FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

被災地を活性化するためのサポート

2016年9月20日

山田町で「一龍斎貞花 講談会」を開催しました

一龍斎貞花先生(右)の軽妙洒脱なお話しに、会場は終始笑顔が絶えませんでした

9月12日(月)、講談師一龍斎貞花先生が岩手県山田町に訪れ、山田町大沢地区内にある復興案内所で講談会を開催されました。

貞花先生は定期的に開催される講談会において、FIDRの東日本大震災復興支援及びネパール大地震緊急・復興支援活動についてご紹介いただくとともに、これらの活動への募金を募り、ご寄付くださっています。慰問で山田町を訪れるのは約3年ぶりとなります。
当日は、案内所のある地区の方々や近隣の災害公営住宅「県営大沢アパート」の入居者など約30人の方々が集まりました。

「子どものために親は長生きしなくてはいけない」
「生きている方は亡くなった方のためにも笑顔で生活していかなければいけない」

盛大な拍手で迎えられて袴姿で登場した貞花先生は、実体験に基づくお話や講談と落語の違いについて、歴史上の女性が実践した美しさを保つ秘訣の紹介など、様々な興味深いお話を終始笑顔で展開なさいました。

そして、張扇の音が響いたとたん、案内所の空気が一変、講談「山内一豊出世の馬揃え」が始まりした。会場の皆さんは目の前の巧みな話芸に引き込まれ、あっという間に時が過ぎてしまいました。

「山内一豊出世の馬揃え」の講談にみなが引き込まれ、あっという間に時が過ぎてしまいました。

「初めての講談を生で聞けて楽しかった」「夫婦のあり方について考えさせられた」など、来場された方々は、様々に感想や感謝の言葉を述べられていました。

手を振り貞花先生を見送るみなさん

なお、一龍斎貞花先生は、来たる11月8日(火)に東京・国立演芸場にて第25回チャリティー寄席「花の会」を開催され、FIDRの活動のための募金活動を行ってくださいます。

2016年03月15日

それぞれの思いと過ごす被災地の3・11

「みなさんにとってこの5年は、どんな5年だったでしょうか?」追悼イベントの主催者の投げかけた言葉を胸に、それぞれの思いで海に向かって黙とうする山田町の皆さん

2016年3月11日、14時46分。

山田町の雲の少ない春の空に、サイレンが響き渡りました。現在、町内各所で休むことなく進められている工事の機械やトラクターの音もこの時は消え、しーんとした空気の中、みなが黙とうをささげました。

当日、震災から5年の節目を迎えた岩手県山田町では町内で震災に関する様々な集いが催されました。夕方には、「弥生灯火会 3.11ともしびのつどい」が行われ、山田湾岸に集まった約100名の町の皆さんが、犠牲になられた方々ご冥福と復興への願いを灯籠にこめて流しました。

「みんな元気でいますか?こちらはみんな元気にしています」
「早く山田町が元気になりますように…」
「がんばろう!」

町民の方々の手書きによるメッセージが書かれた灯籠は一つずつ、水面に放たれ、人々は、思いを一緒に乗せるかのように海に漂う灯籠の灯りをずっと見つめていました。

FIDRは町内の有志グループらが主催するイベント「弥生灯火会 3.11ともしびのつどい」において灯籠の提供をしました

海に乗って、思いが届きますように…

5年の節目に合わせ、打ち上げられた5発の花火は、これからも一歩ずつ歩んでいこうという町民の皆さんの心意気のようにも見えました

2015年12月25日

今年で5年目。サンタ姿のペコちゃんが被災地の子どもたちに会いに来てくれました!

震災以降、FIDRが被災地域訪問に際する調整・手配をお手伝いしている株式会社不二家の「不二家キャラバン隊」。今年は、12月8と9日の2日間に亘り、宮古市と山田町の5か所の保育施設等に子どもたちを訪ねていただきました。

訪問先の一つ、宮古市田老保育所は、2011年以来2度目の訪問となりました。初訪問は、震災によって園舎を失った後、転々と場所を変えながら活動していた保育所に、ようやく落ち着いた居場所(仮設園舎)ができた2011年秋でした。それから4年の月日が流れ、来春には本設の保育所への引っ越しを控え、仮設園舎で過ごす最後となるクリスマスにペコちゃんがやってきました。

「元気よく腕を振って〜」「ぐるっと回って、ハイポーズ!」
ペコちゃんの動きとお姉さんの声に合わせて、一所懸命ダンスする子どもたち。

「もう1回!」のアンコールに応えて、ペコちゃんとお姉さんたちもいっぱい踊ってくれました

「ペコちゃん、どこから来たの?」「ペコちゃんの国はお菓子がいっぱいあるね」
ペコちゃんに向かって、大きな声でしゃべりかける子どもたち。

ペコちゃんクイズ。正解に「やった〜!」のガッツポーズ

ペコちゃんと一緒に記念撮影
みんなペコちゃんの方ばかり見て、なかなかシャッターを押せません

保育室には子どもたちの元気な声と笑顔があふれました。ショーの終盤、3人の子どもたちがペコちゃんからプレゼントを受け取るために前に出てきました。

プレゼントを受け取るときもペコちゃんに釘づけ?!

それを見ていた先生が、「あの子たちは、震災当時、ゼロ歳児で、私たちが抱っこして逃げたんですよ…」と教えてくれました。

しっかりペコちゃんに「ありがとう」を言った子どもたちの姿をみて、改めてあの日から5年近くの月日が経ったことを実感し、ペコちゃんと過ごした時間が、仮設園舎で育った子どもたちにとって楽しかった思い出の一つとして心に刻まれることを強く願った1日でした。

2015年03月18日

想いをのせて流す灯籠

いろいろな思いをのせた灯籠は、あの日と同じ海に還っていきました

平成27年3月11日 未曽有の震災から早や4年。

岩手県山田町では、震災発生時刻の2時46分に合わせて様々な追悼行事が開催されました。そして、夕方6時からは、亡くなった方を敬い復興の願いを込めて灯籠を流す「3.11ともしびのつどい」が行われました。FIDRは今回使用された灯籠を支援させていただきました。

前日からの強風と小雪交じりの中、町内外から100人以上の方が会場を訪れ、海に向かって黙祷を捧げた後、灯籠が海へ流されました。

「今どこにいるの?みんな待っています。早く戻ってきて」
「子どもたちを見守っていてね」
「笑顔があふれる山田町にしたい」
町民の方や、町の復興に携わっていらっしゃる方などが、亡くなった人へのメッセージや今の自分の気持ち、これからの山田町への夢などを記し、灯籠を海に流しました。

いつまでも流れる灯籠を見つめる人々の瞳には、亡くなった人を忘れまいとする気持ちが表れているようでした。


様々な人が復興に向けて頑張っているこの町が「笑顔のあふれる安心、安全な町」であり続けることを心から願っています。

2014年12月24日

今年もペコちゃんが子どもたちに笑顔をプレゼント

今年も「不二家キャラバン隊」の皆さんが、「被災地の子どもたちに笑顔を届けよう!」と、12月9日〜10日の2日間、山田町と大槌町を訪問してくださいました。FIDRではこの訪問期間中のアレンジをお手伝いしました。「不二家キャラバン隊」は震災直後の2011年12月から毎年この時期に被災地を訪問してくださっており、今年で4回目を迎えます。

9日の午前中は、山田町で町内の園児や、子育て支援センターの子どもたちとふれ合いました。サンタ姿のペコちゃんが現れると子どもたちは歓声を上げて近寄り、握手や写真撮影会で楽しいひと時を過ごしました。しかも、株式会社不二家様からはお菓子、不二家乳業株式会社様から牛乳のプレゼントもあり、子どもたちは一足早いサンタさんからのプレゼントに笑顔を見せていました。

9日午後からは、不二家乳業株式会社様のご協力により「バター作りの実演」も開催されました。牛乳と生クリームを1対1の割合で入れた容器を一生懸命振り、出来上がったバターはパンにつけてその場で美味しく頂きました。

「プレゼントをありがとうございました!」ペコちゃんにお礼を言う園児たち(山田町)

プレゼントをもらって、ペコちゃんの真似をしながら「ハイ・ミルキー!」

10日は、今年10月に園舎が完成した大槌町の「みどり幼稚園」や大槌町子育て支援センターを訪問しました。初めて見るペコちゃんに園児も先生もワクワク・ドキドキでしたが、サンタ姿のペコちゃんが現れると子どもたちは大はしゃぎして、ペコちゃんと一緒にクイズやダンスを楽しみました。

子どもたちだけではなく大人も笑顔にしてくれたペコちゃん。被災地で笑顔の輪が大きく広がった2日間でした。

「やったぁ!当たった!!」ペコちゃんクイズを楽しむ子どもたち(大槌町)
2014年8月19日

「サマーチャレンジやまだ」の開催をサポートしました

FIDRは、山田町社会福祉協議会が主催する「サマーチャレンジやまだ」の開催を3年連続でサポートしています。今年は7月下旬から8月上旬の中の5日間、町内の各地で開催されました。

「サマーチャレンジやまだ」とは、震災後遊ぶ場所が少なくなった町内の子どもたちに、夏休み中の体験学習をとおして子供たち同士の交流の場を広げる活動です。前回までは、他県からのボランティア団体の協力をいただきましたが、今年は初めて、全て町内の方を講師に迎えた体験教室を企画し、山田町を中心とした交流を行いました。

FIDRでも、ひとつの教室を担当することになり、「わくわく子ども探検隊!〜あんなとこ・こんなとこ新発見」と題した、町内の隠れスポットを体験する教室の企画、運営を行いました。
子どもたちには、地元でも普段なかなか行けない場所を探検してもらい、一人一台ずつ貸し出したタブレッットPCで、探検したスポットの写真を撮ってもらいました。また、山田町の歴史に詳しい方を講師に迎えその土地にまつわるお話をしてもらいました。

鈴木善幸像前に集合し今日の注意事項等の説明を受けます。「さぁここから探検へ出発!!」

山田湾が一望できる高い場所で、講師の佐藤さんから、山田湾と「オランダ島」の説明を受ける子どもたち

今回の参加した子どもたちは誰も来たことが無かった「多久里の滝」。今回は歩きましたが近くまでなら車で来ることも出来ます

いつもは静かな山田湾しか知らない子どもたちは、太平洋の荒々しさにびっくりしていました。

移動中のバスの中も、土地の名前の由来や見てきた場所に関するクイズなど話は尽きません。
教室の最後は、参加者それぞれが、探検のまとめと今日一番のお気に入り写真を発表してもらいました。

山田町は海も山も沢山の自然に囲まれています。なかなか見る機会のない子どもたちは「今度は親と来てみたい!」「家に帰ってから家族に教えます」と山田の宝をいっぱい見つけたようでした。

2014年1月30日

ペコちゃんが子どもたちに笑顔をプレゼント

日に日に寒さが厳しくなる12月の半ば、寒さにも負けない山田町と大槌町の元気な子どもたちのところへ今年もペコちゃんがやってきました!兜s二家が実施する「不二家キャラバン隊」の被災地訪問は、震災後3度目となります。

FIDRは、山田町と大槌町内の4つの保育園にキャラバン隊をご案内しました。そのひとつ大槌町の吉里吉里保育園は、沿岸にあった園舎が被災し、震災から約5か月後にようやく高台の用地が確保でき再建できましたが、現在も仮設の園舎での保育を余儀なくされています。

キャラバン隊が訪れた時は、お誕生会の最中でした。実は、ペコちゃんが来ることは子どもたちには内緒にしてたのです。突然のかわいい訪問者に元気な子どもたちは大興奮。キラキラと輝く笑顔を見せてくれました。クイズやダンスを楽しんだあとは、ペコちゃんからたくさんのプレゼントが手渡されました。楽しい時間は、あっという間に過ぎ、お別れの時間が。

「ペコちゃん!また来てね〜!!」と、一生懸命小さな手を振る子どもたち。
ペコちゃんの訪問は、いつまでも心に残るプレゼントとなりました。

お誕生会の最中突然現れたペコちゃんに大興奮でした

ペコちゃんクイズに正解し大喜びの子どもたち

2012年12月21日

「笑顔の時間」のプレゼント〜『不二家キャラバン隊』が被災地を訪問しました!

ペコちゃんが子どもたちを訪問し、クイズや歌で「笑顔の時間」をプレゼントするという、「不二家キャラバン隊」が、今年も被災地の子どもたちを元気づけようと、12月12〜13日に、山田町(保育所3ヵ所と公民館)と、大槌町(保育所1ヵ所)を訪問しました。キャラバン隊は、昨年も岩手県山田町でのクリスマスイベントにご協力いただき、その反響を受けてのご訪問となりました。今回FIDRは、2日間のキャラバン隊訪問期間中のアレンジを行うことで、ご協力いたしました。

「せ〜の、ペコちゃーん!!」。司会のお姉さんと一緒に、会場の子どもたちが全員で元気な声で呼ぶと、ペコちゃんが手を振りながらステージに登場。初めて見るかわいいペコちゃんに、子どもたちは歓声を上げて大はしゃぎでした。

クイズ大会では、「ミルキーは何のミルクからできているのかな?」というクイズに、「ミルキーはママの味」ということで、「お母さんのミルク」に手を挙げている子どもが多く、保育所の先生や父兄から笑いが起きていました。
またダンスの時間では、ペコちゃんと司会のお姉さんのお手本に合わせて、子どもたちも一緒に手を広げたりグルグル回ったり、夢中になって踊っていました。最後はステージでペコちゃんと記念撮影と、お待ちかねのプレゼントタイムに、子どもたちは大喜びでした。

ペコちゃんに抱き付いて離れない子どもや、帰り際に「ペコちゃん号」が見えなくなるまで手を振っていた子どももいて、ペコちゃんはどの子からも愛され、親しまれていました。

これからもペコちゃんが、被災地の子どもたちを笑顔にし、未来をひらいていく支えとなっていくことでしょう。

2012年10月31日

日体大スポーツキャラバン隊が被災地を元気づけました!

「エッサッサ〜!!」。一糸乱れぬ力強い動きと、気合いに満ち溢れた掛け声が響き渡り、振動で会場が揺れ動いたようでした。10月12日に、総勢250名を超える日本体育大学の学生が宮古市と山田町を訪問し、「日体大スポーツキャラバン」が開催されました。

同大学は震災直後に「東日本大震災復興支援プロジェクト」を立ち上げ、これまでFIDRの活動にも何度も協力していただいています。今回FIDRは協力団体として、スケジュールのアレンジ等を協力しました。今回は「スポーツでつながる人と人」をテーマに、同大学の学生がスポーツを通じて被災地の方々と交流を深め、復興を後押しできるようにと、「スポーツ交流会」と「体育研究発表実演会」の2つのプログラムが行われました。

日中に行われたスポーツ交流会では、宮古市と山田町の保育所から高校を、チアリーダー部、体操部、ダブルダッチサークルが訪問し、スポーツを楽しみながら子どもたちと交流しました。FIDRが建設支援した宮古市の津軽石保育所と田老保育所にも、チアリーダー部が訪問しました。

保育所へ向かう途中、決壊した防潮堤に立ち寄り、被災状況を日体大生に見てもらいました。実際に自分の目で見た被災地の状況は、予想していた以上に深刻だったようで、言葉を失っていたと同時に、いかにしてスポーツを通して園児たちを楽しませ元気付けられるかを、神妙な面持ちで考えていたのが印象的でした。

保育所では元気な大学生のお姉さんたちが、アクロバティックで華やかな演技を披露すると、園児たちもポンポンを振りながら一緒にリズムに乗って踊り、手を叩いて喜んでいました。また日体大生の肩に乗せてもらいチアリーディングを体験させてもらうと、生まれて初めての体験に、園児たちは大はしゃぎでした。帰り際には日体大生に抱き付いて離れない園児もいました。

夕方からは宮古市民総合体育館(シーアリーナ)にて「体育研究発表実演会」が行われ、会場は立ち見が出るほどの大盛況でした。
日本や世界の頂点を目指し、日々の厳しい練習に耐えぬいてきた日体大生が、日頃の成果を発表しました。チアリーダー部の元気な演技を皮切りに、剣道、ダブルダッチ、伝統芸能(和太鼓)、トランポリン、体操、ハンドボール、ダンス、体操競技が披露されました。その技術の高さと圧倒的な迫力に、会場は歓声が沸き起こりました。

地元の運動部の中高生たちは、日体大生の演技を固唾を飲んで見入っていました。将来、今回訪問した学校やこの客席の中から、また沿岸被災地から、日体大生のようなトップアスリートが生まれ、被災地を元気づけるような活躍をしてくれることを願います。フィナーレは応援団をはじめとする学生全員から、「フレーフレーい・わ・て!!」のエールで、日体大スポーツキャラバンは幕を閉じました。子どもたちを始めとする被災地の皆さんにとって、これからへの力強い応援となったのではないでしょうか。

2012年9月7日

「山田町交流ツアー」に東京などから親子が参加しました

7月31日から8月2日までの3日間、「山田町交流ツアー(主催:毎日小学生新聞/協力:FIDR)」が開催され、同紙の読者親子18人(7家族)が参加しました。今回のツアーは、震災から1年が経った被災地の現状を知ってもらうとともに、山田町の子どもたちと交流しながら、山田町の豊かな自然や文化に触れてもらうことを目的として催されました。中には阪神淡路大震災の恩返しがしたいということで兵庫から参加した親子もいらっしゃいました。

1日目:唯一校舎が被災した船越小学校の校舎跡地を見学し、とっさの判断で児童を裏山へ避難させ、全員の命を救った学校職員の方から震災当時の話を聞きました
「津波が校舎をのみ込み、厳しい寒さの中、裏山でひと晩を過ごしました」児童と教職員の話に、参加者は真剣に聞き入ってメモを取っていました。

船越小学校が間借りしている「陸中海岸青少年の家」の教室を校長と副校長の案内で見学し、宿泊施設の一角を教室として使用している不便な学習状況を、実際に椅子に座るなどして実感していました。

2日目:早朝の魚市場(三陸やまだ漁協)を見学しました。普段、実際に魚介類に触れる機会がほとんどない子どもたちは、生きている魚やホタテを掴んで大はしゃぎでした。

建物が被災し漁獲量も震災前より減ってしまいましたが、活気があり威勢のよい競りに参加者は興味津々でした

2日目夕方には隣の大槌町の被災状況を見学し、地元のガイドから震災当時の話を聞きました。

「とにかくお父さん、お母さん、家族を大切にしてください。亡くしてからでは遅いのですよ」とメッセージが贈られ、子どもたちだけでなく大人たちも、忘れていた大事なものを思い出したような表情をしていたのが、とても印象的でした

3日目:山田町の仮設住宅を訪問し、自治会長から生活で困っていることや、どのように住民同士で協力し合いながら生活しているかなどを話してもらいました

自治会長が瞬時の判断で津波の被害から逃れた話や、知り合いが津波にのまれたにも関わらず九死に一生を得た話を聞き、生きていることの幸せを感じることができたのではないかと思います

3日目:海岸清掃の小ボランティア活動を行いました。綺麗な海で海水浴場を再開させ、震災前以上の観光客に来てもらえるようにするため、町内外のボランティアが日々清掃活動を行っています。砂浜の砂を掘り起して、それを振るいにかけてゴミを取り除く作業。この地道で力を要する作業の重要性を感じながら、参加者は黙々と汗を流していました。

盛りだくさんの3日間のツアーに、参加者は充実感と疲れが入り混じった表情をしていました。今回の体験を通し、子供たちは夏休みの自由研究などを通して、被災地の現状と山田町の良さを周りの友達や家族に伝えてくれることと思います。

※今回のツアーの内容がBS-TBSにて取り上げられることになりました!
『ニュース少年探偵団』
放送日:9月9日(日) 18:00〜

2012年8月21日

山田町で女子バレーボール交流大会が開かれました

「もう一本とるよっ!」
「おおうっ!」
山田中学校体育館に、中高生の元気な声が響きました。8月11日と12日に「山田町復興支援交流女子バレーボール競技会(主催:山田町社会福祉協議会 後援:FIDR)」が行われました。この競技会は、会場となった山田中学校をはじめ、被災地の中学校と高校が、震災前の活発な部活動を取り戻し、交流を通して競技力をアップさせることを目的として開催されました。
震災の影響を受けた岩手県沿岸部の中学校や高校は、様々な制約の中での部活動を余儀なくされており、FIDRはこれまで「部活動サポートプログラム」を通して様々な支援をしています。今回の競技会においてFIDRは、公式球、メディカルセット、大会記念ポロシャツ及びメダルなどを支援しました。

当日は山田中学校(山田町)、小本中学校(岩泉町)、崎山中学校(宮古市)、越喜来中学校(大船渡市)、遠野中学校(遠野市)、大槌高校(大槌町)のほか、山田町と盛岡市の社会人チームも参加し、練習会と交流試合が行われました。

ちょうどロンドンオリンピックで女子バレーボールが銅メダルを獲得した翌日ということもあったためか、どの試合も熱戦となり、大いに盛り上がりました。生徒だけでなく応援に来られた先生や父兄の声援も白熱し、みんな真剣な眼差しでボールを追っていました。なかには大人顔負けのスパイクを打つ中学生もいて、会場からはひと際大きな歓声が上がっていました。いつの日か、この中からも将来のメダリストが誕生するかもしれませんね。

今回一番印象的だったのは、参加した生徒が非常に礼儀正しく、はきはきとした受け答えが出来ることでした。転がってきたボールを手渡すと、どの生徒も深々とお辞儀をして大きな声でお礼を言ってくれます。東北被災地の中高生が選手としても人としても成長し、将来様々な分野で活躍できるように、これからもサポートを続けていきたいと強く感じた一日でした。

3位の小本中学校(岩泉町)の選手に表彰状を手渡すFIDR薄木職員(中央)

優勝した越喜来中学校(大船渡市)

2012年8月20日

「サマーチャレンジやまだ2012」日体大水泳&ダブルダッチ教室

夏休みを迎えた東北被災地。山田町を始めとする被災地では、小学校の校庭や公園に仮設住宅が建設されたことなどにより、子どもたちの学習と遊びの場が不足しており、ストレスを感じている子どもたちが多く、課題となっています。そこで夏休み期間中に、子どもたちにスポーツや学習で様々なことにチャレンジしてもらい、体も頭もおもいっきり動かして楽しんでもらおうと、「サマーチャレンジやまだ2012(主催:山田町社会福祉協議会 共催:FIDR)」が7月30日から8月12日まで開催されました。いつもFIDRの活動にご協力いただいている日本体育大学の学生のみなさんに、今回もご協力いただきました。

7月30日から8月1日の水泳教室は、8月3日の山田町小学校水泳記録会に出場する児童のタイムアップを目的とした強化練習会として、町内9校の小学生(1日約100人)が参加しました。児童たちは水泳を専門とする6人の日体大生からフォームを修正してもらいながら、水のかき方や息継ぎの仕方など、水の抵抗をなくして泳ぐコツを教わっていました。すると一目で分かるほどフォームがきれいになりタイムもアップし、また飛び込みで水面にお腹をぶつけていた児童もきれいに頭から飛び込めるようになるなど、子どもたちの呑み込みの速さと、日体大生の教え方の上手さに驚かされました。

児童たちは熱心に、正しい泳ぎ方を教わりました
途中から教授(中央)も熱血指導

途中から学生だけでなく教授も水に入り熱血指導。児童たちも大喜びで、最終日には船越小学校から日体大生へ、お礼の文章が贈られました。

水泳教室の合間を縫って、日体大生にFIDRが支援した田老保育所と津軽石保育所に訪問してもらいました。
突然の訪問客に園児たちは大はしゃぎでした。

8月6日と7日は、日体大ダブルダッチサークルの学生5人から丁寧に教わりながら、2本の縄を使っての大縄跳びを楽しみました。同サークルは世界大会で優勝するほどの実力と実績がありイベントなどに引っ張りだこなのですが、今回は大会直前にも関わらず山田町の子どもたちを元気づけようと、特別に来ていただきました。保育園児から小学生まで、日体大生から縄に入るタイミングやジャンプの仕方などを教わりながら、音楽と手拍子に合わせてテンポよく跳んでいました。

大学生のお兄さんとお姉さんに抱きついて離れない子どももいて、帰りの車の中でぐっすり眠るほど駆け回って楽しんでいました。

山田町の子どもたちにとって窮屈で不便な生活状況は続きますが、短い期間でしたが夏休みのよい思い出になったのではないかと思います。被災地の子どもたちが震災前のように、おもいっきり勉強して遊べる生活に一日も早く戻れるよう、FIDRは支援を続けていきます。