
5月1日、岩手県大槌町において、FIDRが支援させていただいた「新おおつち漁業協同組合(以下「新漁協」)」所有の定置網漁船「第一久美愛丸」が今年の初水揚げを行いました。
朝5時20分、定置網漁船から連絡が入ると、水揚げを待つ魚市場では準備に追われました。帰港した船の船倉にはタラやマスがひしめきあっていて、銀輪を光らせながら次々と水揚げされ、漁師さん総出で選別作業に取り掛かりました。
新漁協で漁を指揮する大謀(だいぼう)の小石さんは以下のように仰っていました。
「初回の水揚げにしては良い方だ。マスの漁獲は5月いっぱい、タラは6月に入るまで続く。7月からは三か所での定置網漁が行えるので、今後水揚げ量が増えていくのを期待している。昨年のように秋サケ漁につながってほしい。」
また、初水揚げを見に来られていた下村新漁協前組合長は以下のように喜んでいました。
「7月から3か所の定置網を起こすことになる。そこからが本格的な定置網漁。昨年度程度の水揚げを期待したい。今までのFIDRの支援に感謝します。」
その他漁業関係者からも「昨年みたいに水揚げが伸びていってほしい。」など、水産業の主力である定置網漁に期待する声が聞かれました。初水揚げは、関係者にとって今後の水揚げ量を期待させる特別な瞬間となっているようです。
定置網漁の大漁とともに、大槌町の復興が一層進むことに期待しています。
4月24日、岩手県大槌町内の安渡漁港において、「JF新おおつち作業保管施設等竣工式」が執り行われました。
大槌町では、震災により養殖業者が陸上で使用する多くの施設が失われました。2013年2月、FIDRは養殖業の早期再開のため、養殖業者が水産物を加工し、資機材を保管する作業保管施設に代わる応急の仮設テントを支援しました。その後、嵩上げなど漁港の整備が整ったことから、2015年2月までに吉里吉里、赤浜、安渡の3地区の漁港にそれぞれ1棟、計3棟の作業保管施設が完成しました。FIDRは建設にかかる費用の一部を支援しています。
式典では、作業保管施設のほか、漁船上架巻揚施設、カキ浄化施設など全9施設の完成を祝うもので、碇川豊大槌町長や阿部力新おおつち漁業協同組合長など町や漁業関係者が出席され、FIDRからは、事務局長の岡田逸朗が出席しました。FIDRには養殖業者のための作業保管施設への支援に対し感謝状が手渡されました。
碇川町長からは、「漁業を営む上でなくてはならない施設が完成し、漁業振興の第一歩を踏み出したことに感謝申し上げます。現在、行政側でも水産関係企業の誘致を進めています。行政と漁業者が手を取り合い、町の水産業振興に努めてまいります」と挨拶されました。
阿部組合長は「養殖業者が待ち望んだ施設が完成しました。作業環境が大きく改善され、浜の活気が戻ってくる原動力になります。支えてくださった皆様の期待に応えられるよう、漁業の復興、活性化に努め、大槌町の基幹産業である漁業の安定化に貢献します」と抱負を述べられました。
この作業保管施設が大槌町の養殖業の早期回復に大きく寄与することが期待されています。
水産業が盛んな岩手県大槌町。震災により養殖施設は壊滅的な被害を受けたため、震災前100人以上もいた大槌町の養殖業者は現在40人程に減少しています。その大槌町の吉里吉里地区、赤浜地区に養殖業者のための作業保管施設が完成いたしました。
震災直後、養殖漁業者は養殖を再開したくても作業施設がない等の理由により水揚げを再開することができませんでした。そのためFIDRは、2013年2月に加工作業に必要なテント(計15張)を支援し、昨年から大槌町の3地区の漁港で進められていた作業保管施設に関しても建設費用の一部を支援させていただいていました。
テントの中での作業は、雨や強風の時にはテントの移動や補強が必要になったり、厳寒の冬の時期は大変過酷なものがありました。そのため町の養殖業者は作業保管施設の完成を大変心待ちにしていました。
作業保管施設の完成について、阿部新おおつち漁業協同組合長は以下のように仰っていました。
「養殖漁業復興の足掛かりとなる施設の完成を心待ちにしていたので大変感謝しています。施設が完成すると次のステップに進むことになる。少しずつではあるが、形が見えてくれば復興しているのを感じてくる。未だ完成していない安渡地区の作業保管施設も早く完成してほしい。」
また、養殖漁業者からは以下のような喜びの声が寄せられていました。
「本設の施設なので台風にも強く、安全に作業ができる。」「水揚したらすぐに洗浄から加工処理、出荷までスムーズにできるようになり、衛生面も強化できる。」
大槌町の養殖漁業の中心である、ワカメ、カキ、ホタテの水揚量は現在徐々に回復する傾向にあります。今回建設した作業保管施設によって、大槌町の基幹産業である水産業の復興が一層進むことを期待しています。
FIDRでは、公共交通への支援として大槌町へバス停の標識を寄贈しました。そして7月中旬、大槌町内の約30か所への標識の設置作業が行われました。
7月中旬、FIDRが大槌町へ、公共交通への支援として寄贈したバス停の標識が、町内の約30か所で設置されました。
デザインは、今年の5月に寄贈させていただいた「おおちゃんバス」と同様、大槌町のキャラクターである「おおちゃん」が前面に書かれ、可愛らしいデザインになっています。
また、新しい標識は文字も大きく、以前と比べて大変見やすくなりました。
震災後 内陸方面に多くの仮設住宅が建てられた事により、既存のバス停では対応しきれない箇所もでてきていました。そのため今まではしっかりした乗降場所がなかった地域もあったのですが、新しく標識を設置することで、仮設住宅周辺の乗降場所をはっきりさせることができました。
現在復興中の大槌町では、町の中心部だとしても建物がまだまだ少ないため、夜はとても暗く感じます。特に冬場では夕方4時を過ぎると日が沈み、辺りは暗くなり始めます。そのため、特に周辺に何もない停留所ではソーラーライトも設置されました。
この支援によって大槌町が生活しやすい環境になり、復興への歩みが一層進むことを願っています。
5月7日朝4時。鯉のぼりの季節とはいえまだまだ肌寒さが残る岩手県大槌町の赤浜地区漁港から、2艘の定置網漁船が出港しました。今年もまた定置網漁のシーズンが始まります。
FIDRは一昨年から新おおつち漁業協同組合へ、定置網、定置網漁船(第一久美愛丸)などの漁業支援をさせていただいております。
船は20分程度で沖野島漁場に到着し、すぐ網起こしの準備が始まりました。それぞれの持ち場についたら小石大謀の合図とともに網をたぐり寄せます。網の中の魚が見えてきたら、最後は網を絞りクレーンを使って魚を船内に取り込みました。
海上での作業は1時間程度で終了。港に戻り、漁師さん総出で選別作業に取り掛かりました。本日の水揚げは、タラ1.8t、まます82.2sなど合計1.88t。大謀の小石さんは以下のように述べられていました。
「初回の水揚げにしては良い方だ。FIDRさんの支援のおかげで今年はシーズン開始から準備が出来次第三か所での定置網漁が行えるので、今後水揚げ量が増えていくのを期待している。2名の見習い漁師も新しく入り、成長していくのが楽しみだ。」
今年も第一久美愛丸が地域の復興の力となることを願っています。
平成26年5月1日、FIDRが大槌町へ寄贈した町民バスが、いよいよ運行を開始しました。
「町民バス」は、一律200円で大槌町内と、町から離れたところにある仮設住宅を網羅して走るバスのことで、利用者は主に買い物や通院に利用します。
今回FIDRが支援した新型バスは、ステップが低めになっている他に、乗降口近くにはつかまりやすい手摺もついていて、とても乗降しやすくなっています。バスの車内にある行き先掲示板も、ひらがな表記の上に、文字が大きくなっており、利用者には見やすいように工夫されています。
初日の運行の際には新しいバスを一目見ようと、町内から多くの方がバスを見に来てくださいました。
「おおちゃんのデザインだから分かりやすいね〜」
「目立つデザインだから遠くからでも分かるよ」
「自分が利用するときもこのバスならいいなぁ」
などの声が聞かれ、町の皆さんがバスに乗ることを楽しみにしている様子が伺えました。
また、実際にバスを利用された方からは、
「バスが寄贈されたのは知っていたけど、どこの路線になるかまでは知らなかった。今日新しいバスに乗れてラッキーです」
「おおちゃんが可愛くて見やすいね」
「乗るところが低くて乗りやすいね」
などの声がきかれました。
少しでも多くの町民の方に利用して頂き、復興の一助となれるよう、今日もおおちゃんバスは大槌町内を走っていきます。
桜の便りが次々に聞かれる春の陽だまりの中、岩手県大槌町の安渡漁港では、春からの定置網シーズンを前に、新おおつち漁業協同組合(以下「新漁協」)の漁師さんたちが港に集まり、定置網やロープなどの漁具の手入れで大忙しの日々を送っています。
ある漁師さんは「自分たちで傷んだところを直し、漁具を末永く大事に扱うのさ。」とおっしゃり、時折吹く冷たい風の中、黙々と作業をされていました。
新漁協で定置網漁の統括をされている小石大謀も、
「先の漁で傷んだ箇所をきちんと直しておかないと、漁の途中で破損することがある。支援していただいた網なので大事に扱わないといけない。」と仰っていました。
一昨年、昨年とFIDRが新漁協へ支援させていただいた定置網や漁船を使っての定置網漁が、来月から本格的に始まります。
漁の大漁を祈願するとともに、大槌町の復興が一層進むことを期待しています。
この春FIDRは、大槌町の復興に向けた町の公共交通への支援として、大槌町に新しい小型バス1両を寄贈いたしました。
4月9日、大槌町長、第3セクターのバス運行会社役員等、関係者が出席して、町役場駐車場にて贈呈式が行われました。
新しいバスは、乗客定員が32人、仮設住宅等狭い道でも運行できる小型のタイプで、お年寄りにも乗り降りのしやすい、ノンステップ式の乗降口となっています。
また、車体には町のイメージキャラクター「おおちゃん」が大きく描かれています。試運転を行った後、5月1日より、町内の仮設住宅や商店街、病院などを回る路線バスとして運行されます。
震災後の大槌町では、仮設住宅などがかつての町の中心部から離れた区域にできたため、通学、通院、買い物等のために町民バスの利用者が大幅に増え、町民の方々にとって町民バスは生活に欠かせない足となりました。
町民バスは、震災により4台あった車両のうち2台が被害を受けましたが、各地から支援を受けた中古のバス4台を加え、利用者の要望にこたえて増便や運行ルートの延長などを行い、合計6台の車両をフル稼働の状態で運行してきました。
しかし、古い車両では老朽化による故障が頻繁に起こり、急なトラブルには運休をせざるをえない状況にありました。新しいバスは、老朽化したバスに代わり運行され、これにより安定したバス運行ができるようになります。
新しいバスが多くの町の方々に愛されるとともに、地域の足として働き、復興の力となることを願っております。
9月2日午前4時、8月23日に進水式を終えたFIDR支援の新造船「第一久美愛丸」が、横浜市瀬谷区の支援による「瀬谷丸」と共に、初めての定置網漁に出漁しました。
荒波を物ともせず、うねる波をかきわけ漁場に向かう第一久美愛丸はとても勇ましい姿なのに対し、漁師さん達は静かに前を向き、漁場に到着するのを待ちます。
約5キロ離れた漁場には楕円に広がった定置網。暗い海に映える黄色いブイを押しのけ、2隻の船が並びます。途端に慌ただしくなり、漁師のみなさんの大きな声を合図に一斉に網を引きあげる。その勢いと熱気に我々も大興奮!
元気に跳ねまわる魚を目の前に、歓声をあげ身を乗り出し漁の様子を眺めています。
漁を終えると大漁旗を掲げ、堂々たる姿で港へ戻る2隻の漁船。あたりは段々と明るくなりはじめ、「ひょっこりひょうたん島(蓬莱島)」の弁天様が出迎えた漁港には、嬉しそうな笑顔が溢れ活気に満ちています。
この日の漁獲量はサバなど約800キロ。「ちょっと少ないなぁ。」と言いながらも嬉しそうに“船酔いしない秘訣”まで教えてくれた優しい漁師さん。「おかげさまで復興の第一歩を踏み出せた」と、小石大謀からも感謝の言葉をいただきました。
この秋からはじまる鮭漁など、第一久美愛丸の今後の活躍に期待です!
FIDRの支援による、新おおつち漁業協同組合(以下、新漁協)の新定置網漁船「第一久美愛丸」が大槌町で進水し、8月23日に、式典ならびに祝賀会が執り行われました。
会場となった大槌漁港へ大漁旗をはためかせて到着した「第一久美愛丸」を前に、大漁と漁の安全を祈願する神事が執り行われました。その後、祝い事として行われる「餅まき」があり、大勢の地元の方々も参加して進水を祝いました。
祝賀会では「黒森神楽」が奉納され、出席者による挨拶では、
「最新鋭の船を活用して、大槌町の基幹産業である水産業の振興、発展に向け邁進したいと思います」(阿部組合長代行)
「ご支援に感謝しています。おいしい魚をたくさん捕って、全国に届けることがご恩に報いることだと胆に銘じて、行政と住民が一体となって進んでいきます」(碇川町長)
と、漁の拡大への喜びと意気込みが寄せられました。
式典および祝賀会には、新漁協の阿部組合長代行や小石大謀(だいぼう=定置網漁の指揮・総括役)、岩手県沿岸広域振興局 齋藤局長、大槌町 碇川町長、町議会 阿部 議長ら約50人が出席されました。FIDRからも飯島理事長、峯野副理事長、三木副理事長らが出席しました。
「第一久美愛丸」は、19トンと従来の船より大きく、容量が増えた貯蔵庫と最新鋭の設備により、漁獲物を高い鮮度で保持します。新船によって水産業の基幹産業である定置網漁のより一層の復旧が期待できるため、漁業関係者のみならず、多くの町民が期待を寄せています。
この他にも、FIDRは新たに2か統(定置網漁場の単位)分の定置網を支援しています。9月には合計3か統の漁場が稼働し、震災前とほぼ同規模の定置網漁が回復した状態で秋鮭漁を迎えます。「第一久美愛丸」によって、大槌町がより確かな復興への第一歩を踏み出すことを願っています。
7月19日大安吉日、FIDRの支援による、新おおつち漁業協同組合の新定置網船「第一久美愛丸」の進水式が青森市で執り行われました。阿部副組合長、小石大謀(だいぼう=定置網漁の指揮・総括役)をはじめとする漁協の方々、大槌町役場や造船所の代表者、FIDRからは岡田事務局長と前田職員が参列し、大漁と安全を祈願しました。
新船を水面に浮かべる儀式「進水の儀」は強風のために、残念ながら執り行われませんでしたが、青空を背景に高々と大漁旗を掲げた新造船はたくましく見えました。
船内が広い新船は、作業の効率化を図ることができるとともに、アルミ仕様の軽量化による燃料費の大幅な削減も期待されます。ほぼ完成した船をまぢかに見て、漁協の方々は喜びの言葉をあらわしていらっしゃいました。
「FIDRさんに立派な船をご支援いただき、感謝の思いでいっぱいです。」(阿部副組合長)
「鯖、イカ、鮭の漁を本格的に再開できることに大きな喜びを感じています。」(小石大謀)
小石氏によって名づけられた「第一久美愛丸」という名称には「大槌町の漁業を一からやり直す」という思いが込められています。この船が大槌町の水産業、ひいては町全体の復興を力強く牽引してくれることを心から願います。
今年1月に建造がはじまった定置網船「第一久美愛丸」(アルミ船19トン)。5月中旬までに、船体部では、船殻の組立が終わり、甲板室の工事に移行、機関部では機器台の取付工事が行われています。7月中旬に造船所のある青森県での進水の後、大槌町には8月上旬にやってくる予定です。
建造工程を確認している新おおつち漁協組合の方々も船の完成を心待ちにしています。
「数少ないアルミ合金製の定置船が、間もなく大槌港にお目見となることで8月が待ち遠しく感じられます。新しくなった大槌港に、新しい大型の定置船舶が係留されると港に迫力が感じられ、浜には活気が戻ってくると思います。皆様の支援で頑張っている大槌の漁業支援を全国に紹介できれば良いと思います。」(漁協職員)
「既存の船に比べ大きな魚倉容量があり、氷倉も装備されているため鮭が多く獲れたときでも鮮度が保持されたまま市場へ搬送できるので期待しています。また、19トン型と船体が大きくなり、最新の漁労機器も設備されるので操業体制では効率化し、安全性の改善も図られることになり安心しています。」(大謀*)
*だいぼう=定置網漁の指揮・統括役
FIDRが支援している新おおつち漁業協同組合の組合員さんの中には、ワカメの養殖をしている人たちがいます。
昨年9月にタネ付けしたワカメが4月に収穫と加工作業の最盛期を迎えました。1ヵ月間に、水揚げから塩蔵までの加工を家族総出で集中して行います。昔は大槌で60家族くらいがワカメ養殖に携わっていたそうですが、今では10家族ほどになったとのこと。震災で全てを流された後、ようやくワカメの加工処理に必要な機械を購入することができたそうです。
そのような中で、漁師さんたちは、「FIDRに寄贈してもらった加工作業用のテントによって、港から水揚げしたワカメをその場で塩蔵処理までできるようになった」と笑顔で話してくれました。
1月17日大安吉日。青森県青森市の北浜造船所で、新おおつち漁業協同組合の設立以来、初めての新定置網船「第一久美愛丸」(アルミ船19トン)の起工式が執り行われました。下村組合長をはじめ、大謀(だいぼう=定置網漁の指揮・統括役)、機関長、船長など組合の方々、大槌町役場の職員、造船場の関係者、FIDR職員が参列しました。
起工式は、神職による儀式、参列者による玉串奉奠(ほうてん)をもって、建造の無事を祈りました。
新造船は、船体を組み立てた後、艤装(船の装置や機械設備の装備)へと進み、本年7月に完成を予定しています。
この日はちょうど同型19トンのアルミ船の艤装作業の最中で、特別に工場内に入れてもらい、造船の様子を見学することができました。建造中の船を見て、皆さん口々に感謝と期待の言葉を述べられていました。
「今までの船よりも大きいという印象です。船体が大きくなれば作業の効率化が図られるし、アルミ船は軽量なので、燃料費の削減が期待できます。」(大槌町役場関係者)
「FIDRの支援に感謝します。まさに天の助けです。これからの漁に励みたいと思います。」(大謀)
「支援なしでは新船は造れませんでした。今の古船で故障に怯えながらずっと操業しなくてはならなかったかもしれないです。去年は三陸沿岸で全体的に不漁でしたが、今年は大漁で、市場が賑わうようになればと願っています。」(組合長)
昨年の定置網漁は1ヶ統のみの操業でしたが、新しく漁船ができる今年は3ヶ統に広げる予定です。当然、水揚げ高の増加への期待が大きく膨らみます。しかし、乗組員の高齢化という問題もあり、人員確保への対応が必要な現状でもあります。
「第一久美愛丸」、まさに「組合の将来を担う新造船」です。町の基幹産業である水産業の復興と発展のために、完成が待ちわびられます。
昨年3月に旧漁協(大槌漁業協同組合)に代わり、新たに設立された新おおつち漁業協同組合が、FIDRの協力によりこの度ホームページを開設しました。
ホームページはさまざまな団体や個人からの支援、励ましを受けて立ち上がった新漁協の「今」を広く伝えるとともに、お礼の気持ちもあらわしています。ここから支援、協力の輪がさらに拡がっていくことと期待します。新漁業は、引き続き新鮮な大槌の魚介類を消費者のもとに届けるとともに、新たな取り組みを通して、復興、発展を遂げていくことを目指しています。
ぜひ、新おおつち漁業協同組合を応援してください。
なお、当ホームページは、FIDRの支援企業である株式会社グラファイトから無償でのサーバー使用をご提供いただいております。
【新おおつち漁業協同組合】http://jfshinootuchi.jp
東日本大震災後に破綻した旧漁業協同組合に代わって設立された、岩手県大槌町の新おおつち漁業協同組合が定置網漁を開始し、9月5日、今年初めての水揚げを行いました。FIDRは今回の操業再開を実現するため、定置網船3隻の修繕及びライフジャケットの支援をしました。今回の定置網漁を待っていた漁業関係者らと共に、初水揚げをお祝いしました。
漁師たちは早朝4時過ぎに出漁。3日前に網を仕掛けておいた漁場に着くと、威勢のよい声を上げながら、20人がかりで網をたぐり寄せていきました。
たぐり寄せた網には3トン余りのサバやソウダガツオが入っていました。大漁旗を掲げた漁船が漁港に戻ると、魚はすぐにセリにかけられ、通常の1.5倍以上の価格となる“ご祝儀相場”で取引されました。
定置網漁は、町の水産業の主力。新おおつち漁協が震災後の昨秋、再開を目指しましたが、漁船設備の修繕が遅れ、本格操業には至りませんでした。今回、漁船設備が整い、水揚げを迎えられたことは、漁業関係者にとって感慨深い瞬間となったことでしょう。
初水揚げの様子を見に来られていた碇川豊大槌町長は「様々な助けがあってこの日を迎えることができた。FIDRの支援に感謝します。」と喜びを表していました。
基幹産業である水産業が、壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町。復興のカギを握るべく、新たに発足した「新おおつち漁業共同組合」(新漁協)ですが、組合員のほとんどが被災したことから財政基盤が弱く、活動資金が乏しい状況です。
そこでFIDRは、5月より水産業を中心とした支援活動を実施してきました。老朽化した上、津波で被災した漁船3隻の修繕作業は、7月10日に終了。9月には沖野島漁場で操業する予定です。そのため7月30日から漁師の方々20名が漁協に雇用され、まずは網やロープなどの漁具作りが始まります。