいモチ」は町内のスーパーでも販売されているもので、米粉とゴマと砂糖で作られている、郷土料理の1つです。「家で作るのは難しそう・・」と思われがちですが、実際“コツ”がわかれば家でも簡単に作れます。
作りながら「山田せんべいモチ」のコツを伝授してもらいました
きなこをまぶして完成!今回は1つ50gと少し大きめです
「サンマのたたき汁」はサンマをミンチ状にして作る「つみれ汁」とは違い、さんまを三枚におろして皮を付けたまま身を軽くたたいて作ります。この料理は昔、さんまの最盛期に船員や浜仕事の人が即席で作った料理だったそうです
今回の参加者の中にも「聞いてはいたが、実際に食べるのは初めて」という方が多く、「つみれ汁より簡単で美味しい!」「今度は家でも作るわ」と大好評でした。
今回は中の野菜の一部も、会の方が自分の畑で作った野菜を使用しています。
野菜や豆腐も入った「サンマのたたき汁」体が温まります
さらにこの会には第1回目の「わわわ祭り」に参加し、そこで知り合った縁で、来年1月に行われる町主催の「家庭教育学級」で行う料理教室の講師の依頼があったそうです。
まさに「山田わわわ計画」は<広がる輪・つなげる環・愉しむ和>の合言葉通り、いろんな広がりを見せています。
2014年10月30日
山田町の皆さんのふれあいイベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました
FIDRは10月、岩手県山田町にて町民の皆さんの交流イベント「ほっこり足湯カフェ」を開催しました。このイベントは、足湯につかりながらご近所どうしのふれあいの場としてもらおうと企画したもので、やまだ観光物産館とっとなど町内3ヵ所の会場で開催しました。使用した足湯セットは、花巻温泉郷などの県内でも有数の観光地を抱える花巻市の一般社団法人花巻観光協会様のご協力により無償でお借りしました。
どの会場でも多くの方々が集まり、懐かしい顔ぶれが揃い「しばらくだがね〜」と再会を喜ぶ姿が見られたり、初めて顔を合わせた方どうしの新たな交流の場となったりしました。地域の復興に“ほっ”と一息つき心まで温まる、そんな場所となったと思います。
飯岡地区の会場では、アツアツの焼きイモ食べながらの足湯となり、みなさんおしゃべりに花を咲かせました
豊間根地区の災害復興公営住宅の会場では、入居後初めての交流会となり、アパートの住民同士、また地域住民との交流の輪を広げるきっかけとなりました
「ポカポカで、ぐっすり眠れたっけぇ、友だち連れてまた来たぁよ〜」とのお母さん
子どもたちと一緒の足湯は、より一層元気をもらえるようです
2014年9月25日
子どもたちがつなぐ 友情の輪
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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9月初旬、山田町では「ホタテパクパク交流会」が開催され、FIDRでは交流会の一部経費を「山田わ・わ・わ計画」によってサポートしました。
この交流会は、「ちびっ子ジャイアンツ」と名付けられた山田町内の野球少年4名が企画・実施を行いました。当日は町内2チームある野球チームの他、大槌町や岩泉町、遠野市、盛岡市からも野球少年が集い、140名近い子どもたちが参加しました。
現在、実行委員の子どもたちは小学6年生ですが、震災当時は小学2年生でした。当時、幼心に「町の為に何かしたい」と願ったその思いが、今回「ホタテパクパク交流会」として結実しました。
「被災したチーム、それから内陸から支援してくれたチーム、みんなが笑顔になれる交流会をしたい」と語ってくれた実行委員代表の尾形くんはじめ、「ちびっこジャイアンツ」のみんなは、当日の司会や開会のあいさつなどを立派につとめていました。
ホタテを水槽に泳がせ、子どもたち手作りの釣竿でホタテ釣りを楽しみ、その後はお父さんたちからホタテのむき方を教わりました
今回の交流会を企画した「ちびっ子ジャイアンツ」のみんな
お医者さんを招いてのスポーツ講習会や野球グッズ争奪じゃんけん大会など、当日は盛り沢山の内容となり、来場者には満面の笑みがあふれていました。
2014年9月23日
第1回「山田わわわ祭り」が開催されました!
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わわわ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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8月末には、「山田わわわ計画」を利用してコミュニティー活動をしている皆さんに集まっていただき、それぞれのグループで行っていることをワークショップ形式で共有し、交流を深めることを目的とした「わわわ祭り」を開催いたしました。いわば「山田わわわ計画の発表会」です。
当日の参加者は町内各地区から集まった9チーム38名。震災後、行方が分からなかった知り合いに偶然にも再会する方もいらっしゃり、始まる前から会場は賑やかな雰囲気に包まれました。
前半は、各グループごとに自分達の活動を発表しました。山田の郷土料理や山田に関する作品を作ったことなど、活動内容は多種多様です。
「皆いろんな事をしているんだねぇ」「今度はあれをやってみたい!」熱心に話を聞きながら、自分達の活動の参考にしている姿が見受けられました。
前のチームの中からインタビュアーを出して進行をお手伝いしてもらいました
子どもたちが作った”せんしょ(郷土料理)“をクイズにしました
後半は、山田の食に関するワークショップを行いました。カキ・ホタテ・ウニ、マツタケなど、山田で採れる食材をお題とした料理や調理法を話し合い、お互い発表しました。
たくさんの料理を出し合いました
最後にみんなで記念撮影
「今度は何を作ろうか?」「今度作り方を教えて下さいね」
今まで自分たちの地域でしか交流がなかったのが、今回の「わわわ祭り」でその輪が広がったようです。
各地域が「広げる輪・つなげる環・愉しむ和」をもっと大きなものにしていき、山田町の発展へとつなげて欲しいと思います。
2014年9月20日
地域をこえて広がるコミュニティー活動
FIDRでは、東日本大震災で被害に遭われた岩手県山田町の皆さんと共に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行い、町民の皆さんが企画、実施するコミュニティー活動をサポートしています。
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「山田わ・わ・わ計画」で始まったコミュニティー活動が他の地域にも広がっています。
山田町のある地区では、延縄漁の糸を使用した「ミサンガ、ストラップづくり」が、大人気。この地区へ、他の地区のお母さん方が生徒として学びに行き、今度は自分たちが先生となって「ミサンガ&ストラップ教室」を開催しました。
あるおばあちゃんは「他の地区の方とお話ししながら作り方を習った。先生として教えるのは難しい。でもみんなで話をしながら作るのは楽しいよ。」と話され、「ミサンガが可愛いので孫にも作ってあげたい。」とも仰っていました。
ミサンガ作りを習うホホエミ会のお母さん方
出来上がったいろいろな種類のミサンガ
教室を主催したホホエミ会の湊代表は「山田わ・わ・わ計画の支援で他の仮設の方々と交流をすることができた。この機会を大事にし、もっと交流を深めていきたい。」と仰っています。
「山田わ・わ・わ計画」が地区をこえてのコミュニティーづくりの後押しになることを楽しみにしています。
2014年8月21日
偲ぶ灯り
FIDRは地域のみなさんとともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行っています。
「山田わ・わ・わ計画」では、山田町のみなさんによって企画・実施するコミュニティ活動の活動費と気持ちをサポートしています。
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「山田わ・わ・わ計画」では、8月5日の夜7時から開催された「夢灯り」のサポートを行いました。
「夢灯り」とは牛乳パックを組み合わせた物に、思い思いの切込みを入れ、色を付けた灯篭です。お盆の入りを前に、故人を追悼したいという思いの町民の方々が集まり、会を立ち上げました。
「夢灯り」の制作は、約2か月前から開始しました。想像以上に、切り絵やスプレーでの色付けが難しく、会の皆さんにとって、完成した100個の灯篭ひとつひとつが、それぞれ感慨深い作品になりました。
組み立てる前の灯篭。これから内側にキレイな色を付け、底を組み立ててから外側は黒くスプレーします
完成品。ロウソクの明かりがゆらめき幻想的な感じがします
午後7時の開始時には辺りも薄暗くなり100個の「夢灯り」すべてのロウソクに明かりが灯されました。
町の人々は
「ロウソクの明かりが灯篭に入ると光が儚くて追悼の気持ちが強くなる・・」
「明かりを見ていると故人を思い出す」
「キレイだね・・」
と、様々な模様の灯篭に見入っていました。
会の代表の方は、「今後も、同じ気持ちの仲間が集いながら、自分達の力でこの「夢灯り」の制作を続けていきたいと思います」と今後の活動への気持ちを語られました。
この活動が、会の皆さんの自信に繋り、そして、これからの町の復興につながることを信じております。
灯篭に明かりが入り、日常とは違う仮設商店街
2014年7月22日
子供たちと山田せんべいもちを作ったよ!
FIDRは地域のみなさんとともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行っています。
「山田わ・わ・わ計画」では、山田町のみなさんによって企画・実施するコミュニティ活動の活動費と気持ちをサポートしています。
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山田には数多くの郷土のお菓子がありますが、今回はその中で「山田せんべいもち」を、町内の保育所の子供たち及びお母さん達が一緒になって作りました。
山田せんべいもちとは、ゴマの風味が特徴の山田せんべいを、おもち状のままできな粉をまぶして食べる山田町伝統のおやつです。
早速作業を開始し、レシピや作業手順を説明すると、
「スーパーで売っているのはよく見るけど、自分で作れるんだね〜」
「こんなに簡単なら家でも作れるね!」
と、意外と簡単にできることを知り、みなさん驚いていらっしゃいました。
「どの位?」「もう少しかなぁ?」分量も子供と一緒にはかります
今回はだんご粉を使用して生地を蒸してからゴマと砂糖を混ぜて大きな塊のお餅にします。ここから子供たちの本領発揮!一口大のお餅にきなこをまぶしていきます。
普通はこのまま食べるのですが、今回は子供たちと一緒なので新しい味のアレンジに挑戦!チョコレート・あんこ・生クリーム・黒蜜など好みの味にして食べました。
実際に作ってみると生地をこねるのにコツが必要で、思ったより難しかったのですが、うまくできた班からコツを伝授してもらったりしながら美味しい山田せんべい餅が仕上がりました。
途中つまみ食いをしながらも、沢山の「山田せんべいもち」が出来上がりました
「お友達できたよ」「又集まって何かやろうね」「今度は何作る?」
伝統的なお菓子作りを通して交流の輪が自然と広がり、みんなで作業をすることの「良さ」と「楽しさ」を実感した時間でした。
2014年7月3日
たくさんの笑い声と共に広がる「輪」
FIDRは地域のみなさんとともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行っています。
山田町のみなさんによって企画・実施するコミュニティ活動に対し、その気持ちと活動費をサポートしています。
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じわじわと夏へ近づく山田町では、みなさんによって行われるコミュニティ活動がどんどん増えています。
「山田わ・わ・わ計画」―その名の通り、たくさんの笑い声と共に、コミュニティの輪が増え、どんどん広がってきています。
仮設住宅の空き部屋を談話室として利用した「きりせんしょ作り」では、地域の方々との交流を楽しんでいます。
かつて山田湾では、イルカが大量に捕獲されたことがありました。そのイルカをシンボルとした花壇を、仮設住宅の方々と小学校の子どもたちが協力し作りました。
「山田わ・わ・わ計画」で初めてのものづくりとなる「ミサンガづくり」は、鮭漁では珍しい延縄漁の糸を使用しています。
このミサンガは、仮設住宅に住むお母さん方が生徒となり、他地区に住む先生のところへ習いに行きました。「山田町ならではのミサンガを、町のみんなへ広めたい」という、それぞれの想いが、地区を越えて実現されました。
そして、作り方を習ったお母さん方が今度は先生となり開催した「ミサンガ教室」は、仮設住宅以外の方も誰もが参加できるものとなりました。
現在、ミサンガ作りは他地区の仮設住宅でも、「わたしたちも作りたい!」という声があがるほどの人気ぶりです。「他の仮設住宅で、今度は私が先生として教えていきたい!」と、今回作り方を習ったお母さん方は意気込んでいます。
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山田町に、どんどん広がる「山田わ・わ・わ計画」。
この町ならではの、どんなお宝が再発掘されるのか、いくつの輪が生まれるのか、
山田町の「これから」には、楽しみがいっぱいです!
2014年5月26日
「お互いの笑顔」が活力 〜みんなで作り上げる交流会〜
5月11日、山田町町民グランド仮設住宅団地で「がんばろう山田・カラオケ大会」が開催されました。
この会は、「復興丸一座」と呼ばれている同仮設住宅団地の区長さんと有志の方により結成されたグループによって運営されています。
入居当初、自宅にこもりがちだった仮設住宅団地の方々に楽しめる場を提供しようと始まった会の開催は、今回で15回を数えます。この日は母の日で、来場者にはカーネーションと手作りの桜餅のプレゼントも用意されていました。FIDRは、カラオケ機材と桜餅の材料費の一部を支援させていただきました。

復興丸一座集合
一座の皆さんからは「FIDRさんがカラオケ機材の貸し出しや、開催費の援助をしてくださるお陰で15回目を迎えることが出来た。大変感謝したい。」と感謝の言葉をいただきました。
また、以下のコメントをいただきました。
「震災から3年が過ぎ、辛い体験を完全に乗り越えられたわけではないが、来場された方の「ホッ」とした笑顔を見ると、みんなの心も少しは落ち着いてきているのかなと思う。みなさんが楽しければ、自分たちも楽しいし、頑張っていける。」
来場者の皆さんは、「回を重ねるごとにステージが進化している。」「この仮設住宅団地の方だけでなく、近隣住民の方も大勢みえて、すばらしい催しだ。」などと仰っており、参加者全員が楽しめる場になっていることを感じさせられました。
皆さんが考えたプログラムは心を和ませる内容のものばかりで、
歌と踊りの3時間はあっという間に過ぎてしまいました
この仮設住宅団地で開催されるカラオケ大会には、同団地にお住いでない近隣の方が全体の半数以上も参加します。仮設住宅団地にお住まいの方とそうでない方が環境の違いの垣根を越えて交流することが、必ずしも容易に行われていない被災地域の現状の中、率先して交流の輪を広げている「復興丸一座」のみなさんのパワーに圧倒されます。
今後もみなさんの自発的な活動により、山田町の人と人とをつながる場になっていくことを願っております。
2014年4月22日
「お楽しみ会」を通し、地域の交流が盛んになってきています
FIDRは地域のみなさんとともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行っています。
山田町のみなさんによって企画・実施するコミュニティ活動に対し、その気持ちと活動費を、FIDRではサポートしています。
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やっと春の気配を感じられるようになった山田町織笠地区で、町民による地域間交流会が催されました。
震災前、地区婦人会として食事会を催すなどの活動をしていました。しかし震災をきっかけに、他地区からも仲間が加わり「若草会」と新たに名づけ、地区の垣根を越えて活動しています。
春の農作業が本格化する前に、みんなでお楽しみ会を開こうと企画され、他の地区に住んでいる方も含め25人もの仲間が集いました。
おしゃべりを楽しみながら作る、すすり団子(おしるこ)いい香りがしています♪
自分たちの畑で収穫した野菜(大根・ゴボウなど)や、山菜(ワラビ・フキ)を持ち寄り作った「お煮しめ」や「すすり団子(おしるこ)」などを囲み、親睦を深めました。
その後の余興ではカラオケや踊りを楽しみ、「震災後、こんなに心の底から笑ったのは初めて!」と、会場は爆笑の渦に包まれました。
若草会のリーダーは、「みんなにとって、地域の垣根を越えた活動を続けていくことが大切だよね」と話し、仲間と楽しい時間を共有することによって、これから忙しくなる農作業に向け、大きな活力を得ているようです。
このような活動が、今後の地域の発展のために欠かせないという思いをあらためて強く感じています。
2014年4月4日
みんなでつくる 憩いの時間
FIDRは地域のみなさんとともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発見する「山田わ・わ・わ計画」を行っています。山田町のみなさんによって企画・実施するコミュニティ活動に対し、その気持ちと活動費を、FIDRではサポートしています。
「山田わ・わ・わ計画」で再発見したお宝は、震災がなければ当たり前に存在していたはずのことばかり。かつて自宅の広い台所で当たり前のように大鍋で作っていた鮭汁、大勢で賑わい笑顔で囲む食卓なども、その中のひとつです。
今回みなさんで作ったのは、地元産のもち米や赤魚を使った「祝い膳」。震災後の約3年間、お世話になった方への感謝の気持ちと、門出をお祝いするために作られました。
「この仮設住宅は一人暮らしの高齢者が多いからね」と話す山澤区長は、“山田町のお宝 発掘名人”です。「お別れはさみしいけれど、復興が一歩前進したってことだもんね」区長さん自ら、震災によって生まれた出会いや、仲間とともに過ごす楽しい時間を大切にしています。
山田のお宝と、たくさんの想いが詰まった「祝い膳」
食材の味はもちろんのこと、大勢の仲間と食べる喜びを味わいました
ここでの「山田わ・わ・わ計画」は今回で4度目となります。回数を重ねることにより、計画・準備をすすめることにも慣れ、自分たちで作るイベントだからこそ誰もが一生懸命です。
みなさん、食べているときは静かです・・・
食後はカラオケを使っての歌やダンスで盛り上がりました
まさに合言葉どおり、
ともだちの輪が広がり、環は今後へとつながり、和をもって楽しむ―そんな時間を発見できることが「山田わ・わ・わ計画」の醍醐味です。
ひとり数百円でこれほどに楽しめ、みなさんが抱えている「不安」や「悩み」をひと時でも忘れられる仲間との時間は、金額以上の価値を持ちます。
この時間こそが、日々の生活の中で見つけた、大切な「お宝」なのです。
2014年2月14日
「がんばろう山田・カラオケ大会」1周年を迎える
2月9日、山田町町民グランド仮設住宅団地で「がんばろう山田・カラオケ大会」が開催されました。この団地では、去年の2月から月1回のペースでこの会が催されており、今月で1周年を迎えます。
この会の主催は、同仮設住宅の区長さんや有志の方々です。主催者の皆さんは「FIDRがカラオケ機材を貸し出してくれるので、この会も1周年を迎えることが出来た」「復興にはまだまだ時間がかかり、今後もここでの生活が続くが、町を元気にするのは一人ひとりの心次第だ」などと話されていました。
皆さんが考えたプログラムはオリジナリティあふれる内容となりました。有志による「水戸黄門」の寸劇や、1周年を記念した紅白大福のおもてなし等、歌と踊りと食べ物の大宴会が2時間以上にわたり催されました。
参加者からは「久し振りに大きな声で笑って、本当に楽しかった」「毎月この会を心待ちにしています」という声が聞かれました。また、大雪により、雪が30cm以上も積もっている中でしたが、仮設住宅団地以外の方々も見に来られ、共に楽しい時間を過ごしました。
被災地のみなさんの自発的な活動が、復興を進める上では大きな力になることを改めて強く感じています。
みんなで健康ダンスを披露
黄門様・助さん・格さん
2014年1月28日
掘り起こせ!山田のお宝 ざっくざく!
山田町には、とてもたくさんのお宝があります。それはまだ発掘されていないものや、日常に当たり前のように溢れているものなど様々です。
たくさんの山田の宝物をもう一度見つめ直し、自分たちの足で一歩前へ進んで欲しい。そんな願いと、町の方々の「自分たちで何か面白いことがしたい」という声から生まれたプロジェクト「山田わ・わ・わ計画」。
「山田わ・わ・わ計画」とは、「山田の魅力を再確認し明日へのチカラへと繋げてほしい」との願いから、町の魅力を掘り起こす活動です。FIDRは山田町の方々とともに、「広がる輪・つなげる環・愉しむ和」を合言葉に、山田町のお宝を再発掘しています。
これまでに支援した活動のいくつかをご紹介します。
山田町船越湾で水揚げされた「鮭」と「山田の醤油」を使った鮭汁です。震災後、仮設住宅では大きな鍋で料理をすることがなくなりました。鮭汁は大きな鍋で、大人数でいただくのが醍醐味です。
こちらも山田湾で水揚げされた鱈を使った三平汁。三平汁とは、一度煮あげた大根おろしと鱈を使った塩汁です。とても優しい味で、大勢でいただくと、より会話も弾みます。
これはミズキ団子を作っている様子です。ミズキ団子とは、おからで作られた団子をミズキの木に飾り、五穀豊穣を祈る小正月の行事です。また、魚の形に作ったお団子や干しイカなどを飾り、大漁を願う意味もあります。
最近では、ミズキ団子を飾る家庭も減ってきています。おから団子を作ることができるおばあちゃんこそ、山田の宝物と言えるのです。
震災から間もなく丸3年を迎えようとしている今、山田町のみなさんは自分たちで前へ進もうとしています。
このすべての活動は、みなさんが企画・準備をし、開催されたものです。自分たちでチラシ作成や配布をし、仲間を募りました。役割分担をして買い物や開催場所の手配をし、自分たちでつくりあげたイベントを成功させようと協力し合いました。
交流の輪が広がり、次世代へ環をつなげ、笑顔の和を愉しむ。これこそが山田町復興へのチカラとなり、より強く結ばれた絆となるのです。
2014年1月21日
FIDR×日体大〜お掃除のお手伝い&正月飾りづくりを通じて山田町を元気に
昨年末12月25日〜27日の3日間、FIDRは日本体育大学(以下、日体大)の協力を得て、山田町にある46仮設住宅団地において、正月飾り作りと、高齢者世帯(約250戸)の掃除のお手伝いを行いました。当活動には、FIDRスタッフ及び日体大の学生・教員の計45名が参加し、26日には、地元の復興に貢献したいと願う山田高校の学生9名も加わりました。
正月の飾り作りの様子
普段手の届かない場所を中心に、掃除をお手伝い
日体大の学生の皆さんは、今年も同大学名物「エッサッサ*」を披露されました。突き刺さるような寒さの中、山田町の方々に勇気と元気を届けようと、上半身裸で逞しく雄叫びを上げる日体大生を見て、集まった方々は口々に「感動した」「元気をもらった」とおっしゃっていました。
日体大生による「エッサッサ」。
仮設住宅団地(左)および町役場前(右)で披露しました。
「今年も来てくれてもありがとう」「来年もまた来てね」
今回で3回目を迎えるこの取り組み。仮設住宅入居者の方々からは、交流の中で口々に感謝の言葉をいただき、町の方々が当活動を心待ちにしてくださっていることが伺えました。一方、災害公営住宅の整備が完了するのが3年後と言われる中、今後も続く仮設住宅での不便な暮らしに落胆の色を隠せない方々も多くいらっしゃいました。
仮設住宅における生活が長期化する中で、この活動を通し、山田町の皆さんが少しでも気持ちよく3回目の新年を迎えられたならば、とてもうれしく思います。学生たちにとっても、入居者の方々との交流を通し、「被災地の今」を知る貴重な機会となりました。
東日本大震災から4年目を迎える2014年、FIDRは引き続き被災地を支援していきます。
*エッサッサ : 日本体育大学で伝統的に行われている応援スタイル。一般的に、上半身裸、裸足。肉体美、精神の美(雄叫び等)、集団の集合離散の美を追求する。
2013年12月20日
もっと広がれ 地域の輪
FIDRは、岩手県山田町において、震災を経験され、生活環境の変化を余儀なくされた人々が、新しいコミュニティを形成し、お互いに支えあう環境をつくっていくお手伝いを継続的に行っています。町の社会福祉協議会が主体となって開催しているお茶会「よりあいっこ」活動への支援もその一つです。
この「よりあいっこ」活動は、仮設住宅に入居された方々が新しいご近所付き合いを築く上で、大きな役割を持つ機会となっています。ここに集まるみなさんの会話がより弾み、少しでも長い時間楽しんでいただけるようにと、FIDRはお菓子を提供しています。
当初「よりあいっこ」は、仮設住宅に住む方々を対象に行ってきましたが、現在では、仮設住宅の方に加え、自宅で被災された方も参加するようになり、大きな広がりを見せています。回を重ねるごとに参加人数は増え、時には不安を抱える者どうしとして、時には困難に立ち向かう仲間として、新しいコミュニティが築き上げられています。
この活動がきっかけで、「引きこもりがちだったけど、家から一歩出る勇気がうまれ、自分一人きりではないことに気づくようになった」という方もいます。
先日、わたしたちがお邪魔すると、
「こっつぁ寄さって、おめさんもかだって〜」(こっちに寄って、あなたも仲間に入りなよ)と、素敵な笑顔で迎え入れてくださいました。
地域のイベントの話や、イクラ漬けやお団子の作り方など、話題はとても豊富です。
おしゃべりに花を咲かせ、歌を唄い、手遊びをするなど、みなさんとても楽しそうです。
「よりあいっこ」を開催する度に仲間が増え、素敵な笑顔の輪がどんどん広がっています。
歌をうたい、ゲームを楽しんでいます
とても素敵な笑顔です
2013年11月26日
自治会設立2周年を迎えた「関谷担い手仮設住宅団地」
11月17日、FIDRが自治会の支援を行っている山田町の関谷担い手仮設住宅団地で「自治会創立2周年記念祝賀会」が開催されました。
川端自治会長は挨拶の中で、「FIDRが開催してくれた顔合わせ懇談会がきっかけで、自治会を設立することができ、無事に2周年を迎えることができました。震災から2年8か月が過ぎましたが、復興にはまだまだ時間がかかりそうです。今後もここでの生活が続きますが、皆さんで力をあわせ頑張っていきましょう」と、お話になりました。
FIDRは、震災から半年後の2011年10月に、この仮設住宅団地の方々に呼びかけ、顔合わせ懇談会を開催しました。翌月には自治会が設立され、住民の皆さんは自らの力で仮設住宅団地での生活をより快適なものにしていこうと、様々な活動を続けておられます。現在では「防災防犯部」、「環境衛生部」、「文化娯楽部」を設け、住民がそれぞれに役割を分担する体制ができています。
FIDRは必要に応じ自治会活動のお手伝いをさせていただいておりますが、このように活気ある自治会の活動を見るにつけ、「自立心」と「助け合い精神」が、コミュニティーの基盤を支え、復興に向けた大きな力になるものと確信しております。
祝賀会では、「北の街ナツメロ合奏団」の慰問演奏やカラオケなどで皆さん楽しんでおられました。
祝賀会には多くの方々が集まりました
写真左から
川端自治会長、佐藤監査委員長、湊防災防犯副部長
2013年10月04日
写真展「私たちの山田〜あの頃を忘れない〜」は多くの方々にご来場いただきました
FIDR(ファイダ―)は、山田町の町民の皆さんや山田町を訪問されたことのある皆さんに、かつての町の姿を思い出し、町の魅力を心に刻んでもらおうと、写真展「私たちの山田〜あの頃を忘れない〜」を8月8日から9月23日まで開催しました。
期間中、会場には、県外在住の方も含め、小さい子どもたちからお年寄りまで、計800人以上の方々が来場されました。写真を見て思わず涙ぐむ方や、会場に展示した街並みの復元模型の中にかつてのご自身の家を見つけて感極まる方もいらっしゃいました。来場された多くの方々が、今となっては「記憶」の中にしかないあの頃の山田町に再会し、町に対する思いを新たにされたようでした。
来場者の感想ノートには「とても懐かしい景色でした!」との声が多く寄せられていました。コメントのひとつをご紹介します。
「山田在住です。震災からはなるべく以前の町並を見るのは避けてきました。自分たちが失ったものが何なのか、嫌でも分かってしまうからです。今日もやはり泣いてしまいました。笑った写真もありました。美しい自然や仕事をする人々、お祭りの熱気、今も変わらずこの町にあります。一度ふり返り泣くことも、そして失ったものばかりじゃないと確認することも必要だったのだろうと思います。このような写真展を開いてくださり、ありがとうございました。」
この写真展が、山田町の皆さんにとって、また一歩先へ進むきっかけになったならば幸いです。
会場内に掲示した「やまだの木」には、来場された方一人ひとりにシールを貼って頂きました。
みんなで枝葉を増やして実をつけ、最後にはこんなに大きな木になりました。
懐かしい写真を見ながら、思い出を話す高校生。
2013年9月11日
「一龍斎貞花 講談会」を山田町の仮設住宅団地で開催しました
8月28日(水)、講談師一龍斎貞花先生が山田町を慰問に訪れ、旧長野団地仮設住宅の談話室にて、講談会が開催されました。当日は、暑さの厳しい日でしたが、近隣の仮設住宅から20人近くの方々が集まりました。
袴姿で登場した一龍斎貞花先生を、盛大な拍手と共にどんなお話が聞けるのだろうかという興味津々の視線が迎え、会はスタートしました。前半は「子どものために親は長生きしなくてはいけない」という先生の実体験に基づくお話、歴史上の美女が実践した美しさを保つ秘訣の紹介など、多岐にわたる話題が展開されました。また、途中で先生が「今、一番必要な物はなんですか?」と問いかけたときには、「やっぱり、住む家が早く欲しい…」とある方が回答、それに、皆さんが大きくうなずく場面もありました。
後半は、張扇が机を叩く音が響いたのをきっかけに、小さな空間の空気が一変、講談「山内一豊出世の馬揃え」が始まりした。張扇の音を合図に場面が次々と転換したり、先生の声音が何役にも聞こえたり、目の前で繰り広げられる生の話芸にみなが引き込まれ、あっという間に時が過ぎてしまいました。
「今の自分の心境を聞いてくださってありがたかった」、「初めての講談を生で聞けて楽しかった」、「一豊と千代の夫婦愛に感動した」、「夫婦のあり方について考えさせられた」など、来場された方々は、笑顔で会場を後にしました。
なお、一龍斎貞花先生は、来たる11月19日(火)に東京・国立演芸場にてチャリーティー寄席「花の会」を開催され、FIDRの活動のための募金活動を行ってくださいます。
「楊貴妃の美の秘訣クイズ」。会場の女性陣は真剣に答えを考えました。(答えは「真珠の粉」)
目の前で繰り広げられる名人芸に来場者の皆さんは惹きつけられっぱなしでした。
一龍斎貞花先生と来場された皆さんとの記念撮影。
2013年08月23日
大学生との交流を通し、山田町が元気になりました!
FIDRは山田町において、みなさまの「交流の促進」と「自主的な活動」を応援しています。
今回は「住民の方々と交流をしたい」という日本赤十字看護大学の学生さんたちの希望と「自分たちで何かしたい」という町民の方々の希望をマッチングさせ、交流プログラムを企画しました。
学生の皆さんの企画案もとりいれ、出来上がったプログラムは「山田町の被災状況についての語り部」「郷土料理の作り方教室」「子どもたちとの流しそうめん」そして「看護学生による健康教室」と盛りだくさんになりました。
最初に町民有志グループ「伝津館(でんしんかん)」の田村氏から、山田町の説明や、震災当時の様子を学生の皆さんにお話しして頂きました。
震災当時の様子と、眼下に広がる山田町を重ねながら聞いていた学生たちは、「こんなに酷かったんですね・・・」と当時を振り返っていました。
1班は山田の郷土料理「ひゅうず」を地域のお母さん方に教わりながら作りました。
「そこ!まだ細かくして!」「こう切るんだよ!」クルミを刻む人・黒砂糖を刻む人・皮をこねる人に分かれての慣れない作業でしたが、お母さん先生の指導のもと、最後にはとても美味しそうなひゅうずが出来上がりました。
2班は地域の方々との「交流流しそうめん」を楽しみました。「来た来た!」「早くて掴めねぇ」「おー取れた!」「薬味もあるよ」「いっぱい食べてねぇ」「皆で食べるとおいしいね!」
お箸と一緒に会話も弾みました。
午後からは学生たちによる「健康教室」が開催され、学生による血圧測定・マッサージ・熱中症予防の講話の後、「炭坑節」という体操を披露してくれました。
山田町の方々は、お返しに、この地区に昔から伝わる「大浦音頭」を披露してくださり、最後は皆で輪になって踊りました。
学生の皆さんとの交流は、日頃のご近所同士の交流とは一味違った、新鮮であり、楽しいひと時を山田町にもたらしてくれました。学生の皆さんには、今回経験した山田町を他の人たちに広めてもらうことで、山田町の復興サポーターになってもらえることを期待しています。
2013年08月06日
写真展「私たちの山田〜あの頃を忘れない〜」を開催します
東日本大震災から3年目を迎え、山田町は復興に向けて少しずつ歩き出しています。しかし、復興実現までにはまだしばらく時間がかかるものと予想され、なかなか先の見えない状況に不安を覚えている町民の方々もいます。
国際開発救援財団(FIDR)は、これからの山田町について考える今、人々にかつての町の姿を思い出し、町の魅力を心に刻んでもらおうと、「私たちの山田〜あの頃を忘れない〜」と題した写真展を開催することにしました。
会場には、町民の方々からご提供していただいた震災前の山田町の情景の写真約50点と、『「失われた街」模型復元プロジェクト』による、かつての山田町の街並み模型(縮尺1/500)を展示します。
この写真展を通じて、風化しかけている町の姿や魅力を、山田町の方々には思い起こしていただき、また、外から町を訪れた人々には知っていただくことで、山田町復興の足掛かりとなることを心から願っております。
◆◆写真展「私たちの山田〜あの頃を忘れない〜◆◆
開催日時:2013年8月8日(木)〜9月23日(月) 9:00〜17:00
場所: 山田町中央コミュニティーセンター2階ロビー
入場料: 無料
主催: 公益財団法人 国際開発救援財団(FIDR)
共催: *山田伝津館
協力: 山田町、山田町教育委員会
*山田伝津館(でんしんかん):東日本大震災の記録や資料を保存・公開し、その体験を後世に伝え、津波から尊い人命を守りたいという思いから設立された町民有志による任意団体です。
◆◆写真展のポスター・チラシがダウンロードできます◆◆
【ポスター(pdf)】(A3判)
【チラシ(pdf)】(A4判)
2013年7月18日
ご近所の「つながり」が生まれて、おいしいひゅうずができた
6月から、郷土料理「ひゅうず」作りを通じて、仮設住宅に暮らすお母さんたちの交流を支援しているFIDR。7月2日(火)には、山田地区の仮設住宅団地でも、料理名人のおばあちゃん先生からひゅうず作りを教わる集まりを開きました。
ひゅうずは、先にご紹介したとおり、もともと各家庭で作る農作業などの合間のおやつ(軽食)で、町のお店で売られるようになったのはここ10年くらいのこと。でもすでに「買って食べるのが当たり前」となってしまったようで、この日に集まった10人の「生徒」であるお母さんたちのほとんどがひゅうず作り初体験でした。そんな「生徒」たちは、おばあちゃん先生の手つきを見よう見まねで、わいわいと楽しくひゅうず作りに取り組みました。
この仮設住宅団地は、他と比べても入居者の出身地区にかなりばらつきがあります。「ご近所さんどうしが、挨拶をする仲を超えて親しくなり始めたのは、今年に入ってからだねえ。ここまでに2年かかったわ」。自治会はないため、住民の方々が集まるのは談話室などで開かれる外部の団体による催しに参加するとき程度でした。
そんな中、先ごろFIDRがこの仮設住宅団地を訪問した折、「自分たちで何か催しをしたい」というお母さんたちの声。そこでFIDRがお手伝いして、今回の集いが実現しました。
できあがったひゅうずを食べる頃には、「楽しかった!またやりたいね」という声が口々にあがりました。「今度は、何をおばあちゃんに教わろうか?」、「きりせんしょ(※1)はどう?」、「ひっつみ(※2)なんかもいいねぇ」と言うお母さんたちに、「カキめしなんかもあるよ」とおばあちゃん。自分たちで企画する集いがこれから続いていきそうです。
おばあちゃん先生(手前左)の手つきをまねて、ひゅうず作りを行うお母さんたち
「次は何をしようかね」ひゅうずを食べながら会話も弾みました
(※1)ひっつみ:
「引っ摘む」から転じた名称どおり、魚や野菜、山菜、きのこ、川ガニなどの入った鍋に、練って固めた小麦粉を手でちぎって(ひっつまんで)作る岩手の伝統的な汁物。
(※2)きりせんしょ:
もち米の粉とうるち米の粉を混ぜて蒸し、しょうゆと砂糖で味付けした岩手の郷土料理で、節句や結婚式などのハレの日の食事。
2013年7月9日
昔ながらの味を伝えよう
岩手県沿岸地区に古くから伝わる小昼(こびり=朝食と昼食の間もしくは昼食と夕食の間にとる軽食)の「ひゅうず」。荒く刻んだクルミと黒糖を合わせ、小麦粉を熱湯で練った皮に餡を包み茹で上げたお菓子です。田舎の漁家や農家は早朝から遅くまで働くためか、小昼はまさにボリューム満点。
このお菓子、姿が火打ち石に似ていることから、「火打ち石」−「火打ち」−「ひうづ」−「ひゅーず」と名前が変化したものと言われています。おばあちゃんから子へ、子から孫へと伝えられる味なので、その家庭によって味や見た目は様々。しかし、最近では若いお母さん方は作らなくなっています。そこで、「ひゅうず作りをおばあちゃん先生に教わりたい」と、仮設住宅にお住まいの方から声があがりました。
さっそく私たちはおばあちゃんたちにお伺いしました。
そして、地域の方々の交流促進と、郷土料理を次の世代へ伝えることを目的に、地域のみなさんでのひゅうず作りが実現しました。参加者は、おばあちゃん先生を含む7名(うち男性1名)。みなさんエプロンと三角巾姿が素敵です。
まずは皮作りです。小麦粉に熱湯を注ぎ素早く混ぜ合わせる姿は熟練の職人そのものでした。皮の仕上がりの目安は「耳たぶ位の柔らかさ」がポイントです。「かせぎと(よく働く人)」の手は、おばあちゃんとはいえ若い方より大きく、とてもしっかりした手をしています。
餡のクルミと黒糖を刻むのが至難の業。額に汗をにじませ、刻む刻むつまむ刻む刻む・・・地域によっては、ここに黒ゴマや味噌を加えるひゅうずもあります。
できあがったひゅうずは160個を超え、仮設住宅のみなさんと学校を終えた子どもたちに配り、みんなでおいしくいただきました。クルミと黒糖の風味が絶妙で、おばあちゃん先生も、お母さん方も皆さん嬉しそうに頬張っていました。
これがひゅうずです。美味しそうでしょ?
2013年6月13日
山田町の仮設住宅団地で「がんばろう山田・カラオケ大会」が開かれました
6月9日、山田町の仮設団地で恒例の「がんばろう山田・カラオケ大会」が催されました。この団地では、月1回、この会が開催されています。
主催は、区長さんをはじめ有志の方々で、「自分たちでいろいろ考え、町を元気にすんのさ。」と話をして下さいました。
午後1時に始まり4時近くまで、歌って踊っての盛り上がりとなりました。特に、有志による「大漁うたいこみ」は、櫂を持ち、富来旗(ふらいき)(大漁旗)で作った半纏を羽織った踊りや、網おこしのパフォーマンスで構成されたオリジナリティに富んだもので盛大な拍手と歓声が上がりました。参加者からは「久し振りに大きな声で歌ったり踊ったりして、本当に楽しかった」「私はこれをいつも心待ちにしています」という声が聞かれました。
この会には、他地区の仮設住宅団地の方々も噂を聞きつけ、大勢見に来ていました。FIDRはカラオケ機材の貸し出しなどでこの会の開催に協力しています。このような団地の方々の活動が、復興を進める活力になるという思いをあらためて抱きました。
潟Gクシング様からご提供いただいているカラオケセットで熱唱する男性
櫂を持ち富来旗で作った半纏を羽織った踊りや復興丸に乗り込んで網おこしするオリジナリティに富んだ出し物
2013年5月24日
山田町仮設住宅集会室の整理整頓に「手作り」の棚
朝夕まだ寒い山田町。5月16日は朝からヤマセでどんよりしていました。
この日、ひとつの仮設住宅団地で、集会室の整理整頓が行われました。集会室には団地で使用するいろいろなものが置いてあります。最近、集会室を使用する回数が増えたことで、整理整頓をするための棚を取り付けて欲しいという声が、区長さんに寄せられました。
今までもFIDRは、仮設住宅団地の集会室等の風除室や棚などの設置を支援しています。今回も区長さんから「よろしくお願いします」と連絡がありました。
「木材などの材料だけをFIDRが提供し、あとは住民の皆さんに協働で製作してもらうことが条件ですよ」とお話しすると、「みんなぁ、あづめっから」ということでした。
班長さんがトンカントンカンと棚や本箱を作り、お母さんたちが集まって、室内の整理をしました。そして、新しくできた棚に物を上げたり、本箱に絵本等を整理しました。「みんなが集まってやれば片付くなぁ」「これで広くなるね」と皆さんがおっしゃっていました。
こうして皆さんが協力し、様々な課題を解決していき、コミュニティーの形成と活性化が進むことを願っています。
棚を取り付けるお父さん
荷物を載せた棚
新しく出来た本箱
2013年4月26日
山田町の仮設住宅の集会室に「手作り」の棚
日中は暖かいものの、まだまだ寒い日が続く山田町。4月21日には雪が降り、ときならぬ寒さに桜の花もびっくりしています。
2日後はその時とうってかわり、桜の花も満開になるほどの暖かさです。こんな日は仮設住宅の集会室に集まり「おじゃっこ(お茶を飲みながら、お喋りすること)」でもしたいところです。
でも、集会室には団地で使用するいろいろなものが置いてあり、催しをするには手狭なので、棚などを取り付けて欲しいという声が、寄せられていました。
今までもFIDRでは、仮設住宅団地集会室等への風除室、棚などの設置を支援しています。ただし、木材などの材料だけをFIDRが提供し、あとは住民の皆さんに協働で製作してもらうことが条件です。
住民の皆さんが、コミュニケーションを取りながら課題を解決していき、コミュニティーの形成と活性化に繋げていくことを目的としているためです。
4月23日に、ある仮設団地で「棚づくり」が行われました。区長さんを中心に、数人で大工作業を行いました。完成した棚は、素人が製作したものとは思えない出来栄えのものです。「これで広くなっつぉ!」「みんなで、かだづけっつぉ!」利用している皆さんも大喜びです。
皆さんが協力し合い、自らの力で仮設住宅での生活をより快適なものにしていこうと環境を整えながら、コミュニティーづくりが進むことを願っています。
コンパネを切断
棚を取り付け中
棚に整理整頓
集会所の内部
2013年1月10日
FIDR×日体大〜正月飾りづくり&日体大名物“エッサッサ”で山田町が元気になる!
一昨年に続き、2012年12月26日〜28日の3日間、FIDRスタッフ(10名)と日本体育大学の有志の皆さん(教員3名、学生28名)で山田町の仮設住宅団地を訪問し、入居者の皆さんと正月飾り作りを行い、合わせて大掃除のお手伝いや肩もみなどをしました。
簡単な作りとはいえ、正月飾り作りに参加された方々にとって、制作途中で出てくるちょっとした戸惑いは付き物のよう。そんなときも日体大生の細かいサポートを受け、安心して作業を進めていました。「(折り紙が)上手に折れたね」「あら、その組み合わせきれいじゃない」など、お互いの作品に目を配りながら楽しんで制作していました。
正月の飾り作りの様子
冷たい冷気に体をこわばらせながらも掃除に励む学生には、たくさんの感謝の言葉がかけられていました。興味深いのは、前回から2度目の参加となる学生は、去年お手伝いで伺ったご家庭に、まさかの2度目の訪問、感動の再会! という場面があったことです。たった数十分のお手伝いが、双方にとって1年間忘れられないご縁になっていたようです。
作業終了後には、参加者からお菓子の差し入れやイカの塩辛、ワカメの油炒めといった山田の「家庭の味」をお裾分けいただくなど、お邪魔した先々で温かく受け入れていただきました。
手分けして掃除する様子
肩車をしながら汚れを拭き取る学生も
日体大生は、作業中ばかりでなく休憩時間までとにかく元気いっぱい。彼らはその溢れるエネルギーと、「自分たちにも何かできることがないか」という静かで熱い思いを併せ持って被災地に来ていました。
時には雪がちらつく中、仮設住宅団地3か所と山田町役場前で披露した、日体大の伝統応援スタイル「エッサッサ」。通称「エッサパンツ」1枚で、全力でエールを贈るその姿に、観覧された方々の中には涙ぐむ方もいました。演技が終わると惜しみない拍手とともに、口々に「感動したよ」「気持ちが明るくなった」と感想や感謝の声が聞こえてきました。学生たちの熱い思いは確実に届いたようです。
しかしそれ以上に、学生たちもFIDRも山田町の皆さんからたくさんの温かい気持ちに触れ、こちらの方が感謝したい気持ちになりました。短い期間でしたが、それぞれに元気をわけ合い、感謝し合う。忘れられない大切な3日間となりました。
駐車場で披露したエッサッサ。凍りつくような東北の冷気の中、足の裏を突き刺すような大きめの砂利にもめげることなく演技する学生たち
※エッサッサ:日本体育大学で、伝統的に行われている男子学生による応援スタイル。一般的に、上半身裸、裸足(今回は屋外で行う)。肉体美、精神の美(雄叫び等)、集団の集合離散の美を追求する。
2012年11月28日
株式会社エクシングの方々が仮設住宅団地に来られました
11月19日、山田町の猿神仮設住宅団地で恒例の「カラオケを楽しむ会」が催されました。当団地では、月2回、この会が開催されています。そして、今回は、今年3月からこのカラオケ機器を無償で貸与していただいている(株)エクシングの方々がお見えになり、機器の活用状況を確認されるとともに、FIDRや住民からの声をお聞きになりました。
午後1時に始まった会は午後4時まで、途切れることなく、誰かが歌い、途中から皆さん気分はノリノリ、踊りも始まり、大いに楽しまれていました。80歳を過ぎたおばあさんは、「私はこれをいつも心待ちにしています。」「歌って癒されています。」と感謝されました。
エクシング社の渡辺様は「皆さんに喜んでいただけ、大変うれしい」と、カラオケが果たす役割とその効果を実感された様子でした。最後は、無理強いされて1曲歌うことに・・・。そして、皆さんは、いい気分で踊っておられました。
今後も引き続き、無償で貸与してくださるとのことで、FIDRとしても十分に役立てていきたいと考えています。
(株)エクシング様提供の機器で、カラオケを楽しむ仮設住宅の方々
無理強いで1曲歌うことになった渡辺様。
みなさんいい気分で踊っておられました。
2012年11月15日
「関谷担い手仮設住宅団地」が自治会設立1周年を迎えました
FIDRは昨年10月に、山田町の関谷担い手仮設住宅団地で住民の顔合わせ懇談会を開催し、行政区長と班長の選出を支援しました。同年11月には自治会が設立され、それ以降、様々な活動を通して自治会活動のお手伝いをしてきました。
そして先日11月13日に「創立1周年記念祝賀会」が開催されました。佐藤信逸町長、役場職員が来賓としてご招待され、同席したFIDRスタッフも祝辞も述べさせていただきました。
自治会長からは、「FIDRが開催してくれた顔合わせ懇談会がきっかけで、自治会を設立することができ、また無事に1周年を迎えることができました。ありがとうございました。」と、感謝の言葉をいただきました。
祝辞を述べるFIDR薄木
写真奥:左からFIDR薄木、松崎役場職員、佐藤町長、川端自治会長
この自治会では、自らの力で仮設住宅での生活をより快適なものにしていこうと、「防災防犯部」、「環境衛生部」、「文化娯楽部」という部門を自治会内に設け、住民が役割を分担し、住民が自治会を支える体制ができています。また「散歩しながらパトロール」や、黄色い旗を使ってのお年寄りの見回り活動など、ユニークで自主的な活動を積極的に行っています。
この自治会の活動を見るたびに、住民同士の「助け合いの精神」と「主体的な意識」が大きな力となり、コミュニティーの基盤を支え、人々の生活を豊かに変えていくんだと実感します。
当日はカラオケや踊りを楽しみました
2012年5月15日
山田町の仮設住宅団地でお花見会が開かれました
桜前線真っ只中のゴールデンウィークの東北、山田町。暖かい陽気の中、仮設住宅団地でお花見会が開かれました。
住民の皆さんが食材を持ち寄ってバーベキューを行い、色鮮やかな満開の桜とこいのぼりを眺めながら、昨年は震災により行えなかったお花見を、存分に楽しんでいるようでした。お酒も入り、皆さん歌って踊っての大盛り上がりとなりました。特に女性たちやご夫婦の踊りには大きな笑いと歓声がおきました。参加者からは「久し振りに大きな声で歌ったり踊ったりして、本当に楽しかった」という声が聞かれました。
仮設住宅の前で
この会を盛り上げるため、FIDRからはカラオケセットを用意しました。
なお、このカラオケセットは、(株)エクシング様から、被災地支援のためにFIDRへ無償で貸与していただいているものです。
(株)エクシングにご提供いただいているカラオケセット
歌って踊って大盛り上がりの一日でした
2012年5月8日
うつみ宮土理さん&加藤登紀子さん トーク&ライブ@山田町
5月3日の午後、FIDR及び山田町社会福祉協議会主催により、歌手でタレントのうつみ宮土理さんとシンガーソングライターの加藤登紀子さんが山田町中央公民館にて、トーク&ライブショーを開催しました。
当日は、あいにくの雨にもかかわらず、約500名 の方々がご来場くださいました。「とても楽しみ」と開場時刻より3時間も前から来てくださった方もいらっしゃいました。
開場の待ち時間。
「仮設住宅には慣れたけども、家も何もかも流されて不安ばっかでな。時々こうやって楽しい話聞いて笑うと元気がでるんです」
ステージでは、うつみさんの美空ひばりメドレー、加藤さんのヒット曲「百万本のバラ」などの合間に、お二方の軽快で愉快なトークもくり広げられ、会場は笑い声と手拍子に包まれました。加藤さんが震災直後につくった「今どこにいますか」の歌には、「泣きたければ泣けばいい」などの言葉がスクリーンに写され、辛かったこれまでを癒される思いに涙する方もいらっしゃいました。
最後に、お二人の被災地を励ましたいという想いから生まれた応援ソング「青いこいのぼりと白いカーネーション」(作詞作曲:加藤さん、歌:うつみさん)を、会場の方々と一緒に歌って、1時間半のショーはあっという間に幕を閉じました。
来場者の方々は、「良かった」「感動しました」と口々に感想を言いながら会場をあとにしていました。お二方の歌声と来場者の方々の笑顔は、FIDR職員の励みにもなりました。
今後も、皆さんの笑顔を繋げていけるよう、被災地の方々に寄り添いながら様々な活動に力を注いでいきます。
加藤登紀子さん(左)とうつみ宮土理さん
トークで会場は終始笑いが溢れていました
来場者の方々と握手をするうつみさん
開場は大盛り上がり
青いこいのぼりと白いカーネーション」を皆で大合唱
2012年4月5日
山田町の仮設住宅の談話室に「手作り」の風除室
まだ寒い日が続く山田町。4月に入っても雪が仮設住宅に吹きつける日もあります。仮設住宅団地の談話室には風除室がありません。そのため雨の日には、ドアを開けるたびに室内が水浸しになり、風がある日にはドアを開けるのも一苦労です。これからの梅雨に備えて談話室に風除室を取り付けて欲しいという住民の声が、行政へ多く寄せられていましたが、対応の実現は難しいようです。
そこでFIDRは、希望する全ての仮設住宅団地の風除室の設置を支援することにしました。ただし、大工さんに依頼するのではなく、木材などの材料だけをFIDRが提供し、あとは住民の皆さんに協働で製作してもらうことにしました。住民の皆さんが、コミュニケーションを取り合いながら課題を解決していき、コミュニティーの形成と活性化に繋げていくことを目的としているためです。
4月1日に、ある仮設住宅団地で「日曜大工」が行われました。朝から20人以上ものお父さんたちが集まり、「ああでもない、こうでもない」と金づちやノコギリを片手に、自治会長が作ったお手製の設計図とにらめっこ。大工作業が未経験のお父さんたちが慣れない手つきながらも、経験者からアドバイスを受けてトンカントンカンといい音を響かせていました。
風除室だけでなく、下駄箱やスノコ、室内に棚も作りました。
少々腕に覚えのあるお父さんは、「棟梁さん、親方さん」と呼ばれて、「俺は棟梁でも親方でもねぇだよ」
と返す場面も。冗談と笑いが絶えませんでした。
夕方からは完成祝いと、お父さんたちへの労いの意味も込めて、お母さんたちが料理や飲み物を持ち寄って、懇親会が談話室で開かれました。FIDRが無料で貸し出しをしているカラオケセットを前に、皆さん歌って踊って大いに盛り上がりました。
本職の大工さん曰く、完成度は非常に高く、プロに頼めば今回の費用の10倍もの費用がかかるということでした。住民の皆さんが力を合わせて気持ちを込めて作ったこの風除室は、既成品の10倍ならぬ100倍の価値になったことでしょう。
他の仮設住宅団地でも、住民の皆さんが協力し合って住みやすい環境を整えながら、繋がりの強いコミュニティーづくりが進むことを願っています。
予想以上の完成度にお母さんたちは驚き、
お父さんたちは満足気で得意気でした
打ち上げでは、カラオケで大盛り上がり
2012年3月9日
「うつみ宮土理 復興応援トークライブ」が山田町で開催されました
3月1日と2日、歌手でタレントのうつみ宮土理さんが山田町を訪れ、「うつみ宮土理復興応援トークライブ」が開催されました。被災地の方々が楽しいひと時を過ごし、それが励みになることを期待して、FIDRはこのイベントの企画から開催にいたるまで協力しました。
今回のライブは仮設住宅の集会場や漁村センターなど、4つの会場で開催されました。仮設住宅や近所に住むたくさんの方々に来ていただき、どの会場も入りきれなくなるほどの大盛況。多い会場では100人を超える来場者がありました。
うつみ宮土理さんが「あらっお父さん、昔は男前だったでしょう」などとテンポよく聴衆の皆さんに話を振るたびに、会場は笑いに包まれました。
大盛り上がりの会場内の様子
うつみさんはライブの最後に「青いこいのぼりと白いカーネーション」を歌ってくださいました。この曲は、毎日小学生新聞の「震災日記」に掲載された、山田町立大沢小学校の子どもたちの日記を読み感銘を受けたうつみ宮土理さんと、ご親友でシンガー・ソングライターの加藤登紀子さんの熱意で生まれました。「被災地の子どもたちを励ましたい。この震災を風化させないよう歌い継いでいき、東日本の空を青いこいのぼりで埋め尽くしたい」というお二人の想いが、この曲に込められています。来場者の皆さんも、歌詞カードの詞をじっと目で追っていました。
「二人分 三人分 僕は生きてる」
涙されている方も多くいらっしゃいました。
この曲が歌い継がれ、被災地の方々の励みとなることをFIDRは願っています。
※「青いこいのぼりと白いカーネーション」(試聴できます)
この曲は4月18日にリリースされ、収益の一部は東日本大震災で親を亡くした子どもたちの教育費に充てられるということです。
記念撮影
2012年2月24日
山田町で第一回応急仮設住宅代表者会議が開催されました
仮設住宅団地の自治会立ち上げをFIDRが後押ししている山田町で2月22日(水)、46ヶ所の応急仮設住宅団地の代表者が集まり、「第一回応急仮設住宅代表者会議」が開催されました。
この会議は仮設住宅団地とその周辺地域の自治会形成の促進やコミュニティー強化が主な目的です。町役場からは復興推進課、企画財政課、国保介護課、建設課、農林課といった被災地の町民の暮らしに密接にかかわる部署が揃って出席しました。
町外の組織で唯一参加を求められたFIDRは、担当スタッフ2名が出席しました。
会議では、行政による自治会支援の企画の説明がなされました。続いて、FIDRが協力していち早く自治会を立ち上げることができた「関谷担い手仮設団地」の住民自治会の代表が、自治会発足の経緯とさまざまな活動について発表しました。 この自治会の活動はすでにテレビや新聞で取り上げられ、有名になってきているのですが、防犯パトロールや防災避難訓練、様々な住民交流イベントなどの実施の話を改めて聞き、他の出席者は大いに刺激を受けて、活発な意見交換をしました。
FIDRからは、住民交流促進のためのイベント活動や自治会の形成を引き続き支援していくことを説明しました。
震災から1年を経る前にこの会議を開催できたことで、コミュニティーの再形成と強化をさらに前進させていく上で大きな弾みをつけました。この会議を通して、行政と仮設住宅の住民との関係も深まってきました。関谷担い手仮設団地に続いて他のコミュニティーでも、活気ある自治会活動が繰り広げられるよう、FIDRは今後とも行政と協働し、各仮設住宅団地や自治会の代表者とともに山田町の復興へ向けた歩みを進めてまいります。
代表者会議で説明するFIDRスタッフ
2012年2月10日
大槌町の仮設住宅にて、自治会規約の作成をお手伝いしました
1月に行われた「応急仮設住宅代表者会議※」で、FIDRが代表者選出を支援したある仮設住宅団地の代表者の方から、「自治会を設立したいのだが、自治会規約の作り方が分からない。手伝ってもらえないか」という相談を受けました。
FIDRは、代表者の方々とともに、仮設住宅における生活状況についての聞き取りを行いました。そして、今後どのような地域を目指したいか、そのためには住民の人々にどのような役割を定めるかなどを、協議を重ねながら文章にしていく作業をお手伝いしました。規約には、会費やその自治会内での規定などが書かれています。問題が起きた時に、その規約に沿って、団地のコミュニティーで対処していけることが期待されます。
2月5日にはこの仮設住宅団地の自治会設立総会が行われ、FIDRスタッフも招待されました。総会では、自治会規約内での会費や規則などの説明と最終的な確認を行いました。仮設住宅団地内のゴミ出しや雪かきなど、現在起きている課題等についても話し合われました。最後には自治会長に就任した代表者から、FIDRの自治会設立から規約作成までのサポートに対して感謝のお言葉をいただきました。
大槌町では、毎月行われる「応急仮設住宅代表者会議」で、各仮設住宅団地の代表者同士が意見交換を行うことでお互いに刺激を受け、少しずつ自治会が立ち上がってきています。仮設住宅の皆さんが、自分たちの力で課題解決に取り組んでいくことができるよう、FIDRはその第一歩をしっかり支えていきます。
※大槌町では、37ヶ所ある仮設住宅団地の代表が集まり、各団地からの意見や要望について行政と協議する「応急仮設住宅代表者会議」が毎月開催されています。FIDRは唯一のNGO代表としてこの会議に参加しています。
自治会設立総会の様子。完成した規約の各項目を確認しています。
2012年2月9日
津波により被害を受けた宮古市の自治会を支援しました
津波による大きな被害を受けた宮古市沿岸部では、公民館や町内会館などの公共施設も例外なく被害を受けました。震災前は、お祭りや定例会の開催など、地域の活性化のために活発に活動していた自治会も、集まる場所とその機能を失ってしまいました。
宮古市の光岸地、大沢、下町の3地区には、自宅を修繕して自力で生活を立て直そうとしている在宅被災者が多くいらっしゃいます。
この3地区の自治会の復活と地域の復興を住民の皆さんが願っています。その拠点となる3か所の公民館は行政からの補助金などで建物の修復は完了しました。備品のテレビや冷蔵庫などの電化製品、机や椅子などの道具類は、津波をかぶり使用不能となりました。これらは自治会で新たに購入するしかありませんでしたが、多くの出費を余儀なくされている被災者の方々にとって、さらなる負担は難しい要求でした。
下町公民館で被災状況と必要な物品等の聞き取りを行うFIDRスタッフ
市役所を通じて支援の要請を受けたFIDRは、これらの品を3か所の公民館に提供しました。今回支援した各自治会の会長からは、感謝のお言葉をいただきました。
FIDRが支援した物品
また、FIDRが保育所の仮設園舎設置を支援した津軽石地区の下町自治会からは、鮭祭りなどのイベントで使用する前掛けをいただきました。震災に負けず、以前にも増して自治会活動が活発になり、宮古市全体が活性化することを切に願います。
下町の自治からいただいた前掛け(FIDR薄木職員)
2012年2月8日
山田町の仮設住宅で「節分豆まき大会」と「新年会」が行われました
「鬼はそと!福はうち!」
2月4日、山田町の仮設住宅団地に、子どもたちの元気な声が響きました。自治会主催の「節分豆まき大会」です。子どもからお年寄りまで多くの方が参加しました。子どもたちが町の復興を願い、厄と災いを町から追い出す気持ちで豆をまきました。
その後に“昔の子どもたち”であるお年寄りたちが豆(福)を一生懸命に拾い集めていたのですが、その真剣な姿に皆大笑い。この仮設住宅団地では世代を超えて住民の輪ができてきました。厳しい状況の中にありながらも確実に福を呼び寄せているようでした。
この日の夜に開催された新年会には、FIDRスタッフも山田町交番所長とともに、特別ゲストとしてご招待いただきました。
FIDRは昨年10月から、この仮設住宅団地で住民の顔合わせ懇談会を開催し、行政区長と班長の選出の支援をしてきました。同年11月には自治会設立を記念するバーベキューパーティー、12月にはクリスマス会など、様々な活動を通して自治会のお手伝いをしてきました。
自治会長をはじめ住民の皆さんからは、「FIDRが後押ししてくれたおかげでなんとか自治会を設立することができました。本当にありがとうございました」と感謝の言葉をいただきました。「11月のバーベキューパーティーをきっかけに、住民同士が打ち解け合えるようになりました」という嬉しいお話を聞くこともできました。新年会も互いにお酒を酌み交わし、笑いの絶えない楽しい宴となりました。
この自治会に続いて、他の仮設住宅団地でも自治会が設立されていくよう、FIDRは今後も協力していきます。
※この度の「節分豆まき大会」で、FIDRはお菓子やジュースを提供することで協力しました。
豆まきの様子:子どもからお年寄りまでたくさんの方が参加していました
新年会の様子:おいしい料理で会話も弾みます
2012年1月11日
「ハタチの木」〜新成人の門出を記念して〜
晴天に恵まれた1月8日、岩手県山田町で震災後初めての成人式が行われました。同町の新成人約160名は、特別な想いを抱いてこの日を迎えたことでしょう。
津波でかけがえのない多くのものを失った山田町。山田町役場や成人式実行委員会と協議を重ねたFIDRは、自分たちの故郷をこれから背負っていくことになる新成人の皆さんの門出を記念するため、桜の木(オオヤマザクラ)の植樹と説明板の設置を支援しました。
式典の後、会場となった中央公民館の前で植樹式が行われました。皆さん、成人となる志と故郷への想いを込めて、桜の木をしっかりと大地に植えました。
桜の木を植える新成人の皆さん
説明板「ハタチの木」
桜の木の傍に立てられた説明板「ハタチの木」には、こう書かれています。
『この木がこれからの山田町の復興・発展、また、山田町出身の成人した者の象徴となり、山田町の将来を背負っていく私達の成長と共に大きく成長して、山田を見守っていく存在になれればと思います。』
この説明板は、山田町で「ヤマダ看板」を営む小林隆さんのご協力で作られました。小林さんは職場も自宅も津波で流されたにも関わらず、山田町の新成人のためにと製作依頼を快諾され、正月休みを返上して完成させてくださいました。
オオヤマザクラは寒さや風にも強く、水が少ないところでも耐えられる生命力のある桜です。今年の春には美しい花を咲かせます。新成人の皆さんもこのオオヤマザクラのようにこれからたくましく世間に羽ばたき、山田町の復興の花を咲かせてくれることでしょう。
2012年1月10日
FIDR×日体大 お手伝い&エッサッサを通じて山田町を元気に
12月26日〜29日の4日間、FIDRスタッフ12名は、ボランティアで協力してくださる日本体育大学の教授3氏と学生27名とともに、山田町の全仮設住宅(1,940戸)を訪問しました。
各戸に年越しそばを配り、一人暮らしや高齢者の方にお手伝いの希望をお伺いしました。
ご希望に応え、話し相手、大掃除、家具の組み立てからネイルケアまで、できる限りのお手伝いをしました。
そして、仮設住宅団地3ヶ所と山田町役場前では、日体大の学生の皆さんによる同大学名物「エッサッサ(※)」も披露されました。
「エ〜ッサ〜ッサ〜!」
突き刺さるような寒さの中、上半身裸で逞しく掛け合う日体大生の姿を見て、地域の方々は、「元気をもらった」とおっしゃっていました。
被災地の皆さんが気持ち新たに2012年を迎えるための力に少しでもなれたならばFIDRスタッフ、日体大生共にとてもうれしく思います。
※「エッサッサ」とは
日本体育大学で、伝統的に行われている男子学生による応援スタイル。一般的に、上半身裸、裸足(今回は屋外で行う)。肉体美、精神の美(雄叫び等)、集団の集合離散の美を追求する。
2012年1月5日
FIDRは大槌町の「応急仮設住宅代表者会議」に出席している唯一のNGOです
岩手県大槌町では、37ヶ所ある仮設住宅団地の代表が集まり、各団地からの意見や要望について行政と協議する「応急仮設住宅代表者会議」が毎月開催されています。各仮設団地の代表がそれぞれの団地の班長会議や住民会議で挙げられた意見や提案を取りまとめ、この会議の場に持ち寄り、行政や他の団地の代表と議論します。
行政と連携して住民の顔合わせ懇談会を行い、団地の代表と班長の選出の後押しをしてきたFIDRは行政からの要請を受け、この会議に毎月出席している唯一のNGOです。
代表や班長が決まるまでは、住民が個別に行政に要望を伝えていたため、訴える力が弱く、また行政側もそうした要望に個別に対応するのが難しかったため、問題が改善されにくい状態でした。この会議は双方にとって確実に問題を改善していくための、非常に有意義な場となっています。
岩手県大槌町で行われている「応急仮設住宅代表者会議」の様子
11月1日からは大槌町は復興局を設け、その下にある被災者支援室は、被災者からの要望を一元的に受ける窓口となっており、応急仮設住宅代表者会議でも行政側の代表となっています。そして12月には、町内を4つの地域にわけ、この会議を地域ごとに異なる日程で開催するようになりました。これにより、さらに、より深く活発な話し合いが行われています。
FIDRは引き続き行政と連携し、また、この会議を通じて、仮設住宅団地における生活環境の改善や各団地の自治会組織の形成や活動のお手伝いをしていきます。
2011年11月25日
山田町で仮設住宅団地自治会が立ち上がってきています
FIDRは、岩手県山田町の仮設住宅団地の自治会の形成をお手伝いするために、行政や民生委員、生活相談員と連携して住民の顔合わせ懇談会を行い、行政区長(*1)と班長(*2)を選出するための後押しをしてきました。これまでに45ヶ所のすべての仮設住宅団地で行政区長と班長が決まりました。10月上旬からは、自治会の形成に繋げていくための話し合いや住民交流を促すイベントの開催などに協力してきました。
そのうちのひとつの仮設住宅団地では、行政区長の熱心な働きかけで、仮設住宅で起きている課題を住民どうしで話し合って解決し、今後の生活を自分たちの手で良くしていこうという気運が一気に高まり、11月13日には「自治会設立大会」の開催となりました。 まず行われた自治会長と役員の選出では、行政区長と班長が就任することに満場一致で決まりました。その後、盛岡からボランティアで来たナツメロ合唱団の皆さんと一緒に「上を向いて歩こう」や「ふるさと」を大合唱。住民全員の想いがひとつになりました。
ナツメロ合唱団の皆さんが懐かしい歌を披露してくださいました
お昼からは自治会設立を記念してのバーベキューパーティーとなりました。バーベキューの道具はFIDRが貸し出しましたが、食材はすべて住民がお金を出し合い用意しました。飲み物やゲームの景品などを持ち寄る方や、アイスクリームや自慢の漬物を差し入れる方もあり、 「自分たちのパーティー」という雰囲気いっぱいで、大いに盛り上がりました。
バーベキューパーティーの様子
この自治会では、自らの力で仮設住宅での生活をより快適なものにしていこうと「防災防犯部」「環境衛生部」「文化娯楽部」という部門を自治会内に設け、住民が役割を分担することになりました。
この自治会に続いて、他の仮設住宅団地でも自治会が設立されていくよう、FIDRは今後もお手伝いをしていきます。
*1 行政区長:仮設住宅団地と行政とをつなぐパイプ役。
*2 班長:仮設住宅1棟〜数棟ごとのまとめ役。数カ月での交代制。
2011年10月25日
岩手県大槌町で自治会の形成を支援
「こうしてご近所同士が集まるこどはながったなあ」
と皆さんおっしゃいます。
岩手県大槌町では仮設住宅での暮らしが始まってから2カ月ほどが経ちましたが、ご近所の関係作りがなかなか進まないところもあるようです。震災以前には異なる地区に住んでいた方々が集まった仮設住宅の地区では、住民の皆さんはお互いに交流する機会はまだあまりありません。
大槌町役場の「応急仮設住宅特別プロジェクトチーム」にNGO代表として参加しているFIDRは、仮設住宅に入居されている方の懇談会を開催しています。
お茶やお菓子を囲んで、まずは自己紹介。今、どの棟のどの部屋に入っているのか、かつてどこに暮らしていたのかを語ります。
「おや、あの角の店の息子さんけえ」「漁協の○○さんどこの奥さんじゃね」
こんな言葉が交わされ、初対面ながらも、どこのだれかということに一同が得心する例が少なくありません。大槌に暮らしを営んできた方々の地縁の豊かさがそこにあります。
次第に今住んでいる仮設住宅にまつわる困りごとに自然と話題が移ります。「仮設住宅の周りは外灯が少なく、夜は暗くて怖い」「軒端が物干しの真上にあるため、屋根にたまった水が落ちてくると洗濯物がびしょぬれになる」「坂が急で道も狭いので、これから雪が降ると事故が起こりそうだ」
さまざまな課題が出てくると、その解決のために、住民の意見をまとめて、行政への要望として伝えなければならないということがはっきりしてきます。
そこで、仮設住宅の棟ごとの班長や、地区の代表者(自治会長)を決めることになります。どのように選出するか、任期はどうするかなどは全て住民の方々の考えに委ねます。同席しているFIDRや役場のスタッフは、場の雰囲気を和ませた後は、必要に応じて説明をするにとどめ、話し合いを無理に引っ張っていくことはしません。この姿勢は、FIDRが海外で実践している地域開発のアプローチと通底します。
仮設住宅に入居されている方々の話に耳を傾けるFIDR職員
たいていの場合、班長や代表者は速やかに決まっていきます。そのリーダーを、住民みんなで支えていこうという機運も芽生えてきます。さらには、いくつかの課題については、住民の手で解決する糸口も見えてくることがあります。
10月20日午後7時。「応急仮設住宅代表者会議」が大槌町中央公民館で開催されました。各仮設住宅から寄せられた要望に対する役場の対応の説明に、40人ほどの代表者の方々は熱心に耳を傾けていました。仮設住宅のコミュニティーづくりには、まずは住民間のコミュニケーションを自分たちの力で活発にすることが大事だ、と語る代表者もありました。
まもなく長い冬を迎える被災地。様々な困難が待ち受けているとしても、ご近所どうしの支え合いの絆が強まればきっと乗り越えられるはずです。FIDRはそこに寄り添い、住民自治を確かなものにするお手伝いを続けていきたいと思っています。
2011年9月29日
コミュニティー再生のために
「家族を失い、仕事を失い、自宅を失った方々が数年間を過ごす仮設住宅。一人暮らしの高齢の方も少なくありません。
阪神淡路大震災の仮設住宅では、孤独死を迎えた入居者が相次いだことがニュースで報じられました。入居されている方々のさまざまな不安や辛苦を軽減することが重要な課題です。 。
そこで大切なのがご近所さんどうしの支え合いの絆です。 岩手県山田町の仮設住宅は抽選で入居先が決まったため、かつて近くに暮らしていた親類や知人とも離ればなれになってしまいました。ご近所との関係を一から築いていかなければなりません。しかし、これは存外、時間がかかるものです。
FIDRは町役場や民生委員と手を携え、町内各地の仮設住宅にお住まいの方の顔合わせ座談会を主催しています。
集会所でお茶を飲みながら隣近所の方とざっくばらんに話をして打ち解ける場を用意し、そこから仮設住宅各棟の班長を決め、自治会形成に繋がるように後押ししています。
いずれの会でも、その場の参加者が共に笑い、共に涙する光景があります。
「近くに住んでいながらなかなか集まることができなかったので、今回、こうしてお互いの顔を見ることができたのはとてもよかった」「ひとりで暮らしているので、ひきこもりがちになってしまう。これからはご近所の皆さんと話をしたり、一緒に手芸をしたりしたい」
「これまでしばらくほとんど笑ったことがなかったけれど、こうして取り留めのない話をするだけでも気分が晴れた」
「今でも、かつての家の跡に行って、草取りをしてしまう。それが必要のないことだと分かっていても、天国に行った夫が悲しむ気がするので、つい足が向いてしまう」
ご近所さんどうしが心を通わせ力を合わせるコミュニティーが再び生まれてきました。